ゴーストバスターズ2
<GHOSTBUSTERS U>
89年 アメリカ映画 108分

監督・製作:アイバン・ライトマン
脚本:ダン・エイクロイド
   ハロルド・ライミス
特撮:デニス・ミューレン
音楽:ランディ・エデルマン
出演:ビル・マーレイ(ピーター・ベンクマン)
   ダン・エイクロイド(レイモンド・スタンツ)
   ハロルド・ライミス(イゴン・スペングラー)
   シガニー・ウィーバー(ディナ・バレット)
   アーニー・ハドソン(ウィンストン)
   リック・モラニス(ルイス・タリー)
   アニー・ポッツ(ジャニーン)
   ピーター・マクニコル(ヤノシュ・ポーハ)

(あらすじ)
NYを震撼させたマシュマロマン事件から5年後。英雄になったかと思われたゴーストバスターズの面々は、何故かペテン師扱いされ、市から訴えられてしまった。
裁判所の命令でゴーストバスターズを休業しなければならなくなったメンバー達は、それぞれ新たな職業についていた。

そんなある日、ディナの赤ん坊が乳母車に乗ったまま道路をオート移動する事件が起きる。相談を受けたピーター、レイ、イゴンらは、裁判所の命令を無視して原因を調査し始める。そして、NYの地下のトンネルがスライムの河になってる事を発見するのだった。
一方、悪の大王ビーゴの肖像画が美術館に送られてきたのだが、この絵の中にはビーゴの魂が封じ込められているのだ。絵の修繕チームの主任であるヤノシュを操り、ビーゴは現世への復活を目論む。
そして、スライムの河は美術館まで到達。何だか分からないが、NY中に大小様々なゴーストが溢れ返るという未曾有のパニックが巻き起こるのだった。この危機を救えるのは、ゴーストバスターズしかいない!

(感想)
前作と同じスタッフ同じキャストによる続編で、前作同様のノリのある楽しい映画となっていました。

今回、ゴーストバスターズの面々は営業を停止させられている、という状況からスタートします。何故かと言うと、前作のラストでアパートのてっぺんを吹っ飛ばした為に、市から訴えられたからなんだそうです。
前作のエンディングを見る限り、ゴーストバスターズの面々はNYの英雄になったのかと思ったんですが、なんでこんな事になってしまったんでしょう(笑)。
妙なのは、ほとんどの人が、ゴーストバスターズ達をペテン師だと思ってる所です。要するに、ゴーストの存在を信じてないわけなんですよ。前作であれだけ大量のゴーストが出て、あまつさえ、巨大マシュマロマンが出現するという事件があったにも関わらず、ほとんどの人が超常現象を信じていないんです。
このストーリー展開にはどうにも納得し難いものがありますね。「ゴーストがモリモリ出て来る」という以上にリアリティが無い設定に思えて仕方ありません。まあ、「ゴートバスターズが訴えられて、仕事が出来なくなった」というのは確かに面白い展開ではあるんですが(笑)。
で、仕事が無くなったメンバー達が、新たな職業についてる様が序盤で出て来るんですが、みんないかにもな職業を選択しているのには笑いましたね。ピーターのインチキ番組の司会者とか、イゴンの怪しい実験をしている研究家とか。そんな中、レイとウィンストンが、ゴーストバスターズの扮装で土佐周りをやって回ってる姿には哀愁を感じずにはいられません。

で、何だかんだあってゴーストバスターズは営業再開となるわけですが、合間にやっていた仕事の収入が良かったのか、車がやたら派手になってましたね(笑)。ゴーストと言えば、いわゆる、死んだ人の霊魂なわけなんですよね。それを退治する連中の乗る車があんな異常に派手派手だというのには、最初に見た時は爆笑したものでしたね。
あと、メンバー達の和気あいあいとした感じも楽しげで良かったです。前作はビル・マーレイ以外は特に目立って面白いという事は無かったんですが、今回は他のメンバーもそれぞれに面白い所を出していたように感じられました。
もちろん、ビル・マーレイ演じるピーターも、前作同様の大活躍っぷりです。相変わらずやる気の無さそうな風体で、ユーモア感覚満開なセリフをバシバシ言い放つ様は、もう、まさに「愛すべきキャラ」といった感じです。
前作もそうだったんですが、この手のキャラはたいがい、超常現象的なものとかには否定的な意見を持ってそうな雰囲気があるんですけど、それがゴーストを退治するメンバーにいるというのが何か面白いんですよね。

前作は、NYを襲うゴーストパニックに、ゴーストバスターズの面々がいつの間にか巻き込まれていた、という感じのストーリー展開でしたが、今回は事件の起こり始めから関わっていて、「いったい、何が起ころうとしているのか」というのを調査していくというストーリー展開になっていました。
で、個人的にはこの『2』のストーリーの方が好きですね。確かに前作の方がストーリーがスッキリしてたような気もしますが、今回は謎解き的な面白さがありますし、少し“怖さ”というのも感じられました。中盤頃の、地下道を調査するシーンでの、「何かが起こりそうな気配」が漂う辺りは中々緊迫感がありましたからね。
クライマックスでは、前作同様、大パニックが起こるんですが、SFX技術の進化のせいか、予算が増えたせいか、より派手なゴーストが登場していました。ですが、「パニック感覚」は前作の方があったような気がしないでもなかったです(地震が起こらなかったせいだろうか)。
それにしても、最終的に自由の女神が動き出すというスケールのデカい展開は、最初見た時は驚きましたね。それを、まるで地元の野球チームの凱旋パレードを見ているかのように、普通に歓声を上げて見物している市民の姿を見ていると「アメリカは平和な国だなぁ」と思わずにはいられません。まさに古き良き時代です。しかも、最後はみんなで歌をうたってゴーストバスターズ達を援護してましたからねぇ。もう、あの中にホットドッグとビールを売り歩いてる奴とかいてもおかしくないぐらいです。

ちなみに、シガニー・ウィーバーがやたらか弱い雰囲気の女性を演じていたのは、やはり『エイリアン2』のイメージを消そうとしてるためなんでしょうかね(笑)。この当時の知名度とスター度をもってすればマッチョな活躍をする一人舞台的なシーンがあってもおかしくない所なのに。