監督:ケビン・オニール
製作総指揮:ロジャー・コーマン
出演:ジェーン・ロンジェネッカー(ダイアン・ハーパー)
マット・ボーレンギー(トム・バニング)
コスタス・マンディロア(ディック・シドニー)
ブルース・ウェイツ(ランス・キャンベル博士)
チャールズ・ネイピア(ハーパー保安官)
ジョアンナ・パクラ(ポーラ・ケネディ)
マックス・パーリッチ(ケリガン保安官補)
ジェイク・トーマス(マイケル・バニング)
(感想)
遺伝子操作で巨大化したワニが人をパクパク食べるという動物パニック映画、なんですが、襲ってくるのがただの巨大ワニではなく、ディノクロコです。劇中ではみんな“ワニ”と呼んでますが、どう見てもワニじゃないです(笑)。恐竜、もしくはハリウッド版のゴジラに近いですね。大きさ的には、人間の2〜3倍程度ですが。
そのディノクロコは、あまり出来のよくないCGで描かれます。CGにしか見えない怪物に人が食われるというディノクロコによる強襲シーンは、ちょっと笑える画になってるんですが、攻撃スピードが、その大きさから想像するスピードよりもかなり早いので、見てて「おお、スゲェ!」とか思えるんですよね。
凶暴さもかなりのもので、その外見も「いかにも怪物!」といった凶悪なものです。結構なスピードで地上を二足歩行したり、かなりのスピードで水中を泳いだり、さらに水中から飛び魚のようにジャンプしたりと、運動力も相当なものです。もはや、動物パニックというより、モンスター・パニックですね。
さらに凄いのは、手加減を知らないところです。相手が女子供でも容赦なくかぶりついてきます。この行動は、まさにモンスターの鑑ともいえるものですね。他の怪物達もどんどんマネして欲しいです。
そんな手強いディノクロコと相対する人間側ですが、とりたてて魅力的とも言えないようなキャラが多いです。箸にも棒にも引っ掛からないというのか・・・。唯一、爬虫類学者兼ハンターのディックが、典型的なまでに頼もしいマッチョぶりを持っている、いいキャラクターでした。
相手の凶暴さの割に、人間側は至って普通のキャラクターなのは、ちょっと寂しいような気がしないでもないですが、かといって、主人公グループを軍人みたいな戦える人に設定したら、全然違う映画になってしまいますしね。このぐらいの方が、相手の凄さが際立っていいのかもしれません。
さて。ディノクロコですが、その加減を知らない凶暴さのせいで、中盤頃に、この手の映画では普通考えられないような芸当を披露します。ここは、ちょっと凄いシーンでしたね。見てて、「ま、マジかよ・・・!」と、しばらく固まってしまいましたよ。
ディノクロコの行動自体も凄いんですが、何よりも、そのシーンの演出がとんでもないです。恐らく、このシーンを見た人の5割以上は「や、やりやがった・・・!」と驚愕する事でしょう。
『新ゾンゲリア』でも似たような感じの演出が出て来ましたが、こっちの方が衝撃度は上だったかもしれないですね。
ところで、実はこの映画には「動物愛護」のテーマが隠されています。いや、「動物愛護」のテーマを声高く唄ってます(笑)。
ヒロインは動物保護局の局員なんですが、局には、いわゆる“捨て犬”が大量に保護されています。そして、その犬達に対する「後に安楽死させなくてはならないな」という同僚のセリフと(親父である保安官のセリフだったかも)、「犬達は何も悪くないのに可哀想だ」というヒロインのやりとりが出てきて、ペットを責任を持って飼わない人への警鐘を表現します。
これで、ディノクロコが、元は誰かにペットとして飼われていたワニが、捨てられた後に巨大化したという設定なら、このテーマを確実に生かせたと思うんですけどね。『アリゲーター』のパクりになりますけど、どうせ実際に採用された設定も「研究所から逃げ出した、遺伝子操作された巨大ワニ」という、実にありふれたものなんですからねぇ。
終盤、ディノクロコを罠におびき寄せる手段として、動物保護局に保護されていた犬達が、「どうせ安楽死待ちなんだから」という事で、おとり(エサ)に使われる事となります。なんて卑劣な作戦なんでしょう。上で「登場キャラにあまり魅力が無い」的な事を書きましたが、この犬達をディノクロコの襲撃から救出する主人公カップルの姿はやたら頼もしく見えましたね。お犬様万歳!