墓地裏の家
<THE HOUSE BY THE CEMETERY>
81年 イタリア映画 89分

監督・脚本:ルチオ・フルチ
音楽:ウォルター・リッツァート
出演:イタリア人

(あらすじ)
墓地裏に建つ家に越してきた一家に想像を絶する恐怖が襲う!

(感想)
いやあ、とにかく怖い映画です。ある程度ホラーに免疫が出来てないとキツいと思いますね。約一時間半と短い映画ですけど、見終わった後は結構、グッタリ来てしまいましたよ。
ホラーファンの間でその名を知らなぬ者はいないというぐらいの有名人、ルチオ・フルチの全盛期の作品です。この頃のフルチの何が凄いのかと言うと、情け容赦の無い、圧倒的パワーを誇るグログロゴアシーンです。要するに、“凄く気持ちの悪いシーン”の事ですね。
さらに、この人の映画はストーリーテリングが意味不明ともっぱらの評判で、「このシーンは何か意味があるのか?」と思ったら結局何でもなかったり、「これは伏線だな」と思ったら、やっぱり何でもなかったりと、ストーリーを追ってるだけで疲れてくるぐらいです。
で、そんな疲れた所に、「これでも食らえ!」とばかりに、グチャグチャに汚い壮絶グロシーンが出て来るわけですよ。これが俗に言う「フルチ・コンボ」と呼ばれる黄金パターンです。いや、俗には言われてませんね。私が勝手に言ってるだけです。

さて。この映画は『悪魔の棲む家』みたいな、「家物」の映画なんですけど、この手の映画では大抵、地下室やら壁の裏側などに良くない物が潜んでたりするものです。 で、この『墓地裏の家』の地下室には、バラバラ死体を始めとする、気味の悪い死体が転がっています。これだけでも充分イヤですが、ラストには主のゾンビ君が大登場します。当然、汚くて気持ち悪い外見のゾンビです。
そしてこのゾンビ君、何故か人を襲うときに、子供の叫び声のような奇声を上げていて、とっても不気味です。しかもナイフで刺すと傷口からウジがボロボロ出てきたりします。いやなゾンビですねえ。
ゾンビも不気味ですが、所々出てくる流血シーンにおいて、その流血の量がもう異常な量なんです。この大量流血の映像もかなり不気味で怖かったですね。

ちなみに、ラストに「子供が魔物か、魔物が子供か、誰も知らない ナントカ・ジェームズ(←名前の文字が小さくてよく分からない)」という一文が出てきてエンドクレジットなんですけど、さっぱり意味が分からないです。ゾンビが子供の奇声を上げてた事と関係あるのかしら。