第9地区(ネタバレ感想)

巷では『アバター』と比較して、「同じようなテーマを扱っているが、『第9地区』の方がよっぽど良く出来ている」と評されている事が多いようです。
アンチ・キャメロンの私としても、「『第9地区』の方が全然面白い」と言いたいところですけど、これがまた困った事に、個人的には『アバター』の方が面白かったんですよね。
いや、『アバター』の方が面白いと言うより、『第9地区』の方が燃え足りなかった、と言うべきかもしれません。
クライマックスのアクションにあまり燃えられなかった、という理由は、バレ無しの方の感想で書きましたけど、この「クライマックスで興奮しきれない」というのは『アバター』の方にもあった現象でした(理由は少し違いますけど)。

では、この2作の何が違うのかと言うと、「主人公に対する好感度」ですよ。この『第9地区』の主役がまた、本来なら主役の立場に来てはいけないような奴なんですよね。
まあ、本来は「そこが面白い所だ」と思わなければいけないんですけど、どうも、こいつの主人公にあるまじき身勝手さが、見ててイライラしてしょうがなかったんですよね。
特に、クリストファーに対する態度がもう、イライラどころか、ムカついてくるぐらいでしたよ。結局、最後の最後になるまで、積極的に助けようとしなかったですからね。ここでコイツがもっとクリストファーに対して親身になって接していてやれば、3年後を描いた続編、『第10地区』において、クリストファーが仲間を引き連れて戻ってきた際、「戦争をしかけられる」みたいな事態は避けられたに違いないと思うんですよ。いや、そんな続編があるかどうかは分からないですけどね。


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