狼男
<THE WOLF MAN>
41年 アメリカ映画 70分

監督・製作:ジョージ・ワグナー
出演:ロン・チェイニー・Jr(ラリー・タルボット/狼男)
   イヴリン・アンカース(グエン)
   クロード・レインズ(ジョン・タルボット卿)
   マリア・オースペンスカヤ(ジプシー老女)
   ラルフ・ベラミー(ポール)
   パトリック・ノウルズ(フランク)
   ウォーレン・ウィリアム(ドクター・ロイド)
   ベラ・ルゴシ(ベラ)
   フェイ・ヘルム(ジェニー)

(あらすじ)
タルボット家の次男、ラリーは、家督を継ぐはずだった兄が死んだ為に、実家のタルボット邸に帰って来た。
ある夜、一目惚れした骨董品屋の娘グエンと、グエンの友人ジェニーと共にジプシーの占い師の元を訪ねた。だがその場に狼が現れ、ジェニーが殺されてしまう。ラリーは狼と格闘の末、持っていた銀のステッキで撲殺するも、噛まれて怪我をしてしまうのだった。
実は、襲ってきた狼は、占い師ベラが変身した狼男なのだ。そして、狼男に噛まれた者も、また狼男になってしまうのだ!
かくして狼男となり、夜な夜な変身しては人殺しをするようになったラリーは、どうしていいか分からずパニックになるのだった。

(感想)
ロン・チェイニー・Jrが狼男役を演じた、有名なクラシック狼男映画です。私は、これが狼男映画の元祖なのかと思ってたんですが、もっと昔から製作されてたジャンルだったんですね。でも、中でも有名なのが、このロン版狼男で、後のシリーズでもずっとこの人が狼男=ラリー・タルボット役を演じ続けていたようです。

ストーリーは、純朴な青年が狼男に噛まれた事により、怪物に変身してしまい、その事で苦悩する、というものです。ドラキュラのような悪役的なキャラクターではなく、本人はまともな常識人なのに、自分の意思とは関係無しに怪物に変身してしまう、というのが他のモンスター映画との違いであり特徴ですね。
劇中で人を襲う悪役と事件に巻き込まれる主人公が同一人物である、というのは面白い設定です。また、当初は自分が狼男になってしまった事に気付いてなく、周りで起こる事件やらジプシー老女の話やらでだんだんと自分の正体に気付いていく、という展開も面白いです。ストーリー自体に特に面白味の感じられなかった『魔人ドラキュラ』より、ちょっと好印象です。

肝心の狼男ですが、特殊メイク技術があまり発達してない時代という事で、あんまり狼に見えない外見です。人間の顔を毛深くしてるだけなので、狼よりもむしろ類人猿系の怪物みたいです。
でも、これはこれで味のある狼男ではありましたけどね。メイクをしてる俳優の表情がよく分かるというのもいいです。

ちなみに、ラリーが狼男になってしまうのは、“ベラ”という名前の占い師が変身した狼に噛まれたのが原因でした。で、このベラ、演じているのが『魔人ドラキュラ』でドラキュラを演じていたベラ・ルゴシなんですよね(この、ベラ狼は半身半獣ではなく、完全な狼の姿なんですよね。なんで違いがあるんでしょう)。
ベラ狼に噛まれたラリーは、この後、何作にも渡って狼男になり続けるベテラン狼男となり(で、登場する度に「死んで楽になりたい」と言い続けてるようです)、フランケンシュタインの怪物と戦ったり、ドラキュラと戦ったりするハメになるようです。それも全てベラが原因なんですねぇ。
ただ、ドラキュラと戦う映画では、ドラキュラを演じるのがまたベラ・ルゴシみたいなんですよね。「お前のせいだ!」的なセリフは無かったんでしょうか(笑)。

あと、どうでもいい事ですが、狼男は「満月の晩に変身する」というのがセオリーですが、この映画に「満月が映るカットが無い」というのはちょっと意外でしたね。