13日の金曜日/ジェイソンの命日
<JASON GOES TO HELL: THE FINAL FRIDAY>
93年 アメリカ映画 91分

監督:アダム・マーカス
製作:ショーン・S・カニンガム
音楽:ハリー・マンフレディーニ
出演:ケイン・ホッダー(ジェイソン/警備員/フレディの手)
   ジョン・D・ルメイ(スティーブン)
   カリ・キーガン(ジェシカ・キンブル)
   スティーブン・ウィリアムズ(デューク)
   スティーブン・カルプ(ロバート・キャンベル)
   エリン・グレイ(ダイアナ・キンブル)
   ビリー・グリーン・ブッシュ(エド保安官)
   キップ・マーカス(ランディ)
   アンドリュー・ブロック(ジョッシュ)
   アダム・クランナー(ワード)
   アリソン・スミス(ビッキー)

(あらすじ)
いつものようにクリスタル・レイクで若者を追い掛け回すジェイソン。だが今度の標的の女はまるでスタントマンのような激しいアクションでジェイソンから逃げている。
ついに追い詰めたと思ったら、何と特殊部隊に包囲されていたジェイソン。全ては罠だったのだ!そしてジェイソンは激しい銃撃&迫撃砲により粉々にされてしまうのだった。

その後、バラバラの死体は回収され、死体置き場に運ばれた。検死官のフィルが検死を行うが、心臓を調べようとしたところ、その心臓が急に動き出した。驚いたフィルはうっかり心臓を食べてしまい、ジェイソンの魂に体を乗っ取られてしまうのだった!
助手の検死官や警備員、通行人等を殺しながらクリスタル・レイクに戻るジェイソン=フィル。着いてみたら、性懲りも無く若者がテントでハメハメバッコンバッコンをやってるので、お仕置きを忘れない。体は違えど、心はいつものジェイソンなのだ。

その後、町でハゲオヤジの警官ジョッシュをとっ捕まえ、ボーヒーズ邸に連れ込み、裸にして台に括りつけ、サービスでヒゲを剃り、フィルからジョッシュに体を変更。
ジョッシュジェイソンは、ジェイソンの妹であるダイアナの家を訪問。これを殺そうとするが、ダイアナの娘ジェシカの元恋人であるメガネ君ことスティーブンに襲撃され、とりあえず一時退散。ただ、ダイアナ殺害はまんまと成功。しかもスティーブンは駆けつけたエド保安官に、ダイアナ殺害容疑で逮捕されてしまうのだった。

留置場に入れられたスティーブンは、隣の房にいた怪しい男から、ジェシカとその赤ん坊が狙われている事を聞く。この男は賞金稼ぎのデュークといい、テレビのインタビューでは50万ドルでジェイソンを倒してやると息巻いていた男だった。
都合よくジェイソンの秘密を知っているデュークから、何故か指の骨と引き換えに情報を聞き出したスティーブン。
実はジェイソンは、血縁者の血と肉でもって元の体に復活する事を目論んでいるというのだ。ダイアナが死んだ事で、残るジェイソンの血縁者は、ジェシカとその赤ん坊の二人。ジェイソンはこの二人を狙いに来ると言うのだ。
ジェシカと昔付き合ってたどころか、その赤ん坊の父親でもあるスティーブンはどうにかして留置場から脱出。ジェシカに会う前にボーヒーズ邸に向かうのだった。
ボーヒーズ邸で何かを探すスティーブンだが、床が抜けて下に落ちそうになる。そんな時、現在のジェシカの恋人である、ニュース・キャスターのロバートが一人でボーヒーズ邸に現われる。そして携帯電話に向かって、“ダイアナの死体を盗み、このボーヒーズ邸に隠している事”“ボーヒーズ邸取材のドキュメンタリーでダイアナの死体発見シーンを入れ、視聴率アップを目論んでいる事”“ジェシカとは本気で付き合ってるわけではなく、このショーの為に利用している事”をペラペラと喋りだす。
床に下半身を取られて動けないスティーブンはこれを聞いて激怒するが、なぜか上から降ってきたダイアナの死体に驚いてそれどころではなくなるのだった。しかもロバートも、突如現われたジョッシュジェイソンに襲われ、ロバートジェイソンにされてしまう。ジェイソンの本体が抜けたジョッシュは役目を終えたので溶けてしまうのだった。

ロバートジェイソンは早速ジェシカの元へ向かう。ジェシカに襲い掛かろうとするロバートだが、どうにか床から這い出したスティーブンが救助に現われる。ジェシカを強引に車に乗せ、ロバートをひき殺した後、そこから逃げ出す。
だが、母親を殺したのがスティーブンだと思ってるジェシカは話を信じず、しかも車からスティーブンを放り出して警察署に向かう。
が、警察署にロバートジェイソンが襲撃をかけ、警官数名が死傷する事となる。そこに助けに現われたのはやっぱりスティーブン。ジェシカはこのロバートの警察署襲撃事件でようやくスティーブンの言葉を信じる気になり、子供を預けているレストランに向かう。
だが、レストランのおばちゃんが銃を振り回し、殺人犯と思われているスティーブンを威嚇し始める。そんな一触即発な所にロバートジェイソンが登場。店員のオヤジやウエイトレスがスローモーションで銃撃したりするが、当然みんな返り討ちに遭う。
一方、赤ん坊はなぜか姿を消していた。だがジェシカは、「赤ん坊を返して欲しければ一人でボーヒーズ邸に来い byデューク」という置手紙を見つけ、スティーブンを置いて一人でボーヒーズ邸に向かう。

ボーヒーズ邸でジェシカは、デュークから赤ん坊とジェイソンを殺せる唯一の武器“聖なるナイフ(仮名)”を渡される。
そんな時、ボーヒーズ邸に警官のエドとランディが現われる。この時、何故か床が抜け落ちて地下に落下し、まんまと足を負傷したデュークから「どっちかがジェイソンだから、いっその事両方殺せ」とアドバイスを受ける。
ジェシカはとりあえず、接近してきたエドを聖なるナイフで刺し殺すが、残念、ジェイソンはランディの方なのだった。
赤ん坊に向かうランディジェイソンだが、例によって助けに来たスティーブンのナタの一撃で首を切られて倒れる。だが、その傷口から本体が登場。本体は地下にあるダイアナの死体を使って、ジェイソンの肉体を復活させるのだった!そんな事が出来るなら何故最初からそうしないのかは問わないお約束なので、とりあえず先のドサクサで吹っ飛んでいった聖なるナイフの回収を試みるジェシカとスティーブン。
そうこうする間にどうにか這い出してきたデュークは、ジェイソンにベアハッグで殺害される。何しに来たんだ。
そして舞台を庭に移し、スティーブンとジェイソンの格闘戦が開始される。
なぜか本気を出さずに投げ技だけで戦うジェイソンは、モタモタしてたせいでジェシカから聖なるナイフで背中を刺されるハメとなる。さらに、スティーブンの連続パンチやジェシカのキックでついにダウン。聖なるナイフの魔力により地中から無数の手が出てきて、それに掴まれて沈んでいくジェイソン。
だが、ついでにスティーブンも掴まれ、引きずりこまれそうになってしまう。それを仕方無く助けるジェシカ。
こうしてジェイソンは地獄の世界へと還っていったのだった。だが、後に残されたマスクを、地中から出てきた鉄の爪が掴む・・・。

(感想)
なぜか、ストーリーを全部書いてしまいました(笑)。
『13金』9作目となるわけですが、もう、番外編も甚だしいといった感じのストーリーになってしまってますね。そもそも、ジェイソンはNYからどうやって戻って来たんでしょう。

ジェイソンもあんまり出てこないし、そのジェイソンもこれまでとかなり違うキャラクターだし(マスクが顔にめり込んでたり、攻撃を受けるとうなり声みたいなのをあげたり)と、見ていて『13金』のシリーズの一本とはどうしても思えません。
ですが、一ホラー映画としてはそれなりによく出来たものにはなっています。グロシーンもちゃんと出ますし。
そして、『死霊のはらわた』の“死者の書”が出てきたり、『エルム街の悪夢』の“フレディの手”が出てきたり、ジェイソンが他人を乗っ取る時の方法が『ヒドゥン』チックだったりと、色んなホラー映画の要素を詰め込んでる、お祭り的な楽しさのある映画ですね。

今回から製作がパラマウントからニューラインに変わったんですが、それで大幅にリニューアルをしてみたんでしょうね。ただ、いくらなんでもリニューアルし過ぎだろう(笑)。このネタ自体は悪くないんですが、『13金』の正当な続編ではなく、番外編として作ってほしかったです。