ヴァンパイア/最期の聖戦
<JOHN CARPENTER'S VAMPIRES>
98年 アメリカ映画 108分

監督・音楽:ジョン・カーペンター
出演:ジェームズ・ウッズ(ジャック・クロウ)
   ダニエル・ボールドウィン(トニー・モントヤ)
   シェリル・リー(カトリーナ)
   トーマス・イアン・グリフィス(魔鬼ヴァレック)
   テム・グニー(アダム神父)
   マクシミリアン・シェル(アルバ枢機卿)

(あらすじ)
実はこの世界にはヴァンパイアが実際に生息しているのだ。そして、そのヴァンパイアを狩るのを仕事にしている連中がいる。それはスレイヤーズ(始末人)と呼ばれていて、バチカンから報酬を得ている傭兵部隊だった。
そんなスレイヤーズの中の、ジャック・クロウ率いるチームに最強のヴァンパイア、ヴァレックが現れるのだった。

(感想)
いやあ、最高ですねこれ。何が最高って、監督の演出や音楽も当然いいですが、やっぱり、主演のジェームズ・ウッズの魅力を筆頭に挙げたいです。何と言うか、このやさぐれたアンチヒーロー的なキャラクターにバッチリはまってますね。もうこの、主役がかっこいいって時点で他に何も言う事がない。それぐらいイイです。

最近の映画のヴァンパイアは、ニンニクや十字架といった弱点を克服しているタイプの輩が多いですが、相変わらず日光には皆弱いです。で、この映画では、そのまさに致命的な弱点を克服しようとします。もしヴァンパイアに日光に当たると即死という弱点がなくなり、日中も平気で出歩けるようになったら、それこそ人類にとって大変な事態です。
同時期に公開されたウェズリー・スナイプスの『ブレイド』の吸血鬼も、似た様な目的を持っていました。だがあちらは、相手にしているのがブレイドです。見てる側も安心感があります(むしろ、大暴れするスナイプスに爽快感を覚えるような映画でしたからね)。
でも、こちらは主人公が特殊な能力を持っているという設定も無ければ、演じるのが復活した悪魔の化身をマーシャルアーツでぶちのめすチャック・ノリスのような人物でもありません。ジャック・クロウも、スレイヤーズの中では最強と言われてるようですが、あくまでも普通の人です。颯爽と歩くその背後で大爆発!なんてシーンでも、爆発の瞬間にビクッ!としてるような奴です。
そんな、等身大のアンチヒーロー(ちょっと変な言い回し)がいかにして化け物ヴァンパイアの野望を阻止するかに、見てる方も思わず力が入ります。