スネーク・アイランド
<SNAKE ISLAND>
02年 アメリカ映画 93分

監督・製作・脚本:ウェイン・クロフォード
出演:ウェイン・クロフォード(ジェイク・マロイ)
   ウィリアム・カット(マルコム・ペイジ)
   ラッセル・サバディエール(エディ)
   ケイト・コナー(ヘザー・ドーシー)
   ドーン・マシューズ(リサ)
   ミラン・マーレイ(キャリー)
   ジェイソン・ケンネット(ランス)
   ジャパン・マセンブー(ライチャス)
   ニコール・ハネコム(ロニー)

(あらすじ)
アフリカに新たにオープンした観光スポット、「スネーク・アイランド」。 そこに数人の観光客がやってくるが、ガイド共々、ヘビの大群に襲われててんやわんやするのだった。

(感想)
ヘビの大群が襲ってくる動物パニック映画です。今回のヘビは“巨大化系”ではなく、“大群系”です。本来、ヘビはそうそう人を襲わないものらしいですが、この映画ではさる理由により凶暴化していて、「人を見れば襲え」とばかりに次々襲撃してきます。
ですが、ヘビが攻撃を開始するのは中盤頃から。それまでは、物陰に潜んでるだけで襲ってはきません。その代わり、これがまた、ありとあらゆる物陰に潜んでるんですよ。その辺の草むらや木の陰はもちろん、部屋の中でも、ベッドの下とか家具の陰とか、とにかく、ちょっとでもヘビの隠れられそうなスペースがあれば、そこには必ずヘビが隠れてるというぐらいです。
ただ、「今にも襲い掛かりそうだ!」と思った次の瞬間には登場人物がその場を離れるなどして、襲撃は未遂に終わる事となります。こんな、寸止め演出が序盤は延々出てくるんですが、これがまた、意外に怖いんですよね。怖いと言うか、見てて落ち着かない気分になってきます。つい、「もしかしたら、今自分がいる部屋の物陰にもヘビが潜んでるんじゃないか」とか思ってしまうぐらいです。

中盤以降は、その大量のヘビ達がいよいよ物陰から姿を現し、襲う気満々で襲撃をかけてきます。それまではかなり軽い感じのストーリー展開だった為、「もしかしたら誰も死なないでこの映画は終わるんじゃないのか」と思ってしまうぐらいだったんですが(ヘビも襲って来ないし)、それまでとはうって変わって、登場人物が次々と死にまくる事となります。
ヘビの襲撃シーンは、『アナコンダ』やら『パイソン』の、「CG製の巨大ヘビの襲撃」と比べると地味ではあります。ヘビが鎌首をもたげてるシーンと、登場人物が悲鳴を上げるシーンをうまく編集しただけの襲撃シーンがほとんどですからね(笑)。でも、ヘビの数の多さと人の死にまくるペースが異常とも思える程のものなので、結構迫力はあったりします。むしろ、襲って来てるのがCGヘビじゃないせいか、『アナコンダ』とかよりもリアル感がありましたね。

この映画でヘビが凶暴化してる原因は、何かの実験だとか放射能だとかが原因ではなく、一言で言うと「野生のヘビだから」という事らしいですね。確か、野生のヘビはあまり人を襲わないという事でこの観光地を作ったという話だったような気がするんですが、ともかく、この島にいるヘビは凶暴という設定になってるんです。野暮な突っ込みは入れず、おとなしく怖がってあげるのが大人の鑑賞法というものです(多分)。
ただ、この島のヘビは「ただのヘビではない」という描写は所々で出てきます。まず、中盤に観光客達が酒と音楽で盛り上がるシーンがあるんですが、この音楽に合わせて、密かにヘビも踊ってたりします。これを見た瞬間、「このヘビは只者じゃないんだな」と思ったものでしたねぇ。
さらに、登場人物の一人の夢の中に現れて、人間の言葉で喋ってきたりもしてました。その話す内容が「テメェ、殺すぞ」的な脅し文句である所も、この島のヒベの凶暴さをよく現していましたね。