監督・撮影:ピーター・ハイアムズ
クリーチャー・エフェクト:スタン・ウィンストン
出演:ペネロープ・アン・ミラー(マーゴ・グリーン博士)
トム・サイズモア(ヴィンセント・ダガスタ警部補)
リンダ・ハント(アン・カスバート博士)
ジェームズ・ホイットモア(アルバート・フロック博士)
クレイトン・ローナー(ホリンズワース刑事)
チ・モイ・ロウ(グレッグ・リー)
ルイス・ヴァン・バーゲン(ジョン・ホイットニー)
ロバート・レッサー(オーウェン市長)
ダイアン・ロビン(市長夫人)
(感想)
適度なグロシーン、適度な恐怖演出、CGの怪物と、A級モンスター映画として特に可も無く不可も無くといった感じの出来の映画です。これがB級モンスター映画だったら、傑作の部類に入れてもいいんですけどね・・・。
監督は、職人ピーター・ハイアムズで、いつも通りの手堅い仕上がりです。なので、映画の出来は主演スターがどこまで頑張れるかにかかっているのですが、この映画には特にスターらしいスターは出てないんですよね。それよりも、怪物の造形の方に力を入れたみたいです(スタン・ウィンストンはこの分野の大スターですけどね)。
そんな中、出演陣で予想以上の輝きを見せたのが、当時はまだそれほど有名ではなかったトム・サイズモアです。刑事役というのも何だかこの人にピッタリですよね(軍人役も似合いますが)。そして、演じるヴィンセント・ダガスタというキャラクターもいいんですよね。やたらとゲンをかつごうとするところが面白いです。この設定は特に後の伏線になったりという事はないんですが、これのせいで「いいキャラクター」になってますよね。この手のモンスター映画では登場人物のキャラ設定がおざなりにされてる場合もあるんですが、ただのステレオタイプな刑事に終わらせなかったのは嬉しいです。特に「幸運の弾丸」に関するエピソードは面白かったですね。
この映画、完成度はそこそこあるものの、見終わってみるとどことなく物足りない感じのするものだったのに比べ、原作小説はかなり出来がいいです。
映画がモンスター・ホラー的な作りだったのに対し、原作は怪物を災害に見立てた、パニック物的な側面のある作りになっていて、登場人物も映画版よりかなり多いです。
この原作を映画化する際、脚本化にはもっと慎重になってほしかったなぁなんて思ってしまいます。ダガスタのキャラクターは映画オリジナルなもので、これはこれで良かったんですが、内容の面でもっと原作の面白さを汲んだ作りにしてくれたらなあと思います。