監督:エド・レイモンド(フレッド・オーレン・レイ)
出演:トリート・ウィリアムズ(ドクター・デビッド・ヘニング)
メアリー・ペイジ・ケラー(ドクター・クリスティン・エドモントン)
ハンネス・イーニッケ(ドクター・サントス・ブアマン)
トニー・デニソン(スパークス将軍)
ジェフ・ピアーソン(マンチェック将軍)
キャサリン・デント(スーザン・エドモントン)
ジム・ストーム(ジェームズ・クロウレイ保安官)
ブライアン・ポス(ビリー・サンダーソン)
ニコル・ニース(シンディ・サンダーソン)
リー・デ・ブロウクス(ボブ・ジェンキンス)
(感想)
『アウトブレイク』のストーリーを参考に(と言うか、コピーして)作った細菌パニック映画です。いわゆるバッタ物映画なんですが、元の映画の面白さをうまくパクってるため、なかなか面白く見る事が出来ます。
中盤までの、ウイルスの被害者がどんどん出て来て、町にパニックが訪れる辺りの展開は、思わず画面に釘付けになってしまうほど引き込まれます。
『アウトブレイク』と違う点として、ウイルス自体は空気感染をしない為、二次感染の危険があまり無いというのがあります。その代わり、ウイルスを媒介しているヘビが町に大量に潜んでいるんです。なので、動物パニック映画のような雰囲気も多少あるんですよね。
途中に、町から脱出しようとする輩の乗った車を、軍のヘリが攻撃するという『アウトブレイク』でお馴染みのシーンが出てくるんですが、ここでのアクションシーンが他の映画の爆破シーンからの流用になってます。
多分、映画に迫力を持たせる為に入れられたシーンだと思うんですが、今までの映画の感じとは明らかに予算のかかり方の違う爆破シーンを出されると、逆にシラケてしまいますね。それに、ストーリーの流れ的にも、無くてもいいシーンでしたし。
ストーリーも、元がいいので面白いですし、監督の演出も悪く無いです。でも、終盤までテンションが持続しない感じがするのは、多分、こういう邪魔なシーンが入ってるせいなんでしょうねぇ。あと、展開がちょっと遅いというのもあるかもしれません。
そういったマイナス面をカバーするのが、主演のトリート・ウィリアムズの存在です。ワクチンを作るためにヘビを一人で捕らえに行くという、とっても頼もしいシーンがあり、これは『アウトブレイク』には無い、この映画ならではの見せ場になってましたね。
地下の狭い通路に降り立ち、蛇を2匹ほど捕らえて麻袋に入れ、さあ帰るかと後ろを振り返ると、なんとさっきまでは一匹もいなかったはずなのに、通路に大量の蛇が溢れているんです。ちなみに、このヘビは生物兵器として使う為に軍が遺伝子操作で作ったヘビです。普通のヘビよりも攻撃性が高く、しかもかまれると大変なウイルスに感染してしまいます。まさに、絶対の危機!
「いったい、このピンチをトリートはどうやってくぐり抜けるんだろう」とドキドキしながら見ていたら、何と!「ヘビを踏まないようにしながら、歩いて進む」という方法で切り抜けてしまいました!
凄ぇ!そのまんまだ!超正攻法だ!!(爆笑)
さすがトリート・ウィリアムズ、伊達に『ザ・グリード』の主役はやってないです(笑)。
しかも、歩きながらヘビに「さあ、何もしないから通してくれよ」などと話しかけながらです。それでも通りづらい時は「ここから出してくれたら、もうお前達をベルトにも財布にもしない。約束するよ」と、少し長いセリフを言って通って行きます。
いやぁ、何て素晴らしいシーンなんでしょう。私も凶暴な毒ヘビに囲まれる機会があったら、こうやって切り抜けよう。