監督:ビル・L・ノートン
出演:アダム・アーキン(ボブ・ミラー)
ジョエリー・フィッシャー(スーザン・ミラー)
ジャンカルロ・エスポジート(ドクター・ローレンス・カーバー)
ケン・ジェンキンス(ルー)
フィリス・リオンズ(アリソン)
マイケル・カドリッツ(アンディ)
ケイシー・ビッグス(ハロルド市長)
事態はさらに深刻になっていき、今回のポリポリカジウムは、通常よりも強力な変異種である事が判明してしまう。どんなフィルターをかけても通っていき、沸騰しても死ぬことはない。しかもウイルスのように、接触によって人から人へと感染してしまうのだ。
有効な対処法も見つからないまま犠牲者は次々と増えていき、ついにミラーの息子までも感染してしまうのだった。
(感想)
水から菌が広まるとは、なかなか恐ろしいですね。しかも、“飲む”以外でも、触っただけで危ないらしいんです。これを見終わったら、しばらくは水道水に触りたくなくなるかもしれないですね。
数あるこの手の「細菌パニック」は、そのほとんどがテレビ用の映画ですが、この『ヴァイラスX』も例に漏れずです。しかも、“テレビ映画”というよりも“テレビドラマ”と言った方がいいぐらい、見せ場らしい見せ場も無く、淡々と話が進んでいきます。
主人公は、水道局に勤めていて、新しい浄水場の建設を任される予定だったんですが、市長がその予算をカットし、新浄水場の建設は無期限延期となる、という事が冒頭で出てきます。
最終的に、もしここで新しい浄水場を作っていれば、この災害は防げたという事になり、市長が“悪の元凶”みたいな感じになるんですが、なぜ突然、このクリプレスポリカジウムとかいうのが発生したのかは明かされないままでした。この辺、ちょっと釈然としないものがありましたね。
あと、「主人公が事態の究明の為に走り回る」、というストーリーだと思うんですが、画面には「家族とのふれ合いシーン」がかなり多く出てきて、「こいつは本当に仕事をしてるのか」とか思ってしまうぐらいに、主人公が働いてるシーンが少ないです。アメリカ人は、「こういう事態が起こっても家族サービスは欠かしてはいけない(例え責任ある立場にいる人間でも)」という考えなんでしょうかね?
とにかく、事態究明の仕事を任されてる人達が、ちゃんと仕事をしてるシーンというのが全体的に少ないので、何だか見ていてイライラさせられます。
代わりに多く出て来るのがパニックになる住民達とか、子供が感染して看病する母親の姿というのも、イライラに拍車をかけてくれます。こんなシーンを見せられたら、見てる方は「早く誰か何とか解決策を見つけてくれ!」とか思うんですが、解決策を見つけなきゃならない人達は家族サービスに忙しくて仕事どろこではないという有様(“家族サービス”と言っても、子供を遊園地に連れてったりとかしてるわけじゃないですよ)。
と、全体的に、特に見るべき点の無いドラマでしたね。
途中に、「ここでCMが入ります」と言わんばかりに暗転する個所が出て来るんですが、ここでミネラルウォーターのCMとか入ったら面白かったんですけどね(笑)。案外、本当にスポンサーに清涼飲料水のメーカーがついてたりして。