13日の金曜日PART2
<FRIDAY THE 13TH PART 2>
81年 アメリカ映画 86分

監督・製作:スティーブ・マイナー
音楽:ハリー・マンフレディーニ
出演:エイミー・スティール(ジニー)
   ジョン・ヒューリー(ポール)
   ビル・ランドルフ(ジェフ)
   マータ・コーバー(サンドラ)
   ステュー・チャーノ(テッド)
   トム・マクブライド(マーク)
   ローレン−マリー・タイラー(ビッキー)
   キルスティン・ベイカー(テリー)
   ラッセル・トッド(スコット)
   ウォルト・ゴーニー(ラルフ)
   ジャック・マークス(警官)
   エイドリアン・キング(アリス)
   ベッツィ・パルマー(ボリーズ夫人)
   ウォーリントン・ジレット(ジェイソン)
   クリフ・クドニー(マックス)

(あらすじ)
惨劇から5年。“血のキャンプ場”クリスタル・レイクは再び閉鎖された。
だが、そのすぐそばのキャンプ地に、指導員の訓練センターが開設され、若者達が集まっていた。
そんな若者達の姿を森の中から密かに窺っている人物がいた。それは、頭に布袋を被った異常者であり、数年前にクリスタル・レイクで溺れ死んでいたはずのジェイソン・ボリーズその人だった!

(感想)
登場する女優陣の露出度&胸の大きさが前作より割増となった、このPART2。より、『13金』らしくなってきたと言えそうですね。

今回は舞台がクリスタル・レイクではなく、“その近くのキャンプ場”という設定です。で、ここに集まってくる若者達ですが、これがまた、嬉しくなるぐらいに人数が多いです。「わおっ!ジェイソンのえじきがこんなにいる!」と喜んだのもつかの間。この内の半分は惨劇の起こる夜に、町のバーに飲みに行ってしまいます。なので、結局、今作で犠牲になる人の数は前作とそんなに変わらない程度なんですよね。残念!
まあでも、殺人シーン以外のサービスカットが増えたからよしとしますか(笑)

そして、シリーズでついにジェイソンが殺人鬼として登場するわけですが、今作ではまだホッケーマスクを被っていません。のぞき穴の開いた布袋を被り、青のオーバーオールを着込んでいるという、最悪のファッション。まるで、“ジェイソンの下積み時代”を見ているかのようです。


この映画、オープニングがとっても洒落ていて、前作でせっかく生き残ったアリスが殺される場面から始まるんです。しかも、アリスを演じるのはちゃんと前作と同じ人がやってくれています。
いやぁ、前作で必死に生き残った登場人物をこうもあっさり殺すとは。しかも、ちゃんと殺す場面も映してくるんだから凄い。それも、こめかみにアイスピックを突き立てるという、結構痛々しい殺害方法です。

映画の本編は、このオープニングから5年後に始まる事となります。で、その間に、このアリスが死ぬまでのクリスタル・レイクの惨劇が、若者達の間に都市伝説のような感じで広まっているようなんです。そして、その噂話の中では、アリスは“行方不明”という事になっています。
この頃のジェイソンはまだ無敵の怪人ではなく、精神を病んだ生身の殺人鬼のような描かれ方をしてるので、果たしてそんなジェイソンに、クリスタル・レイクから遠く離れた所にいるアリスを殺しに行く事が可能なのか疑問があるんですよね。
前作で語られた、「湖で溺れた事件」から今日まで、ジェイソンはどこにいたのかと言うと、森の中にあるボロ小屋(通称ジェイソン・ハウス)に住んでいたらしいんです。もしその通りだとすると、ジェイソンは少年時代から大人になるまで、ずっとこのジェイソン・ハウスで母親と二人きりで過ごしていたわけなので、とても、一人で町に出掛けて行く(それも、誰にも見つからずに)なんて事が出来るとは思えないんです。
なので、冒頭の“アリス殺害”は、果たして本当に起こった出来事なのか、これをジェイソンの仕事に含めていいものか、悩むところなんですよね。もしかしたら、ジェイソンともクリスタル・レイクとも無関係な異常者の仕業だったとか、あるいは、あの事件で精神を病んだアリスの幻だったとかじゃないんだろうか(で、その後精神病院行きとなり、伝説では行方不明扱いになると)。
もし、そうなると、ジェイソンの歴代殺害人数に“マイナス1”が出るかもしれないので、これは重要な点です。
まあ、後に落雷で墓から蘇ったり、メタル化して大気圏突入したりするような奴ですから、なんらかの裏技を使ってアリス宅まで行けたと考えるべきなんでしょうけどね(笑)。

ところで、今作でジェイソンと対決する事となるジニーという女ですが、学校では児童心理学を専攻しているという設定で、途中に、“もし、ジェイソンが伝説ではなく、実際に存在するとしたら、どうなっているのか。どんな人間に成長しているのか”というのを推理するシーンが出て来ます。
これが伏線となって、クライマックスのジェイソン・ハウスで襲われるシーンにおいて、中でミイラ化した夫人の生首と共に飾られている、当時夫人が着ていたセーターを着てジェイソンを油断させる、というシーンが出てきました。
この映画、以前見た事があるにも関わらず、ほとんどのシーンを忘却していた私ですが、このシーンだけはハッキリと覚えていましたね。それだけインパクトのあるシーンだったのか、それとも、このシーンが確か『3』の冒頭で繰り返されたのが原因なのか(笑)。
ちなみに、この夫人のセーターを着る作戦、ちょっとしたその場しのぎにしかならないところが凄いです。あんな前からネタふりをしていたというのに。
結局、ジニーを助けに現われたポール青年がジェイソンと格闘してる最中、ジニーが後ろからナタでザックリいくという、心理作戦も何もあったもんじゃない、ただの力技で倒す事となります。
でも、この辺の、脚本を練った形跡がほとんど見られないという点も、何か『13金』らしい気がしてむしろ微笑ましいです(笑)。