監督・脚本:リック・ラ・モンテ
出演:ジェフ・スピークマン(エリック・ラング)
ダン・バルチェリエーレ(警備員)
ジャクリーン・シーゲル(アレクサ)
アル・ルイス(ハンロン神父)
ジャスティン・スミス(マーク)
ベサニー・アン・タイラー(ニッキー)
マリア・ロミ・ヴィエラ(ティア・ヴィエロ)
(感想)
タイトルからしてヤバそうな雰囲気が漂ってますが、その中身も、まさにタイトル通りのくだらなさ&安さに満ち満ちていました。
もう、自主制作映画並みの低予算じゃないかと思う安っぽさが全編に満ち溢れて、時々顔を出す笑えないコメディ演出や、退屈なだけの感傷的シーンにゲンナリさせられます。
そして、そんなへっぽこC級映画の中で、一人燦然と輝くスピークマンの雄姿!
これまで、この手の安いC級ホラーは何本か見てきましたけど、スピークマン一人いるだけで、ここまで凄い映画になるのかと驚いたものでした。
本来ならば登場人物を残酷に殺していくんであろう、敵の悪霊の手先どもが、スピークマンにボコボコにされるさまは、まさにファンタジー。
C級とは言え、私の好きなホラー映画の世界に、同じく私の好きなマーシャルアーツスターが入り込んできたという、この夢のコラボな雰囲気はとんでもなく魅力的でしたね。
スピークマンの姿を見るのも久々でしたが、お得意の連続攻撃はまだまだ健在でした。相手が動きの鈍い奴という事で、見事にバシバシ決まりまくります。ただ、耐久力は人間以上なので、時々反撃パンチを放ってきたりしますけどね。元々、普通の人間よりは手強い敵だけの事はあって、スピークマンも少し苦戦するんですが、まあ、それぐらいは敵にも頑張ってもらわないと、張り合いが無いですからね。
ちなみに、前半では「コンビニで強盗に出くわす」という、お馴染みのサービスショットも出てきて、ここでも、強盗に連続技を浴びせるスピークマンを見る事が出来ます。
それにしても、この人はやっぱり強いですねぇ。せっかく見栄えのある格闘スタイルを持ってるんですし、もっといっぱいアクション映画に主演して欲しかったです。
さて。そんなに強い奴がいるのでは、悪霊もあまり人を殺せないんじゃないかと思われがちですが、神出鬼没に建物内を移動したり、怪しい魔術を使ったりとかするので、若者は次々死んでいくんです。教授役のスピークマンにとっては、みんな教え子なので、なんとか早く悪霊を退治しようとするんですが、これが中々うまくいかないんですよねぇ。スピークマンを遠くにおびき寄せて、その隙に残った若者達を殺す、みたいな戦法を使ってくるんです。
でも、これって結局、「悪霊がスピークマンとの直接対決を避けている」という事なんですよね。“悪霊すらもビビるスピークマンの戦闘力”ですよ。いやぁ、さすがです。
あと、この肝心のスピークマンの格闘の映し方も結構良かったんですよね。連続攻撃を当てている所をちゃんと映してくれていて、強さがしっかり伝わってきました。
ちなみに、さっきから“スピークマン、スピークマン”書いていて、この名前が“スパイダーマン”みたいな、ヒーローの名前みたいな気になってきましたよ(笑)。
何はともあれ、“完成度”では図れない面白さと楽しさの感じられる、良作(個人的には)でした。こういう映画は大好きですね。