シャーク・ハンター
<SHARK HUNTER>
02年 アメリカ映画 93分

監督:マット・コッド
製作・原案:フィリップ・ロス
出演:アントニオ・サバトJr(スペンサー・ノースカット)
   クリスチャン・トゥラーリ(ウィル・アトキンス)
   ヘザー・メアリー・マースデン(シェリル)
   グランド・L・ブッシュ(ドブ・ハリントン)
   ベリザー・ビネフ(バレンティン・チェンコ)
   フリスト・ショポフ(ジャスティン・フレンチ)

(あらすじ)
海洋生物学者のスペンサーは、少年時代、家族とボートで沖に出ていたところ、超巨大鮫に襲撃されて両親を失った過去を持っていた。
ある日、スペンサーの元に、謎の爆破事故を起こした海底基地の事故原因を探る依頼がくる。その基地は、何か巨大な物に衝突されて穴が開き、海水が入り込んだ事で水圧によって爆破した事が分かっていた。そして、かねてから「巨大鮫」の存在を説いていたスペンサーに調査の依頼が来たのだ。

潜水艦アルゴスに乗り、海底へと潜って行くスペンサーとクルー達。このアルゴスは、かつてスペンサー自身が設計した潜水艦でもあるのだ。

海底基地の残骸を調査したスペンサーは、そこに巨大な歯を見つけた。これこそ、4000年前に絶滅したとされる超巨大鮫、メガロドンが現在も生存している証拠だった。だが、クルーや調査主任でありスペンサーの友人のウィル達はメガロドンの存在を信じようとしない。
ただ、何かデカい鮫らしき生物がいるのは間違いなさそうである。そこで、小型潜水艇との連係プレーで、巨大鮫にワイヤー銃と麻酔銃を打ち込み、海上の基地まで引っ張って行く作戦に出る。

だが、一行の前に姿を現した巨大鮫は、体長25メートルはある、アンビリーバブルなお化け鮫なのだった。麻酔銃をいくら打ち込んでも弱まる気配を見せず、体当たりで潜水艦にダメージを追わせてくるこの怪獣を相手に、もはやこいつをなんとかして殺さない限り、生きて帰れない状況となるのだった。

(感想)
毎年のように新作のリリースされるサメ映画ですが、今回は舞台がリゾート地とかではなく、なんと深海です。しかも出てくる鮫は、太古の昔に絶滅した超巨大鮫メガロドン!そして、そんな巨大鮫に潜水艦で挑むという、サメ映画でありながら、『ジョーズ』とも『ディープ・ブルー』とも違う内容となっていました。

で、もうこの鮫があまりにデカいです。当初は、攻撃シーンでもあんまり姿を見せてなかったので、だいたいどれぐらいの大きさがあるのかはよく分からなかったんですが、中盤、小型潜水艇と並んで映るショットでそのあまりの巨大さがハッキリと分かります。
もう、予想以上の巨大さに、見てて思わずビビってしまいましたね。この、鮫のサイズに素直に驚けるかどうかが、この映画を楽しめるかどうかのポイントかもしれませんね。
オールCG製という事もあり、もはや鮫と言うより、怪獣に近いです。4000万年前の生物という事を考えると、恐竜と言った方がいいのかも。
ちなみに、何でそんな太古の生物が登場してきたのかと言うと、本来は人の目につかない深海に棲んでいたところ、地殻変動か何かで上がって来た、みたいな理由らしいです。基地や潜水艦を襲うのは、「海の王者である、自分の縄張りに入って来てるから」という事のようです。

主人公は、かつてこいつに両親を殺された過去があり、学者となった今でも、密かに復讐を企んでいたようです。ちなみに、その、両親が殺された時は、深海の基地や潜水艦ではなく、海上を漂うボートが襲われたわけですが、そんな海面まであがって来てるようなら、誰かが巨大鮫の存在に気付いてもいいような気がするんですが、まあ海は広いですからね。そう簡単には見つからないものなんでしょう。
その主人公のスペンサーですが、頭にあるのは「鮫への復讐のみ」というようなタイプではなく、勇気と知性、ついでに容姿も兼ね備えたナイスガイというキャラです。最初はいがみあってた黒人クルーにも、終盤には逆に尊敬されるぐらいの凄い男です。まあ、それは、見てて惚れ惚れするぐらいのヒーローっぷりでしたね。
「鮫を殺すべきだ」と言い張り出すのも、相手を殺さない限りこっちがヤバいという状況になってからでしたしね。

一方、こんな特殊なサメ映画においても、やっぱり「生け捕りを主張する科学者」が出て来ていました。動物パニック映画ではこういうキャラを出さないといけない決まりでもあるんでしょうか(笑)。
しかも、もう明らかに生け捕りなんて不可能だとみんなが思い知らされた後でもそんな主張を繰り返してましたからね。「この映画の監督か脚本家は、科学者というものに何か個人的な恨みでもあるんだろうか」と思ってしまうぐらいのアホっぷりでした。

中盤辺りからエンドクレジットの直前まで、「潜水艦VS巨大鮫」の息詰まる戦いが繰り広げられる事となります。これがまた、かなり緊迫感のあるバトルになってましたね。しかも、途中でダレる事なく、緊張感は最後まで続いてました。
そして、その戦いのラストは、またとんでもない事になってました。「おいおい、こんなラストが許されていいのか!?」と、思わず我が目を疑ってしまいましたね。個人的には、「こんな終わり方をする映画あってもいいだろう」とは思うんですけどね。