監督:ティム・バートン
脚本:アンドリュー・ケビン・ウォーカー
ケビン・イェーガー
音楽:ダニー・エルフマン
出演:ジョニー・デップ(イカボッド・クレーン)
クリスティーナ・リッチ(カトリーナ・ヴァン・タッセル)
マイケル・ガンボン(バルタス・ヴァン・タッセル)
ミランダ・リチャードソン(ヴァン・タッセル夫人)
キャスパー・ヴァン・ディーン(ブロム・ヴァン・タッセル)
マーク・ピッカーリング(ヤング・マスバス)
イアン・マクダーミッド(トーマス・ランカスター医師)
マイケル・ガフ(ジェームズ・ハーデンブル)
ジェフリー・ジョーンズ(スティーンウィック牧師)
リサ・マリー(レディ・クレーン)
クリストフアー・リー(ニューヨーク市長)
クリストファー・ウォーケン(首無し騎士)
レイ・パーク(首無し騎士スタント)
村についたイカボットが聞き込みをしたところ、犯人は「伝説の首無し騎士」だと言われる。そんなお化けみたいなのが存在するはずが無いと思うイカボットだが、驚いた事に実際に首の無い騎士が現れ、人の首を刎ねる所を目撃してしまうのだった。それどころか、この村には魔女まで存在する事が判明。もはや科学捜査どころの騒ぎではなくなるのだった。
(感想)
ティム・バートンとジョニー・デップの黄金コンビがお送りする、美術面が大変振るっているミステリー・ホラー映画です。
主人公は科学捜査を信条とする捜査官ですが、魔女やら伝説の首無し騎士やらが出て来るという、ダーク・ファンタジー風味な展開を見せてきます。
驚くのは、意外にも美術面だけでなく、スプラッターシーンも振るっているという所ですね。もう、人の首がスコンスコンと刎ねられまくるという、生首のバーゲンセール状態。きっと、『シザーハンズ』みたいな映画を想像していた人はゲンナリした事でしょう(笑)。
ですが、ストーリーはただのスプラッターホラーではなく、ちゃんとサスペンススリラーになっています。この、サスペンスとホラーの融合具合とかビジュアル面に凝っている所、首が飛びまくるスプラッターな様子などを見ると、ティム・バートン監督作よりも、ダリオ・アルジェントの映画を見てるような気分になってきます。時折主人公が、トラウマとなっている過去の出来事を夢に見るシーンが出るんですが、こういう「謎の回想シーン」が挿入される所も何だかアルジェントっぽいです。
もちろん、「作風をパクった」なんて事を言うつもりはありません(そもそも、ティム・バートンがそんな事をする必要性が全く無いですからね・笑)。ただ、『アルジェント版スリーピー・ホロウ』を見てみたかったな、なんて事をつい思ってしまいました。多分、個人的にはそっちの方が面白い映画になったと思うので・・・。
ただ、一つ問題を挙げるとするならば、『アルジェント版スリーピー・ホロウ』が存在した場合、主演がジョニー・デップではなくなるというのがありますね(ヒロインもクリスティーナ・リッチからアーシア・アルジェントに変わりそうですが、まあこれは問題無し)。
この映画のデップは、ユーモラスな雰囲気を漂わせつつも、このゴシックホラーな世界に見事に溶け込んでいるという絶妙な役作りを見せてきていました。特にこの人のファンというわけではありませんが、主演作を見る度に「上手い人だな」と感心してしまいます。
さて、一般の映画ファンと違って、私は未だにティム・バートンの作風に馴染めずにいるのですが、何故かこの映画は映画館に見に行ってるんですよね。何でかと言うと、B級映画界の星、キャスパー・ヴァン・ディーンがドサクサに紛れて出演してるらしいのと、首無し騎士を演じてるのがダース・モールでお馴染みのレイ・パークらしい、というのを聞き、「これは、キャスパーVSレイ・パークという大一番が見られるのでは?」と期待して見に行ってみたのです。
そしたら、本当にそんなシーンが出て来るではないですか。まあ、物語の展開上、キャスパーが勝てるはずが無いという戦いではあるんですが、それでもこの映画の全登場キャラの中で一番長く首無し騎士と渡り合って見せてくれました。
ちなみに、首無し騎士は、首が無い時のアクションシーンはレイ・パークが演じてるんですが、首がある時はクリストファー・ウォーケンにチェンジします。で、このウォーケンのツラがまたやたら怖いんですよね。見るからに人の首を刎ねるのが好きそうな悪魔ヅラは、むしろ首がついてる状態の方がビジュアル的にはるかに恐ろしいと思わせる雰囲気を醸し出しまくっていました。