監督・製作・脚本・編集:ピーター・スピエリッグ
マイケル・スピエリッグ
出演:フェリシティ・メーソン(レネ・チャップリン)
ムンゴ・マッケイ(マリオン)
ロブ・ジェンキンス(ウェイン)
リサ・カニンガム(サリアンヌ)
ダーク・ハンター(ハリソン)
エマ・ランドール(モリー巡査)
一方、ヒロインであるミス・バークレーのレネは、このサバイバルの最中、順調にマッチョ化していくのだった。しかも彼女は、「2頭の豚をロープでくくる」という特技を持っているのだ!
(感想)
ヒロインに妙な特技があるという設定にも関わらず、豚が出て来ないのがちょっと納得いかないこの映画(でも、牛は出て来ました)。なんと、世にも珍しい、オーストラリア産のゾンビ映画です。内容自体も、宇宙人の侵略が背景にあるという壮大なもので、これまたゾンビ映画としてはかなり異色ですね。
CGの多用、エキストラの大量動員など、製作費も思ったよりも低くないようで、ゾンビの特殊メイクや一画面で登場する数量も予想以上に豪華でした。アクション面にも力が入れられていて、ジョン・ウー的な銃撃シーンが満載という、近年のゾンビ映画の中でもかなり気合の入った一本でしたね。
ただ、一つ問題がありまして、その全てがヌル〜く描かれてるんですよね(笑)。もう、緊張感も恐怖感もあったものじゃないです。もともとコメディタッチで描かれてるというのもありますが、このヌルさは“そういう演出だ”では済ませられないレベルのような気がしますねぇ。
「このヌルさ、チープさが逆に笑える」というところまでいってるんならいいですが、微妙にその域まで達してないんで、見てて苦笑(または失笑)が出てきてしまいます。
ただ、銃撃シーンの演出の“下手なコピーっぷり”は、一見の価値はあるかもしれません。二丁拳銃の扱い方が完全にジョン・ウーのコピーなんですが、再現しきれてないんですよね。例えるなら、「プレステのアクションゲームを、スーパーファミコンに強引に移植してみました」的な無理してる感があるんです。この辺りの映像は面白いと言えば面白くはありましたね。
ゾンビ映画の中で言えば、『新ゾンビ』ほどハジけてはいないが、『ミート・マーケット』よりはよく出来ていて見応えがある、そんな位置付けでしょうかね。
ところで、この映画のゾンビのうなり声には、モンスターっぽい雰囲気を出そうとしたのか、時々、動物(多分、家畜系の)の鳴き声が重ねられている時があるようです。で、その中に「ブヒィ!」という声が聞こえる時があるんですよね。思わず反応してしまったじゃないですか(笑)。