監督・共同脚本:ルチオ・フルチ
出演:ジャック・ヘドレー(フレッド・ウィリアムズ警部補)
パオロ・マルコ(ポール・デイビス博士)
アルマンタ・ケラー(フェイ)
アンドリュー・ペインター(ピーター)
ハワード・ロス(ミッキス)
アレクサンドラ・デリ・コリ(ジェーン)
ダニエラ・ドリア(キティ)
(感想)
ルチオ・フルチ監督のエロエロ・スプラッター・スリラー映画です。刑事が精神科医と協力して犯人探しをする、という、『羊たちの沈黙』以降ブームだった犯罪心理物の様相を呈してますが、何とこの映画の製作は82年です。まさに時代を先取りしていたわけですね。さすがフルチです。
ただ、殺人犯の心理とか捜査の過程なんかは、実のところ、ほんの味付け程度のものだったりします。メインになるのは、殺される女性達の“ヌード”と“殺害シーン”。さすがフルチです。
フルチ監督作を見ようという人は、多分過度のグロと適度なエロが目当てだと思いますが、その両方ともそれなりのものを見せてくれます。この映画に関しては、どちらかと言うと「過度のエロ、適度のグロ」と言った感じでしたけどね。グロ描写は全盛期のゾンビ映画ほど酷くはないんですが、それでもカミソリで眼球を切り裂いたりなどの、文字通り出血サービスな描写が出てきたりします。
また、ストーリー展開も、サスペンス映画として特に悪くないもので、ラストで明かされる意外な犯人の正体も、ちゃんと納得のいくものになってました。
もちろん、これまでの一連の犯行で、正体に繋がる証拠が全く残っていなかったり、目撃者も誰一人いないというのはちょっとおかしいのでは?という突っ込み所もある事はあるんですが、そんなのは重箱の隅を突付いて無理矢理ほじくり出したような粗ですからね。
あと、フルチ映画(と言うか、この頃のイタリア製ホラー映画)を見ると必ず思うんですが、オープニングテーマがカッコいいんですよね。曲単体で聞くとそうでもない場合もあるんですが、映画のオープニングテーマとして聞くと、どれもイカす曲ばっかりなんです。
この映画でも、映画の雰囲気からするとちょっと浮いてる感があるぐらい派手目なんですが、そのミスマッチ感が逆によく感じるんでしょうかね(あるいは、本当に映画にマッチした曲なのかもしれないですが)。