ゴーストバスターズ
<GHOSTBUSTERS>
84年 アメリカ映画 105分

監督・製作:アイバン・ライトマン
脚本:ダン・エイクロイド
   ハロルド・スミス
出演:ビル・マーレイ(ピーター・ベンクマン)
   ダン・エイクロイド(レイモンド・スタンツ)
   ハロルド・スミス(イゴン・スペングラー)
   シガニー・ウィーバー(ディナ・バレット)
   リック・モラニス(ルイス・タリー)
   アーニー・ハドソン(ウィンストン・ゼッドモア)
   ウィリアム・アザートン(ウォルター・ペック)

(あらすじ)
大学で超常現象の研究をしていた科学者3人組、ピーターとレイとイゴンは、研究だけで成果を上げない事から、大学を追い出されてしまった。
だが、ピーターの発案で、お化け退治組織「ゴーストバスターズ」を結成する事となった。
最近、NYにゴーストが大量発生する事態が起きていた為に、お化け退治稼業は大繁盛。新たに就職してきたウィンストンを加え、メンバーは4人になるのだった。
一方、開業第一号の客であったディナとデートをしようと企むピーターだが、ディナは謎の破壊神に取り憑かれてしまうのだった。実は、ディナの住んでいるアパートは、霊界と通じてる門のある物騒な建物なのだった。そして、最近のNYのゴースト騒動は、この破壊神の復活が原因なのだ。

環境保護局のせいで、今まで捕らえていた大量のゴーストが町に放たれる事態となり、NYに未曾有のパニックが訪れる。この危機を救えるのは、ゴーストバスターズしかいない!

(感想)
どう考えてもホラーではないですが、まあ、お化けが出て来るという事で(笑)。
ですが、実はこの映画の公開時、私は見に行こうと誘われたにも関わらず、「怖いから」という理由で断わってるんですよね。当時はもう、お化けとかモンスターとか大の苦手でしたからね。当時読んでた、コロコロコミックだか小学○年生だかの雑誌で、当時話題となっていたこの映画の紹介記事が載っていたのですが、そこに載っていた、緑色の大食漢ゴーストの写真を見て「お化けだ!」とか思ってブルってましたからね。あんなに可愛らしいヤツなのに。
まあ、それも昔の話です。今では、人が生きたままゾンビに食われる映画とかを喜んで見てるんですから、人間変わるものですな。

当時は大ヒットした映画ですが、やっぱり、今見ても面白い映画ですね。「珍しいから流行った」という事ではなく、内容がちゃんとしていたからこそのヒットだったのでしょう。
当時最先端のSFX技術は、見てて賑やかな感じがして楽しいです。合成が甘い箇所もありますが、これがこの当時の特撮映画の味みたいなものですからね。
ゴーストのビジュアルも、元は人間だったとは思えないような輩から、ゾンビみたいな腐った死体みたいなのまで、バラエティに富んでいますし、ラストに登場する「巨大マシュマロマン」は一度見たら忘れられないインパクトがありますね。映像とか合成の仕方とか、もう怪獣映画みたいになってましたし。
そして、肝心のストーリーも、起承転結がしっかりしてていいです。脚本は、劇中でゴーストバスターズのメンバーとして大活躍をするダン・エイクロイドとハロルド・スミスが担当してるようです。スクリーンの中と外で活躍してたんですね。
当初はただのお化け退治だったのが、段々と盛り上がっていき、最終的にパニック映画級の大賑わいになるというストーリー展開は、「これぞハリウッドの娯楽大作だ!」という趣で実にいいです。
で、この大規模な超常パニックを沈める為に、市民の前に颯爽と現れるゴーストバスターズ達の姿が、妙にカッコいいんですよね。市民ももう大歓声で迎えてましたし。ここのシーンは大好きなんですよね、平和な感じがして(凄い事態が起こってるんですが)。
町が破壊されてるというのに、あの市民達の、地元の野球チームを応援してるかのようなゴーストバスターズへの歓待っぷりを見てると「アメリカはなんて平和な国なんだろう」と思いますね。まさに古きよき時代です。

お化けの出て来るコメディ映画ですが、劇中ではゴーストは笑いの対象ではなく、やはり人々にとって恐怖の対象として描かれている辺りも面白いですね。基本的に、この映画の笑いどころのほとんどはビル・マーレイのセリフやリアクションから出て来るものなんです。
この、ビル・マーレイの演じるピーターというキャラクターはいいですよね。他の登場人物もそれぞれしっかりとしたキャラ分けがなされているんですが、まあ、「ごく普通のキャラクター」とも言えるような感じでした。でも、このピーターだけは異様にキャラが立ってるんですよね。一応、仲間と同様、科学者のはずなんですけど、ペテン師にしか見えない辺りも最高です(笑)。
常にやる気のないような態度をとってて、どちらかと言うと、超常現象とそれを信じてる人を小バカにしてるような雰囲気があるんですが、実際ゴーストに遭遇すると、その普段の態度は崩さないまま、ゴーストを退治する職業の人間としてしっかり対処出来るんです。アホそうに見えて、意外に頭のキレる男なんじゃないかとも思ってしまいますね。