ネクスト(ネタバレ感想)

「2分先までしか読めない」という能力で、どこにあるのかも分からない核爆弾をどうやって探し、核爆発をどう阻止するのか、という点ですが、結局、阻止出来なかったという驚きの展開を見せてきました。
さらに、まるで夢オチよろしく、その失敗したのが「未来を読んでいた時の映像だった」という事で、中盤のモーテルのシーンまで戻る事となります。
これが、結構賛否ありそうな展開でしたね。ほぼ禁じ手に近いと言うのか。でも、実は私はこのラストの展開は、ある程度納得いったんですよね。これは、「2分ルールが破られた」のではなく、「能力のパワーアップ」じゃないかと思ったからです。主人公の超能力がクライマックスでパワーアップするというのは、よくある展開じゃないですか。
で、そのパワーアップのきっかけとなったのが、主人公ニコラスにとっての“運命の女”であるところの、ジェシカ・ビールと合体(笑)したからなんじゃないだろうかと。
まず、この人に関しては、出会う前から、2分先という制限もなく先を読む事が出来ていたんですよね。だから、ただの運命の人という役割のヒロインではなく、何か、能力に関係してる設定があると思うんです。
ニコラスは女性として惹かれたと思っているようでしたが、実は、自分の持ってる能力が引きつけているんじゃないのだろうかと(能力のさらなるパワーアップの為に、無意識下で)。
で、もはや2分先どころではなく、無制限なのかある程度制限はあるのか、かなり先まで読む事が出来るようになり、ベッドの中でふと気付いたら、自分が核爆発阻止を失敗した時まで読んでいた、という展開だったんじゃないかと思うんです。クライマックスで失敗した後に戻った箇所というのがモーテルのあの場面だったというのは、この説を裏付けているように思えるのだが、どうだろう。
その後、映画は「結局、核爆発は阻止出来るのか?」というのが分からないまま、途中で終わってしまうんですが、これも、能力があそこまでパワーアップしてしまった以上、阻止出来るに決まってるわけで、これ以上はサスペンス的な盛り上がりも皆無になるので、映画はここで終わりにした、という事なんじゃないだろうか。

と言うわけで、私は見終わった後にモヤモヤが残る事もありませんでした。解釈が間違っていて、結局、「ただ単に脚本が狂ってるだけの映画だった」という可能性もあるかと思いますが、まあ、その時はその時で(そもそも、原作ではどうなってるんだろう)。
それに、終盤の銃撃戦で、ニコラスの能力の範囲外で隊員がバタバタ死んでましたけど、あの人達もこれで死なずに済んだわけで、何か「良かったなぁ」とか思ってしまいました。


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