1408号室(ネタバレ感想)

1408号室で起こったのは結局何だったのか。
という件ですが、私は「もしかしたら、現実的な説明がつけられやしないだろうか」というのを考えながら見ていたんで、「幻覚説」というのを支持したいですね。
では、何で幻覚を見てしまうのかという事ですけど、「サミュLが薬を盛ったから」、、、というわけではないんでしょうね、さすがに(笑)。確かに、少々怪しい雰囲気の人物でしたけど。冷蔵庫の中にミニチュア化して入ってたりしましたからね(そこは確実に幻覚のシーンでしたけど)。
多分、幻覚作用を起こさせる胞子を撒くキノコか何かがどこかにひっそり生えてただとか(もしくはカビでも菌でもいいんですが)、そういうような理由があるんじゃないかと思うんですよね。だから、防護服を着てあの部屋に入れば、多分、何も起こらないんじゃないかと思います。
そして、あの部屋で死んだ人に対して、きちんと解剖して、色々な検査をしたら、何かの物質が検出されたはずだと、私は強く思うわけですよ。きっと、スカリーもこの説に賛同してくれるものと思います(あと、CSIのメンバー辺りも)。それに、あの部屋で出てきたのが、主人公の父親とか娘とか、支配人所蔵のアルバムで見た人達とか、溺れる体験とか、全部、主人公の知識内のものだというのもこの説を裏付けてやしないだろうか。
ただ、エアコンの故障とかラジオの故障なんかは、幻覚でも超常現象でもなく、実際に壊れてるんじゃないかと思います。電磁波か何かの都合で機械類が壊れやすい部屋とか、実際にありそうじゃないですか。
と、そういうような事を思いながら見ていたんですけど、時々、幻覚を見てるシーンは、ちゃんとそれと分かるように演出する場面とか入れてきてるんですよね(サミュLが冷蔵庫に入ってたシーンもそうでしたし)。なので、そういう演出の無い場面は現実に起こってしまってるものだとつい思ってしまい、「これは、幻覚とか超常現象なんてレベルの話じゃない!もっととんでもない事が起こっているのだ!」と恐怖してしまう事もしばしばでしたねぇ。結局、監督の思うように踊らされてるだけみたいじゃないですか。まあ、こちらも楽しく踊ってるからいいんですけど。
で、1時間経過後、またスタートに戻された辺りでは、「死ぬまでループするのか・・・」と戦慄してしまいましたよ。幻覚説はどこ行ったんだ(笑)。
途中からはもう、何が本当で何が本当じゃないのか、どうすればいいのか、生き残る方法はあるのか、などが見てて全く分からなくなってしまいました。でも、この見てて混乱するぐらい異常な状況がスクリーンで起こっているというのがまた面白いんですよねぇ。怖いと同時にワクワクしてきます。

結局、助かる方法は「部屋に火を放つ」というのがどうやら正解だったらしいですね。そして、もしここが本物の邪悪の部屋なら、火を消す事ぐらい出来そうなものですし、やはり、幻覚症状を起こす何かが部屋に充満していたただの部屋だったという事なのでしょう(で、それも燃えてしまったのでもう安全と)。
と思ったら、最後の最後で、テープレコーダーに、幻覚の中で聞いていたはずの娘の声が録音されていたなんてのが出てきてしまいました。これは、「あの部屋で起こっていた事は全て現実だった」という事の証拠とも言えますが、あるいは、まだ幻覚の世界が続いてて、次の瞬間にはまたあの部屋に戻って、スタートからやり直し、という事なのかもしれません。
でも、幻覚説をとっていた私ですが、ここまで幻覚の中という事になるとさすがにしつこいし飽きてくるんで(何だその理由)、このラストを見て「幻覚だけでなく、あの部屋では実際に説明のつかない事態も起こっていた」と解釈してしまいました。その方が、「映画の終わり方」として夢がありますしね。
と、色々な回り道をしながら見ていたんですが、多分、普通に見てても、この結論に辿り着くもののような気がします(笑)。

ところで、部屋に掛かっている絵が、後に怖い絵に変化しているのに主人公が気付く、というシーンがありましたけど、あれって、主人公が気付くよりも結構前の段階から変化してましたよね。主人公が気付くまで大写しにならなかったんで、もしかしたら見間違いか気のせいなのかもしれないんですけど、ふと気付いたら、背景の絵が何か怖い感じに変化してるように見えたんです。これに気付いた時は結構ビビりましたね。いや、ここは絶対後に絵柄が変化したりとかしそうだなと予想はしていたんですけど、主張をしてこなかった所に逆に驚かされました。で、主人公が気付く所で「ああ、やっぱり!」と。いやぁ、これはいい演出でしたね(気のせいだったらどうしよう)。


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