監督:ラッセル・マルケイ
撮影:ディーン・セムラー
出演:グレゴリー・ハリソン(カート・ウィンターズ)
アーキー・ホワイトリー(セーラ・キャメロン)
ビル・カー(ジェイク)
クリス・ヘイウッド(ベニー・ベイカー)
ジュディ・モリス(ベス・ウィンターズ)
(感想)
後に『ハイランダー』シリーズ等を撮る事となるラッセル・マルケイの初監督作です。元はミュージックビデオ出身で、この系統の監督作の常で、時折、幻想的なシーンを挿入したりと、凝った映像表現を見せてきます。
実は、個人的にはこういう、映像派と言われる方の映画はちょっと苦手だったりします。物語が映像ではなく、役者のセリフによって語られるタイプの映画の方が分かりやすいですからね。
正直言って、この映画も映像表現にだけ力が入ってて、物語が薄い、というか、分かりづらいなという印象なんですけど、それでも私はこの映画を「傑作」と支持します。
なぜかと言うと、この映画、大量のブタさんがご登場なされるからです。
中盤、主人公のカートが荒野をさまよい歩くハメになるというシーンがあるんですが、そこでカートは、池というには小さい、大きな水溜りのような場所に出ます。付近に怪しい気配を感じていたカートは、池のほとりにそびえたつ、錆びれた鉄塔に登って夜を明かす事にします。
朝。鉄塔が揺れるのを感じ、慌てて目覚める主人公。下を見るとなんと!大量のブタさん達(イノシシという事らしいですが、形状はほぼブタなので、野豚の方が近いのかも)が体当たりで鉄塔を倒そうとしているではありませんか!
実はこの池はブタさん達の水飲み場だったのです。ついでに、親玉のレイザーバック大将も近辺をウロウロしていました。ちなみにコイツは巨大イノシシという設定なので、本物のイノシシではなく、アニマトロニクス、もしくはハリボテを使って演出される事となります。そんな奴なので、劇中、明るいところで全身が写るなんてことはしないんですけど、中々可愛らしい顔をしていましたね。
この、レイザーバック率いる野豚軍団が全編に渡って暴れまわる映画だったら、「『ベイブ』以前のブタ映画の傑作」という位置に行けたかもしれないんですけどねぇ。