監督:フランシス・シェーファー
共同脚本:ウェイン・クロフォード
出演:ウェイン・クロフォード(ピート・ジュリアーニ)
ケン・レンツ(キャット・ホール)
スティーブ・カナリー(テッド警部)
ジョン・ファトー(ロジャー/ゲルハイド)
サム・ウィリアムズ(ジュルー)
ジューン・チャドウィック(デニス・ジュリアーニ)
(感想)
『ゲルハイド』とは、また何とも意味不明なタイトルです。当然、日本の配給会社だかビデオ会社だかが勝手に付けた邦題で、原題は『ヘッドハンター』。このままでも充分カッコいいタイトルなんですが、あえて「カタカナ5文字系」の邦題を付けた英断にはとりあえず拍手を送りたい。
悪魔の呪いの話を、刑事コンビが解決するという内容で、ジャンル的にはアクション・ホラーに含まれそうです。
今まで色々なタイプの刑事コンビ物映画がありましたが、この映画では「男女のコンビ」です。意外と珍しい組み合わせのような気がしますね。コンビ間に恋愛感情があるというのも珍しいです。そして、それが「悪魔ゲルハイドとの戦い」というメインテーマを全く邪魔しないで物語に入ってるところがいいですね。
主人公ピートはチョビ髭の男の刑事で、結婚7年目の妻とはかなりヤバいところまできている関係です。で、こいつは相棒のキャットに惚れてるらしいんですよね。ですが、一方のキャットの方は、制服警官の恋人がいるんです。
と、少々込み入っていて、下手したらドロ臭い人間関係話になりそうな感じなんですが、この二人、何とも爽やかな、友達同士みたいな関係のまま最後まで行ってくれます。
ちなみに、キャットの恋人の警官、ロジャーを演じるジョン・ファトーは背の高いマッチョ系の男なんですが、その背丈を買われたのか、ゲルハイドとの2役をこなしているようです。
そのゲルハイドですが、姿はずっと見せないまま引っ張っていたんですが、ラストには2人の前にその姿を現してきます。そして、必殺の武器(刀みたいなの)を振り回して襲いかかってくる事となります。その顔は、また見るからに特殊メイク面という、まさに“ゲルハイド”といった感じの顔です。こんなのが出てくるんじゃ、邦題が『ゲルハイド』になるのも仕方ないかと思うぐらいのゲルハイド面です。
そして、コイツを相手に、ピートはチェーンソー、キャットは斧でもって対決します。このラストバトルは中々迫力がありましたね。特に、ピート演じるウェイン・クロフォードが、この映画中、最大のテンションでチェーンソーを振り回してくれます。
ちなみに、ピートは「犯人は本当に悪魔かもしれない」というような事を言っていたため、上司や同僚から笑い者にされていたんですが、このラストの戦いの後、ゲルハイドの死体がしっかりと残ってくれた為、汚名を晴らす事が出来たんです。これもまた珍しい展開ですね。いつも証拠が残らない事でお馴染みのモルダーが見たら羨ましがるに違いない。
また、エンドクレジットの曲(劇中にも数回使われた)が、ノリのいい、中々かっこいい曲でしたね。ちょっと、一昔前のアクション系ゲームの曲っぽい感じで良かったです。