シェルター(ネタバレ感想)

この映画で起こった超常現象。それは、言ってみれば「呪い」の類のものなんですよね。
村の呪い師みたいな老女が、怪しい神霊療法か何かで人を騙していた牧師に対して、「口に泥を詰め、背中に文様を刻み込む」という形で呪いをかけて殺し、それから幾年かが過ぎ、この牧師が現世に蘇ったのか何かして、呪いを振りまいていた、というお話のようでした。
そして、「では、この呪いを解くにはどうすればいいのか」という事に主人公が奔走するという展開になるわけですけど、これは、Jホラーのハリウッドリメイク系の映画と同じ流れなんですよね。呪いの根源である牧師のエピソードが語られた時は「あぁ、こっち系統の話だったのか」と思ったものでした。
先の、バレ無し感想の方でも書いたように、確かに、ちょっと飽き気味の話ではあるんですけど、そこに行き着くまでの展開というのが、「まさか、ここに落ち着くとは思いもしなかった」というようなものなので、意外性があって面白かったですね。

さて。今回の呪いの厄介な所は、「信仰を持っていない人間に降りかかる」という所です。
逆に、主人公のように、信仰心さえ持っていれば恐れるにたりない呪いではあるんですけど、「神を信じない者に死を」というのは、別の意味で恐ろしいです。これまでは「信じる者は救われる=信じない者は救われない」という段階でしたけど、この映画ではいよいよ「信じない者は殺す」まで来てしまったんですよねぇ。もう、「神、怖ぇ〜!」といった感じです。
いや、別に、神の側が、自分を信じない者を殺して回ってるというわけではないんで、本来なら、信仰心のある者が呪いにかからない事について、「神の力によって守られている」と思わなければいけないところだと思うんですけど、でも、結局コイツは、信じない者を見捨ててるという事になるわけですよね。かと言って、信じている者に対して起こしてあげる奇跡というのが「呪いから守ってやる」のみという辺り、「何でそんな中途半端な能力の奴を崇め奉らないとならないのか」となるわけですよ。そういう面でも、今回の呪いは厄介な代物と言えそうですねぇ。


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