監督・原案・脚本:クリスチャン・マッキンタイア
出演:A・J・バックリー(レイン)
キャリー・デ・ファブリー(メイシー)
デビッド・オドネル(スティーブン)
キム・オナッシュ(アイリス)
ミシェル・ボース(カトリーナ)
ビリー・ゼイン(ビル保安官)
スティーブン・ボールドウィン(ジョー)
(感想)
農家。トウモロコシ畑。ミステリーサークル。といったものが共通して出て来る事から分かるように、この映画、要するに『サイン』のバッタ物です。もちろん宇宙人も出ます。
恐ろしい事に、その宇宙人のデザインからテーマ曲に至るまでパクってます。もうちょっとオリジナリティを出すわけにいかなかったのか(笑)。
『サイン』と違う点として、主人公が元神父ではなく、学生の男女数人だというのがあります。いわゆる、B級ホラーお馴染みのメンバーですね。
ただ、意外にも、この若者達はあんまりハメを外しません。殺人鬼が暴れ回る類の映画でよく見る若者軍団と違って、真面目なんですよね。夜中に宴会をおっ始めたりとか、隠れてヤクを吸うやつがいたりとか、そういう事がないんです。
では何をやっているのかというと、「売却の為に家を掃除する」という本来の仕事をキチッとやっているんです。清々しい面々ですねぇ。
この点は珍しくもあるんですが、反面、真面目過ぎてストーリーに面白味が欠ける印象もあったりしましたね。何しろ、宇宙人が襲撃を仕掛けてくるのが本当に最後の最後だけで、それまでは、登場人物達が「どうも、何かがおかしいと思うだけ」という微妙なサスペンス描写と、他愛ない会話が中心でストーリーが進んでいくという展開になってるんです。
ただ、終盤の宇宙人襲撃シーンは結構気合が入ってましたね。『サイン』と違って、割と襲う気満々で攻めてきます。「今までは襲って来なかったのに、何故終盤になってから攻めてくるのか」という点にも一応の説明がつけられています。
この宇宙人にも弱点、と言うか苦手なものがあり、それは“水”、ではなくて、“鉄”と“電磁波”です。家に電気が通っていれば、そこから発生する微弱な電磁波のせいで、家に侵入してくる事も出来ないようです。なので、終盤まで目立った攻撃をしてこなかったのは、多分「電力を切る方法を探っていた」という事なんでしょうね。
鉄が弱点という点に関しては、鉄製の武器で攻撃をすると大ダメージが与えられる、というものです。まあ、これは宇宙人に限った弱点ではないですけどね(笑)。地球人だろうが動物だろうが鉄製の武器で殴られればみんな大ダメージ受けますよ。
外見が超安っぽいCGなのが難ですが、家への侵入方法が、「窓ガラスをぶち破っての突入」とか「床に光の輪が出来たと思ったら、そこから瞬間移動してくる」といった、視覚的に映える手段を使ってきます。
また、一体だけではなく、一度に何体も瞬間移動してきたりします。これは、出来ればアクション映画風に演出された映画で出てきて欲しかったですね。B級ホラーの敵としては申し分無しの個性です。
ちなみに、この映画にはなぜかビリー・ゼインやスティーブン・ボールドウィンといった名の知れた方々が脇役で出演しています。特に、ビリー・ゼインに至っては、終盤の宇宙人襲撃シーンにショットガンを装備して参戦してくれます。ファンとしては非常に嬉しい扱いでしたね(てっきり、ゲスト出演程度の出番しかないのかと思っていたので)。