それにしても、やっぱりラストがハッピーエンドで終わる映画はいいですねぇ。鑑賞後、非常に気持ちが良かったです。特に、クライマックスの後、ジェリーの生死を不明のまましばらく引っ張っていった演出は心憎かったですね。「やっぱり生きていた!」というのが分かった瞬間は思わず拍手したくなりましたよ。
あと、劇中でクライマックスが一番盛り上がっていたというのも良かったです。トンネルでは凄いのに襲われましたし。あの場面が一番「SFっぽさ」を感じた所だったんですけど、あの無人戦闘機って、何か実際にあるらしいですね。ほんとかよとか思ってしまうんですが。
で、ここでビリー・ボブが見せた自己犠牲精神には感動しましたね。カッコいいですよねぇ、ああいう散り方は。そして、そんなビリー・ボブや兄の遺志を背負ったジェリーの後の活躍にも心を揺さぶられたものでした。テロと間違われて自分が撃たれるのを覚悟で突入して、演奏を中断させる為に天井に向けて発砲する姿は実に凛々しかったです。
さて。この映画の黒幕の正体は、いわゆる“AI”でした。確かに、あまり珍しさは無い正体ですが、これまでこの敵がやってきた事を考えると、むしろ一番納得のいく正体なんじゃないかと思います。
それに、これまでこの手の「人類に反旗を翻すコンピューター」というのは、「SF映画」もしくは「近未来SF映画」で主に出てきていたんですが、それがついに、現代を舞台とした映画に出てくるようになったわけですよ。もうそんな時代になったんですねぇ。
しかも、現代の世に「AIの黒幕」というのが出てきたのを見ても、さほど“SFっぽい”というような事を思わなかったんですよね(むしろ、小型無人戦闘機の方にSFっぽさを感じてしまいましたし・笑)。何しろ、やってる事自体は『エネミー・オブ・アメリカ』や『ダイハード4』の敵とあまり変わってないですしね。もちろん、全体的にさらに緻密にはなりましたけど(ちなみに、最後に主人公を葬る手段として使ったのが「戦闘機を送り込む」というのも『ダイハード4』と一緒でしたね)。
もう「AIに襲われる」というのが絵空事と思えない時代になってきてるわけですよ。これは、もちろん怖い事ですけど、そのテクロノジーの進歩ぶりには、同時に「凄い!」とも思えてしまいますね。
ところで、どんなアホでも理解出来るような分かり易さのある映画でしたが、最後、国歌のどの辺りまで進んだら爆破が起こるのかというのを、楽譜を使った映像で見せてきてくれたのには驚きましたね。「どこまで懇切丁寧なんだよ」と(笑)。