監督:マイケル・ハースト
製作・原案:マーク・A・アルトマン
出演:エマニュエル・ヴォージア(アレックス)
エド・クイン(エリス)
スティッキー・フィンガス(ダルトン曹長)
ビクトリア・プラット(ヘンソン中尉)
ジェームズ・パークス(バート中尉)
ビル・ブラウン(グリフィン)
ナディーヌ・ベラスケス(ロドリゲス)
スティーブ・モンロー(オコナー)
ダニエル・ブルジオ(アリシア)
シド・ヘイグ(キュリアン教授)
(感想)
前作は、『サンゲリア2』と同系列である「バカゾンビ映画」に含まれる内容の映画でしたが、今回、製作陣は前作の出来を深く反省したらしく、かなり雰囲気の違う映画として作ってきました。
ですが、それで前作よりも面白くなったのかと言うと、別にそうでもないという。『ゾンビ・オブ・ザ・デッド』と同系列である「ダメゾンビ映画」に片足突っ込んでるような内容になってしまってましたね。まあ、ゾンビ映画ファンが90分この映画に付き合っても、「まあ、多少時間は勿体無かったような気もするが、そこそこは楽しめたかな」と思えるぐらいの楽しさはありましたけどね。
登場キャラクターがそこそこ個性的だったり、きちんと緊張感の感じられるシーンが出てきたりと、面白くなりそうな要素はあったんですけどねぇ。
序盤では、バカゾンビ映画っぽい雰囲気を意図して出しているような感じで、『バタリアン4』&『5』みたいな感じになっていました。中々快調なバカさ加減を見せていて、私も今後の展開にちょっと期待したんですが、本筋の大学構内でのゾンビ戦が始まる頃になると、シリアスな展開にシフトチェンジしているんです。
で、このシリアス調の演出がどうもうまくないんですよね。展開だけは相変わらずバカみたいですし。もしかしたら、序盤のバカっぽさも計算して出してたものじゃなくて、天然で出てただけだったのかもしれません。
主人公達のチームは、過去に戦場を経験しているらしい兵士達なんですけど、いくら対ゾンビ戦は初めてとはいえ、あっさりやられ過ぎなんですよね。ほんと、見た感じ、一般人と同程度の戦闘力しかないんです。ちょっとゾンビに襲われただけで死にまくってましたからね。
でも、主人公は死なないように出来てるんですよ。終盤、ゾンビの大群の中を突っ切っていくなんて無謀なシーンが出て来るんですが、さっきまで隊員達を掴んでは噛み、掴んでは噛みしていたゾンビ達が、主人公達を集団で取り囲んでいるのに誰一人掴む事すら出来ないんです。別に、この時主人公は体にローションを塗りたくっているわけではないんですけどね。せめて掠り傷ぐらい負ったらどうなんだとか思うんですけど、無傷で切り抜けるんですよ。何で、こういう興醒めなシーンを平気で出せるんだろう。
「限定された舞台で、ゾンビ軍団に特殊部隊が戦いを挑む」なんて、いくらでも面白く出来そうなネタだと思うんですけど、こんな程度のものしか作れないものなんですかねぇ。