監督:ジョージ・ミラー
出演:ニコラス・ベル(ナイルズ・グリーン)
ロバート・キャラダイン(グラント)
ステイシー・ハイダック(サバンナ主任)
ビリー・アーロン・ブラウン(カーク)
クレオパトラ・コールマン(アリス)
パリー・シェン(ロビー)
アマンダ・ステファンズ(アレイナ)
ラウィリ・パラテーン(飼育係サカライヤ)
ブライアン・ウィマー(ブライアン)
スーザン・サッチー(オータム)
(感想)
『ジュラシック・パーク』の恐竜をサーベルタイガーに置き換えて、ストーリーをつまらなくした、という内容の映画です。
パークを象徴するマークのデザインまでパクリという、まさに、正真正銘のバッタ物。『ジュラシック・パーク』からもう15年も経ってるというのに、未だにこういうのが作られるというのは、やっぱり、それだけ『ジュラシック・パーク』が凄い映画だったという事なんでしょうね。
さて。この映画は恐竜ではなく、サーベルタイガーが現れて、人を襲うという映画です。恐竜はこれまで腐るほど出てきましたが(主にB級C級映画で)、サーベルタイガーはかなり珍しいです。
「鋭く、長いキバの生えたトラ」という奴なんですが、何しろ、あの凶暴なトラよりも武器が一つ多いという事で、登場人物達にとって、かなりの脅威となります。キバの一撃で人の首を刎ねるといった芸当を披露したり、食べる為だけでなく、殺す事自体を目的として襲ってきているという話が出てきたりと、もう大変。しかも、たまに出てくる「サーベルタイガー目線」のシーンでは、人間がサーモグラフィー風に映っている事が知らされます。まさにプレデター(ただ、背景はそのままの映像で見えてるんですが)。
一方の人間側は、基本的にアホばかりで、感情移入出来る奴が誰もいません。もう「誰が死んでもいい」という人選で、見てるこちらも、マッタリとした気分でサーベルタイガーの殺戮ショーを見ていられます。しかも、結構残忍な殺し方をするんですよね。もう、死体が「食い散らかした後」みたいな有様になりますし。
ただ、その食い残しが特殊メイクではなく、CGで描かれるケースが多いのは残念でした。ここを手を抜かずに、精巧でグロい「バラバラ死体人形」をこしらえてくれたら、さらに楽しかったんですけどね。内容は適度なくだらなさがあって良かったんですが、映像がちょっと弱かったんですよね。もうちょっとインパクトが欲しかったです。
ただ、サーベルタイガーは複数いるんですが、その内の一頭が「下半身がうまく再生出来なかった」みたいな理由で動かない奴がいて、こいつが前足だけで這って移動してくるんです。このビジュアルはなかなか不気味で良かったですね。
あ、あと、冒頭でブタちゃんが2秒ぐらい出てきたのも良かったです。「サーベルタイガーが出てきた!?」と思わせて、実は出てきたのはブタだったという、“ブタドッキリ手法”が使われたシーンでした。この手法を使った映画を見るのも、『ティアーズ・オブ・ザ・サン』以来かもしれないですね。ただ、後にそのブーちゃんが狙われる場面が出てきてしまいましたけど(幸いにも食われるシーンは無し)。
ちなみに、監督が“ジョージ・ミラー”という事なんですが、もちろん、『マッド・マックス』や『ベイブ都会へ行く』を監督した、あのジョージ・ミラーとは別人です。