ファイナル・デッドブリッジ(ネタバレ感想)
ラストの、死の運命を回避した(と思っていた)主人公を待ち受ける最後の悲劇には、「おお、そう来るか!」と興奮しましたね。「パリに行く」というのが、「1作目の飛行機の行き先と同じ」という伏線だったとは。黒人のあんちゃんを待っていた運命も洒落てましたし、実にいいラストでした。
ただ、その後に出てきた、シリーズダイジェスト映像(“DIEジェスト”とでも言うのか)は、『4』のネタバレを見てしまうわ、「これで完結なの?」という不安を感じてしまうわと、個人的にはちょっと不要な演出だったかなと思いましたね。ファンへのサービスショットだというのは分かるんですが。
と言うか、本当にこれで終わりなんでしょうかね。『1』に戻るというラストもそれっぽいですし。どうやら、続編製作の噂はあるみたいなんですけど、ここまで来たら、最低でも7作は続けて『ソウ』と並んで欲しいところです。何なら、11作までいって『13金』と並んでしまっても、私は一向に構わなくってよ。シチュエーションさえ変えるだけでもまだまだ飽きずに見ていられそうなシリーズですしね(「死の運命の正体!」とか「全ての起源が明かされる!」みたいな方向には行かずに、このまま同じ内容で突き進んで欲しいです)。
シチュエーション、と言うか、死に様に関して、今回の中で一番良かったのは、「体操競技中の事故」のシーンでしたね。あの「メキョッ!」という感じもいいですけど、その後の、周りの人の反応で「おい触るな!救急車を呼べ!」みたいなのが何か凄く怖くて面白かったです。もう、どう見ても助からないような状態になってるのに、「いや、もしかしたら・・・」みたいな感じでの「触るな」と「救急車を呼べ」なんですよね、きっと。
このシーンを見て、主要キャラ死亡後の、周囲のリアクションで面白さを出すみたいな演出もアリなんじゃないかな、なんて事を思ったものでした。
ついでに、今回の中で「一番怖かったシーン」は、やっぱりこの体操競技のシーンでの、「逆さまに設置された釘」でした。いや、さすがにあれが凶器にはならないだろうとは思いましたけど、でも、どんな恐ろしい凶器よりも、痛々しいですよね。痛みがリアルに想像出来るせいだからなのか。
と、この体操のシーンは色々と盛り上がりの多い場面でした。ここと、冒頭の橋崩落のアクションシーンだけでも、今作を「1作目に次いで傑作」と言ってしまっていいと思います(巷では『2』が大評判なんですが、何故か、私はあんまり好きじゃないんですよね)。
ところで、この映画の時代設定は、1作目のちょい前という事で、約10年ほど前になってるわけなんですよね。で、ラストで時代設定が明かされてから思い返してみると、劇中に色々と伏線があって、決して、とって付けたどんでん返しというわけではないというのが面白いです。
例えば、針治療で死んだ奴が、あのキャラクター的には絶対ケータイではなく、スマートフォンを使ってるはずなのに、どこか一昔前な感のあるケータイを使っていた所とか。あと、トニー・トッドの職業が違うというのもそうですよね。最初見た時は転職したのかと思ったんですが、考えてみたら、葬儀屋から検死官にはなれないですよね、きっと。逆に、元検死官が葬儀屋に転職というのはありそうな気がしますし。
もしかしたらこの映画、真相を知ってからもう一度見たら新たな発見があるという、『シックス・センス』系の面白さもありそうですね。
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