監督:ジェフ・バー
出演:ケイト・ホッジ(ミシェル)
ウィリアム・バトラー(ライアン)
ケン・フォリー(ベニー)
R・A・ミハイロフ(レザーフェイス)
ヴィゴ・モーテンセン(テックス)
ジョー・アンガー(ティンカー)
(感想)
人気シリーズ3作目ですが、『悪魔のいけにえ』のシリーズとしてよりも、「ケン・フォリーVSレザーフェイス」の大一番が見られるという点の方に注意が行ってしまいますね。
ストーリーは1作目と似たような感じで、旅行者がテキサスで狂人一家に襲われるというものです。『2』は前作とは内容も雰囲気もかなり変えてきましたが、『3』で原点回帰を試みたんでしょうか。でも、結局このシリーズは『2』以外は全部原点回帰ばかりやってる気がしますね。
でも、今回はただの原点回帰だけではなく、『2』で見られた「笑える場面」というのもあったりするんで、「シリーズ集大成」を狙ったのかもしれません。でも、結果として『13金』もどきみたいな映画になってしまったのは残念。まあ、これはこれで面白くはあるんですけどね。
リメイクの『テキサス・チェーンソー』シリーズは、まだ一作目の“狂気”を再現しようと試みていましたが、この『3』は、それよりもレザーフェイスのスター性を前面に出したような内容でした。確かに、レザーフェイスはホラー映画界のスターではありますが、見せ方が普通だと「武器にチェーンソーを選んだ、ジェイソンの亜流」みたいになってしまうんですね。
ですが、冒頭から、若者達が狂人一家に襲われるまでの間の展開はこのシリーズならではな恐怖感がありましたね。旅行中の知らない土地でもって、うっかりマズい所に入り込んでしまい、その土地の名物である狂人に襲われるハメになるという。どちらかと言うと、「普段住んでる町や通ってる学校に狂人が現れて惨劇が始まる」というストーリーよりも恐怖感が感じられる気がします。多分、普段旅行なんかにあまり行かないから、「もしかたらそういう事も起こり得るんじゃないだろうか」と思えるせいなんでしょうね。それに、「罠にハマってしまった感」というのがあるのも恐怖感を煽るポイントかもしれません。何だか、一作目の時の感想と正反対の事を言ってますが、あれから私も色んなホラー映画に触れて、楽しみ方が分かってきたという事なのでしょう。
とは言え、この映画の真骨頂は、何と言っても最初に書いたように、『ゾンビ』のケン・フォリーがレザーフェィスと戦うという所ですよ。これはホラーファンなら熱狂する事間違い無しですね。
さらに、公開当時と違い、今ではもう一つ凄い見どころが追加されてるんです。それは、狂人一家の一人を演じてるのが、あのヴィゴ・モーテンセンだという点です。しかも、こちらもケン・フォリーと戦います(笑)。もうこうなると、この映画のサブタイトルが「ケン・フォリー逆襲」じゃないのが不思議なぐらいです。
どうでもいい事ですが、この映画のケン・フォリー、髪型とか体型とか演技とか肌の色とか、全体的にサミュエル・L・ジャクソンっぽい雰囲気が感じられるのは気のせいでしょうか。と言うか、今、この『3』がリメイクされたら、ベニー役はサミュLになりそうな気がします(笑)。「レザーフェィスVSサミュL」とは、また熱い映画になりそうですねぇ。『テキサス・チェーンソー』の新作でやってくれないものかね(こっちのシリーズはそういうノリじゃないか)。