アイスランド
<NEW ALCATRAZ>
00年 アメリカ映画 96分

監督:フィリップ・ロス
出演:ディーン・ケイン(ロバート・トレントン)
   エリザベス・ラッキー(ジェシカ・トレントン)
   マーク・シェパード(ユーリ・ブレスコフ)
   ディーン・ビアスッキ(ライリー所長)
   グラント・L・ブッシュ(クイン軍曹)
   ダナ・アッシュブルグ(ケリー・ミッチ)
   アマンダ・レイン(パトリシア)
   ロバート・ユドリッド(ホセ)
   クリストファー・マイケル(トーマス大尉)
   リチャード・タナー(ピーター・ユーゴ)

(あらすじ)
南極に建設中の刑務所ニュー・アルカトラズに、太古の眠りから覚めた巨大ヘビが出現。建設工事に来ていた技師や看守が次々と喰われてしまった!
そして、武装した軍人数名とヘビ学者が討伐に来るのだった。

(感想)
『アナコンダ』以来ブームの巨大ヘビ映画です。『キングコブラ』なんかはハリボテのヘビでしたが、こちらは『パイソン』のようなCGヘビです。ただ、CGの出来は『パイソン』以下っぽい感じですけどね。大きさも一回りほど小さいようです。
この映画のヘビ、どうやら満腹になるということがないようです。登場人物を短時間で片っ端から喰っていきます。しかも消化が超早いらしく、ヘビのおなかが人型にふくれるという演出もなされません。そのせいか、ただの巨大ヘビではなく、怪物といった感じがありましたね。

そんなヘビモンスターに挑むのが、軍人数名に、やはり武装している看守たち。そして主人公のヘビ学者とその妻(古生物学者だったかも・・・)。一瞬、『ザ・グリード』のような熱い展開を期待してしまいますが、ほとんどの登場人物はヘビにやられるまでもなく、バカみたいに自爆死します。
頼れる軍人さんたちがいなくなったので(あっさり喰われたり自爆したり)、建設中とはいえ、すでに数人の罪人が牢に入ってるという事で、この犯罪者軍団を牢から出して、共に脱出しようとします。
序盤の方にこの犯罪者メンバーのキャラクター紹介みたいなシーンがあり、そこで各々の名前や能力が会話から明かされるという感じになっていたので、「ここから息詰まる脱出劇が展開されるのか」と思ったら、主役を始め、セリフの多かった数人を残し、次々とあっさり喰われていきます。
アホみたいな展開ですが、「どんな能力を持ってしても、このヘビから逃れるには運に頼るしかない」みたいな感じが出て、意外に緊迫感があったりもしました。

結局最後までヘビ撃退の有効な手段がないまま、生き残った面々はとにかく出口まで逃げるのみという状況となります。最終目的が怪物を倒すことではなく、怪物から逃げる事というのは、この手の映画では案外珍しいんじゃないですかね。

そうそう。動物パニック映画の一つのお約束事として、「学者が生け捕りを主張して事態をややこしくする」というのがありますが、この映画の主人公がその学者で、ちゃんと生け捕りを主張したりします。
主人公にこんな事を言わせるとは、なかなか捻った展開ですね(まあ、主人公だけあって、相手があまりにタチが悪い事に早々に気付いてくれますが)。