監督:デビッド・ジャンコーラ
出演:ジェシー・アイゼンバーグ(エリック・ドッブス)
ジョン・シュナイダー(トム・ドッブス)
ステイシー・キーチ(バート)
ミシェル・グリーン(バーバラ・ドッブス)
チェイス・マスターソン(アンナ)
エリカ・トーマス(クローエ)
ティム・マッケイ(ドクター)
バーバラ・クランプトン(市長)
(感想)
自然災害系のパニック映画では、これまで、地震、火山、竜巻、嵐などが描かれてきましたが、この映画では“雷”を描いてきます。雷はこの中でも最も身近なものなので、中々面白い題材ですよね。
内容は、この手のパニック映画のお約束にことごとく則った展開を見せるんですが、ドラマ部分がしっかりしてるので、見てて面白いです。また、パニック映画のお約束キャラ、“襲ってくる災害に詳しい主人公”が、この映画ではティーンエイジャーに設定されてて、この辺はちょっと珍しい点かもしれません。
「どうして、こんなガキだけがこの災害を予測出来たのか?」と言うと、それは「主人公だから」と言う他無いですけどね(笑)。まあ、そんな細かい所は無視してあげましょう。それに、演じてるのがジェシー・アイゼンバーグなので、今見ると意外と説得力が感じられるかもしれません。「当時から凄い奴だったんだ!」みたいな感じで。
映画のメインとなるはずの落雷シーンですが、実はこの映画、恐らくテレビ用かビデオ用の映画で、制作費はかなり低いと思われます。なので、災害シーンの迫力は全然無かったりするんです。金は無いながらも、演出でかなり頑張ってはいるんですが、やっぱり肝心なところで盛り上がらないというのは少々ツラいものがありましたね。
その代わり、ドラマ部分の方はかなり頑張っていて、名前のある登場人物にはそれぞれ見せ場が用意されていたり、今まで反発しあってた者同士が、この窮地に団結して事に当たる場面があったりします。
そういった、人間関係でのイザコザが数種類描かれるんですが、ラストには面白いように全て丸く収まっていきます。
兄の事故死が原因でギクシャクしていた主人公と父親の関係も、二人で共同でこの事態に立ち向かっていくうちに修復されていきます。この辺の展開は中々感動的でもありましたね。
雷博士の主人公が雷の薀蓄を垂れるシーンが何ヶ所か出て来るんですが、これはどこまで信じていいものなんでしょうかね。本当の雷豆知識なのか、映画用の作りなのか・・・。それに、我々が一番興味のある「落雷から身を守る方法」の類は結局一言も話してくれないのは残念でした。
この映画、犠牲者もほとんど出ないですし、グロシーンも当然無いので、大人から子供まで、それこそ家族そろってお茶の間で見られる映画だと思うんですが、これのビデオの最初に入ってる予告に、超ド級のエロ映画が入ってしまってるんですよね。今となっては、この映画をVHSで家族で見るなんてケースはもう無いでしょうけど、当時犠牲になった方がいなければいいんですけどね。