監督:ジェームズ・アイザック
製作:ノエル・カニンガム
ジェームズ・アイザック
製作総指揮:ショーン・S・カニンガム
音楽:ハリー・マンフレディーニ
出演:ケイン・ホッダー(ジェイソン)
レクサ・ドイグ(ローワン)
リサ・ライダー(KM)
チャック・キャンベル(ツナロン)
ジョナサン・ポッツ(ロウ教授)
ピーター・メンサー(ブロッドスキー軍曹)
メリッサ・エイド(ジャネッサ)
メロディ・ジョンソン(キンサ)
ダーウィン・ジョーダン(ウェイランダー)
ダヴ・ティフェンバック(アザレル)
ボイド・バンクス(ルー)
フィリップス・ウィリアムス(クラッチ)
ヤニ・ゲルマン(ストーニー)
デビッド・クローネンバーグ(ウィマー博士)
(感想)
とうとう10作目となった『13金』シリーズ。そしてその舞台はとうとう宇宙船なんてものになってしまいました。
それにしても、1作目以来、マイナーチェンジの繰り返しだったこのシリーズですが、製作がパラマウントからニュー・ラインに変わったとたんに、内容を大幅に変更してくるようになりましたね。前作『ジェイソンの命日』では“ヒドゥンジェイソン”が登場したと思ったら、今度は“メタルジェイソン(もしくはロボコップジェイソン・笑)”が現れてしまいました。
そして、前作とのストーリーの繋がりに辻褄を合わせる行為をもはや完全放棄。それぞれ独立した“ジェイソン映画”として作られる事になったようです。
ですが、シリーズを通してのお約束はしっかり守ってきているのが嬉しいところですね。
宇宙船内という、限定された場所が舞台ですが、その地形を活かした恐怖&サスペンス演出というのは全く無しで、船内のどこを通るとどこに行くかとか、どれぐらい広いのかなど、宇宙船の構造に関する情報は観客には全く提示されません。たまに外観が映るだけです。
だから、襲われる人間の身になって、「どう生き残るか?」を考えながら見るという要素を初めから無くし、あくまでも「ジェイソンがひたすら暴れまわる様を見る」事のみを強いられる事となります。
これは、ホラー映画的にはちょっとどうなんだろう、と思うやり方ではありますね。それに、かつては「スプラッター」と形容されたジェイソンの殺戮シーンも、VFXの多用により生々しさ、痛々しさがほとんど感じられなくなっています。
もうこうなると、この映画をホラーに分類していいものかどうかも怪しくなってきますね。もう、「ジェイソン映画」という『13金』シリーズ専用ジャンルの映画と思った方がいい段階に来てるのかもしれません。
と言う訳で、この映画の見所は一つ。“ジェイソン”です(笑)。
今回はただ怖がる若者を料理するだけではなく、襲ってくる特殊部隊の精鋭にヤキを入れるなんて展開も出て来ます。ちなみに、この特殊部隊のリーダー、ブロッドスキー軍曹はなかなかいいキャラクターでしたね。特に、すでに刃物で刺されているというのに「俺を殺すには一刺しでは足りないぜ」なんて、とんでもない負け惜しみをかましたりする辺りは、この男の真骨頂といった感じですかね(この後、もう一刺しされると「それでいい!」と訳の分からない事を言って倒れる)。
この映画にはもう一人名物キャラが出て来ます。それは、アンドロイドのKM。多分、『マトリックス』をパクってるんだろうなと思わせる衣装&二丁拳銃でジェイソンを攻撃。さらにはカンフーまで見せる始末です。
とうとう、若者だけじゃなくて、こんな連中を相手にしなくちゃならない段階に来たんですねぇ、ジェイソンは。これから大変です(何しろ、次の相手はフレディでしたし)。
そういった強敵に対処する為、終盤は無敵のメタルジェイソンとなって現れるんですが、多分、PART11では元のノーマルジェイソンに戻ってるんでしょうね(でも、また何か特殊な変化をしそうな雰囲気ではありますが・笑)。