監督:ポール・リンチ
出演:ジェイミー・リー・カーチス(キム・ハモンド)
ケイシー・スティーブンス(ニック)
マイケル・タフ(アレックス・ハモンド)
エディ・ベントン(ウェンディ)
メアリーベス・ルービンス(ケリー)
ジョイ・トンプソン(ジュード)
デビッド・ムッチ(ルウ)
ジェフ・ウィンコット(ドルー)
ロバート・シルバーマン(サイクス)
シェルドン・リボウウスキー(セイモア・クレーン)
ピタ・オリバー(ビッキー)
レスリー・ニールセン(ハモンド校長)
それから6年後。死んだ少女、ロビンの姉と兄が通う高校でプロムパーティ開催の時期が来ていた。二人の通う高校には、妹を死なせた張本人達、ウェンディ、ケリー、ジュード、ニックが在籍していた。ロビンの姉キムは、そんな過去があるとも知らず、ニックと親しくなっていたのだった。
そしてプロムパーティの日。事件に関わった人間が、黒マスクを被った謎の殺人鬼に一人、また一人と惨殺されていく事件が起こるのだった・・・。
(感想)
学校を舞台とした殺人鬼物のホラーです。全体的に、後の『ラストサマー』や『ルール』あたりの学校ホラーへの影響が感じられますね。
アメリカの高校における一大イベントである、プロムパーティで惨劇が繰り広げられるという設定が受けたらしく、後に続編が4作も作られる長寿シリーズになるんですけど、きっと全作見たら、『13日の金曜日』シリーズみたいに、何作目がどんな話だったかがごっちゃになるんでしょうねぇ。
前半部分で、結構登場人物の描写をしっかり描いてきていて、そのせいで、最初の犠牲者が出るのが映画開始1時間過ぎという、今では考えられない事態になってます。今こんなスローな展開を出したら「前半がタルい!」とか「貴様、それどもホラー映画か!」と大バッシングを受けてもおかしくないぐらいですからね。でも、当時は、若者向けホラーでもこんなゆっくりペースが許されていたんですねぇ。
ですが、後半、プロムパーティが始まり、同時に殺人鬼が画面に現れ始めた辺りからはちゃんとこの手の映画っぽくなってきます。首チョンパなんてサービスショットも出て来て、今まで溜めてた物を一気に発散させてる感じです。
この、「溜めに溜めた後、一気に発散」的な演出は殺人シーンにも現れてて、犠牲者の一人が車でエロってるところを犯人目線&怖い音楽で映すという、この手の映画でよく見られる場面があるんですが、とにかくシツコイぐらいこのシーンが長いんです。「殺人鬼はいつになったら襲いかかるんだ」とややダレ始めた頃、突然殺人シーンになるんです。これにはちょっとビックリしました。
ちなみに、この黒マスクを被った殺人鬼の正体は誰なんだろうと見てる人に思わせるような展開になってるんですけど、途中で容易に想像つきます(笑)。しかも、ちょっと考えると行動が矛盾だらけです。
あと、恐らく、見てる人が数少ない容疑者候補にあげる一人であろう、レスリー・ニールセン演じるハモンド校長が、なぜか途中でいなくなったきり帰って来ません。どこに行ってしまったんでしょうか。劇中でも、「校長はどこに行ったんだろう?」みたいなセリフが出てくるんですけど、この人が話題に出るのはこれが最後なんですよね。TV放映のカット版とかじゃなくてレンタルのDVDで見たんですけど、どこかで気を抜いてた隙に死体が映ってたりとかしたんだろうか。