監督・製作・共同脚本:ウィリアム・ガードラー
音楽:ラロ・シフリン
出演:トニー・カーチス(ハリー・アースキン)
マイケル・アンサーラ(ジョン・シンギング・ロック)
スーザン・ストラスバーグ(カレン・タンディ)
ステラ・スティーブンス(アメリア・クルーソー)
ジョン・セダー(ジャック・ヒューズ)
アン・ソザーン(カーマン夫人)
バージェス・メレディス(アーネスト・スノウ博士)
ポール・マンティー(ロバート・マッケボイ博士)
(感想)
とにかく、全編にわたって異様にセリフが多いです。上映時間のほとんどが登場人物の会話シーンになってます。そんなにいっぱい、何を話してるのかと言えば、別段、大した事を言ってるわけではないんですけどね。脚本家の方ももう少しうまくセリフをまとめて欲しかったです。観てて疲れます。
話のおおまかな流れは『エクソシスト』によく似てます。『エクソシスト』では少女に悪魔パズズが乗り移った話でしたが、こちらはおばさんにインディアンの悪霊ミスカスマスが乗り移ります。しかも、ただ憑依してるだけじゃなく、首筋にでっかい腫瘍をこしらえ、しかも終盤にはその腫瘍を突き破って本体が登場するという大サービスをします。
対する主人公側は、『エクソシスト』では教会の神父を呼んで来ましたが、こちらはネイティブアメリカンの呪術師を連れてきます。そして病院のベッドで寝てる、ミスカスマスに憑り付かれた女に向かって怪しげな呪文を唱えたり、聖水の代わりの怪しい粉を撒いたりします。
まあ、結局悪霊は復活するわけなんですが、その大魔術によって病院内にちょっとした騒ぎが起こります。まず、トカゲの怪物(着ぐるみ)を召還して医者の一人の手を噛ませたり、一フロアが丸ごと氷の世界になったり・・・。
しかもラストは病室が宇宙空間になります。で、何故か復活したヒロインが、手からビームを出して攻撃をします。ちなみに、冗談を書いてるわけではありません(笑)。
対するミスマスカスも火の玉を飛ばして応戦します。とにかく、このラストシーンは凄いです。「元は病室だった宇宙空間で、ベッドに座った上半身裸の女(体は照明の関係で暗くてよく見えない)が手からビームを出し、悪霊(小人のインディアン俳優)が火の玉を飛ばして応戦する」という、ほんと、書いててアホらしくなるような展開が繰り広げられるんです。
結局、最終的にネイティブアメリカンの呪術師の力よりも、白人の主人公の愛の力で悪霊を追い払う事が出来たという、白人至上主義を匂わせつつ、エンディングとなります。
しかもエンディング直前に、この映画に出てきたような怪しげな腫瘍を持った少年が1969年に東京にいたみたいな内容のテロップが出ます。もしかして実話なんでしょうか(笑)。東京の一件では病室が宇宙空間になったのか興味のあるところです。
ちなみに、監督のウィリアム・ガードラーはこの後、新作映画の撮影中に事故死したらしいです。生きていたら、もっとトンでもない映画を撮ったかもしれないと思うと、残念でなりません。