サタンクロース
<SANTA'S SLAY>
05年 アメリカ映画 77分

監督:デビッド・スタインマン
製作:ブレット・ラトナー
出演:ビル・ゴールドバーグ(サンタ)
   ダグラス・スミス(ニコラス・ユールソン)
   エミリー・デ・レビン(メアリー・マッケンジー)
   ロバート・カルプ(おじいちゃん)
   デイブ・トーマス(ティモンズ牧師)
   ソウル・ルビネック(グリーンさん)

(ストーリー)
実はサンタクロースとは、12月25日に現れては人々を虐殺していく殺人鬼なのだった。だが千年前、天使との賭けに破れ、「千年間、姿を見せずにおとなしくしている」という約束をするハメになってしまい、サンタは人々の前から姿を消した。
そして、それから千年が経ち。再び、殺人鬼サンタクロースがクリスマスの町にやってきたのだった!

(感想)
“クリスマス”と言えば、日本人が大好きなお祭りの一つです。元々はキリストの生誕を祝う日なんですけど、そんなものは一切関係ありません。ただ“聖なる”という言葉の神秘的な響きに惹かれて、その雰囲気を楽しんでいるだけにすぎないのに、近年では、もはやすぐ後にやってくる“お正月”以上の賑わいを見せる、日本最大のお祭りに発展していってしまいました。

で、私みたいなヒネくれた人間は、そんな風潮を苦々しく思うわけですよ。「何をうかれてやがるんだ、このアホどもは」と。
まあ、確かに私も子供の頃はクリスマスは好きでしたよ。何しろ、冬休みに突入する頃に始まるイベントですし、プレゼントは貰えますし、そのすぐ後には“お年玉デー”ことお正月も控えてますし、いい事だらけですからね。
それが今では、年末だからといって別に休みになるわけでもなく、プレゼントは貰う側からあげる側になってしまい、お年玉の準備もそろそろしないといけません。
あと、何といっても、最近では、この時期になると必ず町でかかる“クリスマスソング”やらの定番のテーマ曲がもう完全に聞き飽きてしまいまして、聞くたびにウンザリしてしまいます。

そんな私にとって、「サンタの姿をした殺人鬼が人を殺しまくる映画」というだけでも楽しげなのに、この映画のサンタは、ただサンタの格好をしているというだけでなく、“本物のサンタ”という設定なんです。そう、元々サンタとは殺人鬼だったんです。いやぁ、何て夢のある設定だろう。
我々の知ってるサンタと同様、トナカイの引くソリに乗り、プレゼントの入った袋を持っているんですが、そのトナカイは、どちらかと言うとバイソンに近いようなごっつい奴ですし、プレゼントの中身は爆弾です(それで吹っ飛ぶ子供の描写有り)。素晴らしい。
そして、サンタを演じるのが、『ユニバーサル・ソルジャー:ザ・リターン』でお馴染みのプロレスラー、ビル・ゴールドバーグという事で、超マッチョだわ、ムキムキした動きの肉弾攻撃で人々を殺していくわの大暴れ&大活躍!
もう、「なんでシリーズ化されなかったんだ!」というのが悔しくてたまらないぐらいの内容ですね。もし続いてくれたら、毎年この時期に見るのに。ブレット・ラトナーの力でなんとかならなかったんでしょうかねぇ。って言うか、この人はなんでこんな映画を製作する事になったんでしょう(笑)。

一応、ジャンル的にはホラーに含まれるわけですけど、グロ描写とか恐怖演出だとか、ホラーに必要なものはほとんど適当に処理されてます。内容が内容なだけに、ちょっと悪ふざけの入った、ホラーコメディといった演出になってるんですよね。まあ、これはこれで、肩の力を抜いてリラックスして楽しめるんでいいんですけど、サンタの殺害シーンに力が入ってたらもっと面白かったのになとも思ってしまいます。演じてるのがレスラーのせいか、アクションの要素がちょっと入ってるのはいいですけどね。

ちなみに、ヒロインであるメアリーを演じてるエミリー・デ・レビンは『LOST』にレギュラー出演してるんですけど、DVDの映像特典に入ってる「各キャラのエピローグ」によると、メアリーは外国に旅に出た主人公の後を追っていった後に迷子になった、という事になってました(笑)。
どうも、その他のキャラのエピローグも全部、演じてる人の後に出演作に関係してるような気がするんですけど、生憎、知らない人ばっかりなんで、ネタ元が全く分かりませんでした。残念。