監督・製作・脚本・音楽:トビー・フーパー
撮影:ダニエル・パール
出演:マリリン・バーンズ(サリー)
ガンナー・ハンセン(レザー・フェイス)
ポール・A・パーティン(フランクリン)
ウィリアム・ヴァイル(カーク)
テリー・マクミン(パム)
アレン・ダジンガー(ジェリー)
ジム・シードウ(ガソリンスタンドのオヤジ)
エドウィン・ニール(ヒッチハイカー)
ジョン・ドゥーガン(祖父)
道中、狂ったヒッチハイカーを乗せてしまったり、立ち寄ったガソリンスタンドで「ガソリンが無い」と言われたりしつつ、もはやボロボロの廃屋となった目的の家に到着した。
夜。近くの川に向かったはずのジェリーとパム、2人を探しに行ったカークが戻って来ない。実は3人は、近くにあった一軒の家に足を踏み入れてしまい、そこに住む狂った住人によって殺害されていたのだ。
3人を探しに向かったフランクリンとサリーの前に、チェーンソーを持った殺人鬼が現われるのだった!
(感想)
言わずと知れた、ホラー映画界の伝説です。この映画の何がそんなに凄いのかと言うと、その圧倒的な“狂気”です。いわゆる、殺人鬼物の映画ですが、映画全体から感じられる尋常じゃない狂気は、もはやこの映画を殺人鬼物に含めていいか分からなくなってくるほどです。
ですが、これは個人的にですが、“恐怖”はあんまり感じないんですよね。何しろ、人骨を使った家具の並ぶ家に住む、チェーンソーを振り回す狂った大男なんて、近所にまずいないですからね(そりゃそうだ・笑)。私にとっては現実離れしたストーリーの映画なので(注・リアルじゃないと言ってるわけではありません)、例えば「登場人物の身になって考えてみる」という事もなかなかうまく出来ません。実感が湧かないので想像がつかないんです。
なので、こと恐怖感に関しては、他の殺人鬼物の映画とさして変わりはありませんでしたね。
そして、恐怖の変わりに感じるのは“不快感”の方だったりします。見てて「あ〜、イヤだなぁ・・・」と思うような・・・。特に、中盤から終盤にかけて、延々と鳴り響く主演女優の絶叫とチェーンソーの轟音など、もう、途中でボリュームを下げたくなるぐらいです。
さらに、劇中に鳴るBGMも、音楽と呼べるようなものではなく、ミュージックというよりサウンドといった感じの、変な“音”が鳴ったりしてますからね。これがまた、聞いてて何とも言えない嫌〜な気分になっくるんですよね。
このように、聴覚を嫌というほど刺激してくる不快感ですが、映像の方もまた暴力的で不快指数たっぷりです。幸いにも、「チェーンソーで引き裂かれる人体!」みたいなグログロシーンは無いんですけどね。
もし、この映画にグログロ・スプラッターシーンがあったら雰囲気はどう変わったんでしょうかね。
そんな、狂気度120%のこの映画、実は初見時では私の中での評価はあまり高くない映画でした。多分、前に見た時は、この映画の狂気が私の許容範囲を越えていたんでしょうね。それで、結局不快感だけが後に残って、「何か、イヤな映画だった」という印象が残ってしまったのでしょう。
でも、今改めて見て、「この映画の狂気と不快指数は本当に凄いものだったんだ」と感心して思えるようになりました。ようやく私もこの映画に追いつく事が出来たようです。