ホステル2
<HOSTEL: PART II>
07年 アメリカ映画 94分

監督・製作・脚本:イーライ・ロス
製作総指揮:クエンティン・タランティーノ 他
出演:ローレン・ジャーマン(ベス)
   ビジュー・フィリップス(ホイットニー)
   ロジャー・バート(スチュアート)
   リチャード・バージ(トッド)
   ヴェラ・ヨルダノーヴァ(アクセル)
   ヘザー・マタラッツォ(ローナ)

(ストーリー)
スロバキアの廃工場で行われている、金持ちたちによる殺人ゲームは、大好評のまま相変わらず続いていた。
今回は、ヨーロッパ旅行をしていたアメリカ人女子留学生3人が、「スロバキアに天然スパがある」という甘い言葉に釣られて、まんまと罠に嵌まってきたのだった。

(感想)
前作はそれは面白いスプラッター映画だったんですが、今回は何か、どこか小ぢんまりとした感のある、普通の悪趣味映画になってしまってましたね。

前作では、一人、うまいこと逃げ出した奴がいましたが、今回の冒頭で「結局逃げ切れなかった」というのが描かれてきました。てっきり、あの殺人ゲームは、情報が外に漏れても、場所を変えて、世界中のどこででも開催出来るようなワールドワイドなものなのかと思っていたんですが、もう、場所はスロバキアの廃工場で固定されてるんですね。「情報が漏れる前に、情報を持ってる逃亡者を見つけて殺す」という、「ああ、よっぽど優秀な追跡者を雇っているんでしょうね」と思うような設定のようで、前作で感じられた“都市伝説風味”が無くなってしまいました。
今回も、お馴染みの舞台、お馴染みのホステル、お馴染みの悪ガキ軍団が登場と、ストーリー展開にも映像にも、あまり新鮮味が無かったんですよね。
ただ、ホラー映画を多く見ているような人の予想を裏切るようなストーリー展開にはなっていて、本来なら最後まで生き残るか、もしくは中盤まで生き残りそうだなと思われる奴が真っ先に死んだり、「善人の心を残していそうな人」が、土壇場で完全な悪人に鞍替えしたりと、色々と工夫はなされているんですけど、別に、それでストーリーが面白くなったというわけでもなかった気がするんですよね。結局、ただの小細工みたいな感じで、見てて「ふぅん、そうか。」程度の事しか思えませんでした。

今回は、殺人ゲームに参加している「殺す側」の描写を多く入れてきて、前作では描かれていなかった「誰が、どのようにして獲物を選んでいるのか」という所が判明してきました。どうやら、続編でもって、映画の背景や世界観を詳しく描いてみたくなったようです。おかげで、『ホステル』の世界が前よりも身近に感じられるようになりました。でも、正直、謎の部分が多い方が良かったんですけどね。
あと、「主役が女になった」という前作からの変更点があって、これで、もっとエロチックで変態的な要素が加味される事を期待していたんですが(何期待してんだ)、むしろ、前作よりもエロ度が下がってるじゃないですか。

と言うわけで、前作よりも良かった点が何一つ無かったという印象の続編でした。
ただ、ラストの「ワルガキ軍団のサッカーゲーム」は楽しかったです。こういう、スプラッター映画好きが喜べるようなシーンをもっと入れて欲しかったですね。