監督:ノエル・ノセック
脚本:ジョン・カーペンター他
出演:ハリー・ハムリン(ビック・ロンデリー)
シャノン・スタージェス(マンディ・スロットフォート)
ジャック・スカリア(マックス・ハリントン)
フィリップ・トロイ・リンガー(ワトキンス博士)
パトリシア・マコーマック(ベラ)
デビッド・スピールバーグ(パーカー町長)
デビッド・ホイットニー(ケン)
ボー・ビリングスリー(ジョージ)
(感想)
何故かジョン・カーペンターが脚本で製作に関わっているという、異色の動物パニック映画です。ちなみに、こんなタイトルですがカート・ラッセルは出てきまん。
ですが、異色なのは「カーペンターが関わってる」いう点のみで、その内容は、「動物パニック映画として可も無く、不可も無い」といった感じの映画でした。昨今の同ジャンルの映画の中にあっては、特にこれといった特徴も無い、地味な映画という感じがします。蛇もCGではなく実写ですしね。
でも、作りは丁寧で、これといった突っ込み所も無い、誰でも安心して見られる内容ではありましたね。それに、蛇の大群が徐々に町に侵出していく様というのは、巨大CGヘビが暴れる映画では味わえない、リアルな恐怖感がありました。
また、「危険を訴える主人公を町の有力者が邪険に扱う」とか「パニックの対象となる生き物に詳しい学者が登場する」といった、お約束の要素もしっかり出て来ますが、そのどれもに“リアル風味”というのが感じられるんです。だいたいにして、この毒蛇が住宅街に進出してくるという話自体、実際に起こっても決しておかしくはない内容ですからね(最近、妙な生き物が大量発生したというニュースもよく目にしますし)。それに対する有力者の行動も、「この手の連中は、現実でもこういう行動をしそうだな」となんとなく納得出来てしまうものがあるんですよね。
蛇学者の存在も、あくまでも蛇の性質とか、今回の騒動の蛇の正体を語るだけで、前面に出て来て生け捕りを主張したりといった真似をしません。
こういった、比較的リアル指向な内容のおかげで、この手の同ジャンルの映画にありがちな「毎度バカバカしい感」がほとんど感じられませんでした。ここをプラスと取るかマイナスと取るかでこの映画の評価も分かれるかと思いますね。私は、色んなタイプの動物パニックがあっていいと思うので、これはこれで面白かったです。
また、主人公が仕事熱心で正義感に溢れるナイスガイという設定も素敵でしたね。味方が少ないながらも、町の人々の安全の為に奔走する姿には頼もしさを感じずにはいられません。全ての町に一人は駐在させておきたい人物ですね。「消防署長」という、本来の仕事をするシーンが全く出てこないのも気になりません。
総じて、「これだ!」という特徴は無いものの、全体的な完成度の高い、いい動物パニック映画でした。