監督:ノルベルト・バーバ
原案・共同脚本:ダン・ゴードン
出演:シャノン・スタージェス(シェリ・マラトス)
ロブ・エステス(グレン)
カイ・ウィーシンガー(クリス・マラトス)
ジョージ・アントン(トム・カミングス警備員)
アンジェリーナ・ベル(スザンナ・プライス)
デビッド・ソウル(ロジャー・カーリー)
ダニー・ウェッブ(バンクス署長)
一方、保安官事務所に、逃亡した囚人がいるという情報が入る。その囚人はどうやら、モールの方に逃げたらしい。もしかしたら、6人の他に、凶悪犯がモールに潜んでいるのかもしれない。または、6人のうちの誰かが、その凶悪犯なのかもしれないのだった・・・。
(感想)
これは、「B級映画」ではなく、「テレビ映画」でした。恐らく、B級映画よりも予算は少ないんでしょう。その影響が、「全員無名キャスト 」「稚拙な脚本」という形で出てはいますが、まあテレビ映画なんだから仕方がない。とはいえ、こちらはA級の超大作映画と同じレンタル料金を払っていると思うとちょっと悔しい(笑)。この映画もそこそこ面白いんですが、最初から最後まで真剣に見るようなものでもないですね。テレビでやってるのを何となく見ているというのが正しい鑑賞法のような気がします。
でも、水没するショッピングモールという映像はなかなか珍しくも面白いものではあります。また、モール内にはどこかからか漏れているメタンガスが充満してきているという設定があり、上昇する水位、メタンガス、凶悪犯と、3大トラブル同時発生状態となっています。
ただ、もし見てる自分がこの映画の登場人物の立場だったらどうサバイバルするだろうと、この手の映画ではそう考えながら見るのも面白いものですが、どうも脚本や設定に所々おかしな点が見受けられるので、真剣に考える気が失せてきます。やっぱり流し見してた方がいいみたいですね。
真剣に考えずに見るのなら、中盤辺りの展開はなかなかの盛り上がりを見せてくれ、この辺は結構見入ってしまいます。
このお話しの一応の主人公は保安官の妻で医者のシェリという人物になります。あらすじに書いたように、“開店前”のショッピングモールに買い物に来るというアホです。しかも、勘違いして来たわけじゃなく、知ってて来てるんだから恐ろしい。「主人へのプレゼントで、もう買う物も決めてある。だから売ってくれ。」と常識では考えられないわがままを言ってのけます。さすがアメリカ人女性、わがままも豪快です。
また、夫のクリス保安官もイカした人物でした。真骨頂が見られるのはラスト。妻が凶悪犯と一緒に水没寸前のモールにいると知り、とにかく助けに行きたくてしょうがない様子。一人で乗り込もうとするクリスに、署長のバンクスは「応援が来るまで待つんだ。相手は危険な男だ」と説得しようとする。だがクリスは「今は俺も危険な男です。」と言ってのけ、単身突入。そして犯人と対峙するも、ガスが充満してて発砲出来ないと知って怯んだところを犯人のボウガンであっさりやられます。何しに出て来たんだお前は!(笑)
しかも、後に「防弾チョッキで助かった」 事が明かされます。いやぁ、まったく素晴らしい。さすが危険な男です。
また、妻のシェリの方も負けじと、犯人に電池を抜かれて使えない無線機で、密かに交信を試みるという珍プレーを披露する見せ場が出てきます。もう、この映画のタイトルを『パニックinマラトス夫妻』に変えるべきなんじゃないだろうか。