監督:スティーブ・マイナー
音楽:ハリー・マンフレディーニ
出演:ダナ・キンメル(クリス)
ポール・クラッカ(リック)
ラリー・ゼルナー(シェリー)
キャサリン・パークス(ベラ)
ジェフリー・ロジャース(アンディ)
トレーシー・サベージ(デビー)
デビッド・カティムス(チャック)
レイチェル・ハワード(チリー)
ニック・サベージ(アリ)
グロリア・チャールズ(フォックス)
ケビン・オブライエン(ロコ)
スティーブ・サッスキンド(ハロルド)
チェリ・マウガンス(エドナ)
リチャード・ブルーカー(ジェイソン)
(感想)
劇場公開時は3D映画として公開された事で有名なこの3作目。その特性を活かした、「画面のこっち側に向かってくる物体」が劇中、ところどころに出て来ます。が、ビデオ(もちろんDVDも)版は3D仕様ではないのが残念なところです。
この3作目、3D以外にも大きなウリがあります。それは、ジェイソンの記念すべきホッケーマスクデビューの映画だという点です。やっぱり、前作の布袋ジェイソンとはもう違う存在と言ってもいいぐらいに魅力がアップしました。何と言っても、ジェイソンのトレードマークですからね。
また、内容も微妙に前2作から変化しており、舞台もキャンプ地から森の中の別荘に変わりましたし、出てくる登場人物の設定も、これまでSEX大好きな若者達のみだったところ、多少バリエーションが増えました。
別荘に集まったのは全部で8人(男4人、女4人)で、4つのペアが出来ています。
一つは、家から離れていた為に、殺される順番が後回しとなる主人公ペア。
次は、これまでの若者達同様、夜はSEXに明け暮れるタイプのペア
登場した時からマリファナを吸っている、ヒッピーのような格好のアホっペア、
そして最後は、ペアとは言えないような関係の二人。男の方は、見るからに異性に奥手な感じのする、やや小太りの不細工君。コイツがなかなかいいキャラクターで、この夜が一世一代のチャンスとばかりに頑張ってアプローチする姿がとっても微笑ましいです。
相手の気を引くために小細工で驚かす、という小学生みたいな技を使ったりするんですが、そこで、小道具としてホッケーマスクを用いる場面があります。そう、ここで使ったホッケーマスク。後にジェイソンのトレードマークとなる、あのマスクなんです。元はコイツの持ち物だったんですね。
また、若者の他にバイカー(別名、暴走族)3人も、わざわざ殺されにやって来てくれます。
このように、登場人物に広がりが出たのでストーリー部分も面白くなりました。そして、これまでストーリーを盛り上げてきたその登場人物達が、後半、次々と惨殺されていくという展開が余計に面白く感じられます。まさに「ホラー映画界の大スター!」な風格の漂い始めてるジェイソンの殺戮ショーは、怖いと言うよりもエキサイティングです。
さらに、殺害シーンでジェイソンが使う道具もバリエーションがあるのもいいですね。
そして、これもかなり重要な点ですが、グロ度がかなりアップしているんです。矢が目に突き刺さる様が描写されたり、頭を潰されて目が飛び出すなんてシーンも出て来ます(しかも、3D仕様を活かして、目玉が画面のこっち側に向かって飛んで来たりする)。
映画のおおまかな流れは前シリーズとほぼ一緒なんですが、ストーリーも登場人物の人選も殺害シーンも、全体的にかなり面白くなってる感じがします。基本的にマイナーチェンジを繰り返してるだけのシリーズなんですが、今回はそれが概ね良い方向に向かってくれたようです。
ただ、終盤の、主人公クリスとジェイソンの一対一の攻防戦辺りの迫力はこれまでのシリーズとは段違いに怖いですね。やっぱり、ホッケーマスクの怪人の見た目のインパクトは凄いです。今後、アホみたいにシリーズが続いていくのも頷けるぐらい強烈なキャラクターですね。
この終盤の攻防戦、まず、これまでにクリス以外の登場人物を全員瞬殺してる様が描写されてきてるので、クリス一人が生き残った段階で「これからどうやってジェイソンから逃げるんだろう」という興味が出て来ます。
そしてここで、クリスが隠れた事により初めて出てくる「ジェイソンが標的を探してる様」がまた面白いですよね。これまでは殺人シーンに一瞬姿を見せるだけという神出鬼没の怪人が、普通の人間のように“捜しもの”をしてる姿は恐ろしくも面白いです。
ジェイソンが本格的に殺戮を開始したあたりから、一作目で使われた演出が、ここで再び使われだします。デビーが殺される場面は、一作目でケビン・ベーコンが殺された時の演出とほとんど一緒でしたし、主人公一人が生き残った段階で、死体が窓から投げ込まれるというのも一作目に出て来ました。
そして、ジェイソンを倒した後、主人公がボートに乗って湖に出るというところまで一緒です。一作目ではここでジェイソンがバァー!と出て来て大いに驚かされましたが、この三作目ではボリーズ夫人が登場します。ただ・・・、完全にタイミングを間違えてましたね。全然ビックリしなかったです(笑)。