※星マークの評価ポイントは、星の数により、5点段階評価と3段階評価の2種類があり、合計点は最高で35点満点となります。
守護神 <The Guardian>

◎満足度 ★★★★☆
(見終わった後にどれだけ満足感が残ったか)
◎評価度 ★★★☆☆
(そのジャンルの映画としてどれだけいい出来だと思うかを主観、客観両面から評価)
◎感情度 ★★★☆☆
(笑い、泣き、興奮、恐怖など、見ていて何かしら感情を揺さぶられたかどうか)
◎CAST度 ★★★★☆
(個人的に、キャスティングに満足いったかどうか)
◎監督度 ★★☆
(監督の演出が個人的に良かったかどうか)
◎音楽度 ★★☆
(音楽がどれだけ印象的だったか)
◎期待度 ★★☆
(見る前の期待にどれだけ応えてもらえたか)
◎体感時間度 ★★☆
(実際の上映時間より長く感じたか、短く感じたか。短く感じられた方が高得点)
◎リピート度 ★★☆
(今後、何回も見たいと思えたかどうか)
合計 24点
<個人的感想>
何よりも、久々の「ケビン・コスナー主演の大作映画」という事で期待していた映画ですが、この点はまさに期待通りでしたね。歳とって爽やかさが無くなりましたが、代わりにシブさが増えていましたね。そして、大スターとしてのスクリーンでの輝きっぷりは相変わらずでした。いや、正直、ちょっと衰えも感じられたんですが(爆)、「スターを見に来た」という私のミーハー的欲求には十分応えてくれましたよ。
一方、共演の若手スターのアシュトン・カッチャーも良かったですね。この人の姿を見るのは『バタフライ・エフェクト』以来2度目ですけど、髭面だった『バタフライ〜』の時と比べて、非常に爽やかな好青年といった印象でしたね。
この新旧2大スターの共演も見どころでしたが、面白い事に、当初は「コスナーが主演で、カッチャーが助演」というポジションだったのが、話が進むにつれて、これが逆になっていくんですよね。
ストーリーは、ベテランの救難士であるコスナーが、新人のカッチャーを鍛え上げるというものですが、話が進むにつれて、コスナー中心だったのが、段々とカッチャー中心のストーリーになっていって、終盤、カッチャーが学校を卒業し、救難士として仕事につく頃には、もうコスナーが脇役みたいな感じになってるんですよ(上で「ちょっと衰えも感じた」と書きましたが、こういう、一歩引いた立場にいた為にそう見えてしまったのかもしれません)。
ストーリーのおおまかな流れは、これまでのこの手の映画(ベテランの教官が、若者を鍛え上げつつも、二人の間の精神的交流が語られる、みたいなストーリーの映画)のセオリー通りみたいな感じなんですが、主役と脇役の関係が変わっていく(少なくとも、私にはそう見えた)というのは珍しいし、面白いですね。
あと、この映画を見て強く思ったのは、「やっぱり、人命救助をする人達はカッコいい」という事ですね。自分の命の危険も顧みず、見ず知らずの他人の命を救おうとする姿は実に感動的です。憧れてしまいますね。
これまで、消防士が活躍する映画は見た事がありましたが、今回は“火”ではなく、“水”を相手にする、レスキュー・スイマーが主役です。いわゆる沿岸警備隊ですが、この人達の活躍する様を映画なりドラマなりで見たという記憶があまり無いので、この点はかなり新鮮でしたね(日本の映画なりドラマなりでは出ていたようですが)。養成学校での訓練の様子も興味深かったです。
幸せのちから <The Pursuit of Happyness>

◎満足度 ★★★★☆
(見終わった後にどれだけ満足感が残ったか)
◎評価度 ★★★★☆
(そのジャンルの映画としてどれだけいい出来だと思うかを主観、客観両面から評価)
◎感情度 ★★★★☆
(笑い、泣き、興奮、恐怖など、見ていて何かしら感情を揺さぶられたかどうか)
◎CAST度 ★★★☆☆
(個人的に、キャスティングに満足いったかどうか)
◎監督度 ★★☆
(監督の演出が個人的に良かったかどうか)
◎音楽度 ★☆☆
(音楽がどれだけ印象的だったか)
◎期待度 ★★☆
(見る前の期待にどれだけ応えてもらえたか)
◎体感時間度 ★★☆
(実際の上映時間より長く感じたか、短く感じたか。短く感じられた方が高得点)
◎リピート度 ★☆☆
(今後、何回も見たいと思えたかどうか)
合計 23点
<個人的感想>
実話を元にした感動ドラマで、貧乏なセールスマンであるオヤジが、一念発起して株屋に転職するというストーリーです。
ただ、この株の仲買人とやらもそう簡単にはなる事が出来ない職業ですし、主人公もただ貧乏なだけではなく、子持ちの貧乏です。見習い期間中は無給なので、セールスの仕事を引き続きやっていかなくてはなりません。さらには、家賃が払えずに家も失って、食うだけで精一杯な超ドン底生活に突入していったりするんです。
もう、あまりに障害が多すぎですよ。これがサクセスストーリー的ストーリーの映画だと分かってなかったら辛すぎて見てられないぐらいです。
そんな中、ウィル・スミス演じる主人公のクリス・ガードナーという人は、めげずに頑張っていくんです。寝る暇も無いぐらいに働き、勉強するという毎日。よく過労死しなかったものです。一人生きていくだけでも大変なのに、子供を連れているというのはまたハードですよ。むしろ、子供がいない方がある程度は楽になっていたんじゃないかとも思うんですが、あの底知れないガッツを生み出す原動力となっていたのが、子供の存在だったりするんでしょうねぇ。
サクセスストーリー物の映画では、時に、主人公が元々持っていた才能やら誰かの助けなどで成功を掴むというケースがあったりしますが、この映画の場合、才能だけではなく、努力に努力を重ね、完全に自分の手で成功を掴み取ろうとするんですよね。もはや私のような凡人では到底真似できない領域に達していますが、その必死に頑張る姿からは見てて大きな勇気を貰えますね。
ストーリー展開は、淡々としているようでもあり、起伏に富んでいるようでもあるという雰囲気の流れを見せていました。本来なら相当辛いはずのシーンであっても、その辛さをあまり深刻に感じられないように演出されていたり、また、超感動的なシーンでも、極力感動を抑えるような演出がなされていたりと、全体的に、なんと言うか、上品な感じがしましたね。観客の感情をあざとく揺さぶってこないんです。この「静かに感動出来る」という雰囲気は中々いいですね。「さあ、泣け!」的な演出をやられると、逆に醒める事があったりしますし。
このように、監督の演出も良かったんですが、それよりもさらに良かったのは、主演のウィル・スミスの演技ですよ。正直、ここまで演技力のある人だとは思ってませんでした(アクション演技力があるのは知っていたんですが)。こういう、“演技”が重要視される映画はまだ『ALI』に続いて2本目だと思うんですが、もうほとんどベテラン演技派俳優みたいに見えましたからね。大したものです。製作も兼任していたり、実の息子を息子役に引っ張り出してきたりと、この映画にかける気合は相当なものがあったんでしょうね。
ディパーテッド <The Departed>

◎満足度 ★★☆☆☆
(見終わった後にどれだけ満足感が残ったか)
◎評価度 ★★★☆☆
(そのジャンルの映画としてどれだけいい出来だと思うかを主観、客観両面から評価)
◎感情度 ★★★★☆
(笑い、泣き、興奮、恐怖など、見ていて何かしら感情を揺さぶられたかどうか)
◎CAST度 ★★★★★
(個人的に、キャスティングに満足いったかどうか)
◎監督度 ★☆☆
(監督の演出が個人的に良かったかどうか)
◎音楽度 ★☆☆
(音楽がどれだけ印象的だったか)
◎期待度 ★☆☆
(見る前の期待にどれだけ応えてもらえたか)
◎体感時間度 ★★☆
(実際の上映時間より長く感じたか、短く感じたか。短く感じられた方が高得点)
◎リピート度 ★☆☆
(今後、何回も見たいと思えたかどうか)
合計 20点
<個人的感想>
前に見た『ラッキーナンバー7』同様、豪華キャストがウリの一つとなってる映画ですが、あちらが大スター一人が光り輝く結果になって、豪華キャストを集めた意味があまりなかったのに比べ、こちらは主役から脇役に至るまで全員が活躍してるように見えましたね。もう、豪華スターのフルコースみたいな感じでしたよ。映画ファンにとってはこれだけでもうお腹いっぱいですね。
ただ。個人的に、ラストの展開が気に入らないものだったんで、食後に食中りを起こしたみたいな状況になってしまいましたよ。
最終的に、死体の山が築かれて終わるという、“死体オチ”なんですけど(どんなオチだ・笑)、これがホラー映画で出て来るんなら私も大喜びで見てられるんですが、潜入捜査物のドラマ映画でやられると参ってしまいますね。
主役のディカプリオとマット・デイモンが、それぞれ、「マフィアに潜入した刑事」と「警察に潜入したマフィア」という役を演じてるわけですが、そのストーリーの性質上、見ていて「どちらかが死ななければ終われないな」と思うわけですよ。
でも、どちらも主役として生い立ちから性格までしっかり語られてきているキャラだけに、もう、どちらにも生き残って欲しいと思ってしまうんですよね。でも、「潜入」という仕事は、そんな生ぬるい話ではないわけですよ。
多分、この辺りの「“非常な現実”というのを見せ切った」というのがこの映画の面白い所であり凄い所なんだと思います。でも、見終わって、「このストーリーを見て、一体、何を感じればいいんだ」と思ってしまうんですよね。これは『ユナイテッド93』を見た時も感じた事なんですが、やはり、私は基本的にエンターテイメント映画が好きなんで、絵に描いたようなハッピーエンドをどうしても求めてしまうんですよねぇ。
一応、悲劇的な結末になったとしても、私が好きな映画というのはいくつかあるんですが、この『ディパーテッド』には納得がいかなかったですね。ホラー映画好きが言うのもなんですが、「人の命というものを軽視し過ぎてる」とか思ってしまいました。
ストーリーは気に入りませんでしたが、そのストーリーを体現する俳優陣の名演は素直に凄いと思いましたね。ディカプリオやマット・デイモンはもちろん、マーク・ウォールバーグもジャック・ニコルソンもマーティン・シーンもアレック・ボールドウィンも皆見応えのある演技合戦を見せてくれました。
そして、潜入してる事がバレるかバレないかという、見てて胃が痛くなってくるような緊張感溢れる展開も良かったです。お互いに潜入してる奴を探そうとする所とか、サスペンス面は非常に見応えがありましたね。
何しろ、かの名匠マーティン・スコセッシが監督してるんですから、よく出来た映画になってるに決まってるんです(個人的にはこの人の映画はほとんど見てないんでよく分からないんですが・笑)。
で、いい映画だと認めたうえで、「私にとっては、あまり好きじゃない映画」、という結論ですね。2回目見ればまた印象も変わってくるかもしれませんが、しばらくは「もう一回見たい」という気も起きそうにないですねぇ。
(ネタバレ感想有り)←読みたい人はクリックしてください
ラッキーナンバー7 <LUCKY NUMBER SLEVIN>

◎満足度 ★★★★☆
(見終わった後にどれだけ満足感が残ったか)
◎評価度 ★★★☆☆
(そのジャンルの映画としてどれだけいい出来だと思うかを主観、客観両面から評価)
◎感情度 ★★☆☆☆
(笑い、泣き、興奮、恐怖など、見ていて何かしら感情を揺さぶられたかどうか)
◎CAST度 ★★★★★
(個人的に、キャスティングに満足いったかどうか)
◎監督度 ★☆☆
(監督の演出が個人的に良かったかどうか)
◎音楽度 ★☆☆
(音楽がどれだけ印象的だったか)
◎期待度 ★★☆
(見る前の期待にどれだけ応えてもらえたか)
◎体感時間度 ★★☆
(実際の上映時間より長く感じたか、短く感じたか。短く感じられた方が高得点)
◎リピート度 ★★☆
(今後、何回も見たいと思えたかどうか)
合計 22点
<個人的感想>
まるで『オーシャンズ』シリーズのような、豪華キャストの揃ったクライム系の映画です。前半では、ノリもどことなく似たような感じでしたね(監督の演出は全く違うんですが)。
主人公を演じるジョシュ・ハートネットが、また見てて笑ってしまうぐらいの運の無い男で、「何かツイてないな」と思ってるうちに、モーガン・フリーマンやベン・キングスレー演じるマフィアのボスの前に人違いで連れて行かれる事となるんです。
そんな主役の設定のせいか、まるでコメディ映画のようないい意味での軽さがストーリーに漂っていたんですが、それが後半からは一転して重く暗い感じの展開となっていきます。いわゆる、サプライズな展開を見せてくるわけですね。
ただ、注意して見てないと見抜けない、というレベルのサプライズではなく、勘のいい人なら充分予想出来る範囲内と思われる展開です。そのせいか、ネタばらしがクライマックスではなく、終盤に入ったぐらいの所で早くも出てきてましたからね。
その、ストーリーが急展開する辺りがこの映画の面白い所だと思うんですが、驚きが無い分、盛り上がりには少々欠けてたようにも思えましたね。ネタ自体、特に新鮮というものでもないお話ですし。
と言う訳でストーリーにあまり面白味を感じられなかったんですが、見終わってみてから「まてよ」と思い直しました。
他の映画で似たようなのを見て新鮮じゃないから面白くない、と言う事は、私は映画を多く見る事で他の映画を面白く見る能力をなくしてしまってるという事なのだろうか、と。映画は「楽しむ為」に見てるはずなのに、他の映画の知識が邪魔して新作映画を楽しめない、というのはちょっとおかしな話です。
実際、この映画を見て「面白いストーリーの映画だった」と思った人もいるというのに、何故私にそういう見方が出来なかったのか、というのが何とも悔しく思えてきてしまいましたね。
何だか、自分の、映画に対する姿勢というものを改めて考えさせられるきっかけをこの映画に与えられたような気がしますね。思えば、同じ日に見た『沈黙の奪還』の感想は愚痴ばかりでしたからねぇ。どうやら、私は自分の理想とする映画ファン像から離れた方向に進んでいるような気になってきました。
この点に気づかせてくれただけでも、私はこの『ラッキーナンバー7』という映画を見て良かったな、なんて事を思うのでした。
ですが、そんな小難しい事を考えなくても、この映画には一つ、素晴らしい点があったんです。最初っからそこだけを書けば良かったのかもしれません(笑)。
それはですね、謎の殺し屋を演じたブルース・ウィリスが、もう凄くいいんですよ。演技とか存在感とか、その全てが。以前の『ジャッカル』での殺し屋役には少々ガッカリだったんですが(凄腕の殺し屋にどうしても見えませんでした)、今回はもう、見るからに最強のヒットマンな雰囲気バリバリでしたね。まさに全弾発射。それはどういう意味だと言われても、雰囲気で言っただけだとしか言えませんが。
この映画には他にもモーガン・フリーマンやらベン・キングスレーやらスタンリー・トゥッチといった演技派の面々が出てるんですが、もうそういった人達とは別の次元にいるような凄みが、この映画のブルース・ウィリスから感じられるんですよね。これこそ、演技派俳優では出す事の出来ない、「スターのオーラ」というやつなのでしょうな。
ただ、ウィリス演じる殺し屋の「動機」に関して分からない所があるんですよね。「何でそんな事をしたのか?」という、心の動き的なものが全く描かれてないんです。でも、この何を考えてるのか分からない「謎」な雰囲気がまた魅力的なんですよね。何でああいう行動をとったのか、その背景について色々と想像したくなってきます。
映画には、「重要だけど、語らない方が効果的な事」というのもあるんですね。う〜む、奥が深い。
沈黙の奪還 <Shadow Man>

◎満足度 ★★★☆☆
(見終わった後にどれだけ満足感が残ったか)
◎評価度 ★★☆☆☆
(そのジャンルの映画としてどれだけいい出来だと思うかを主観、客観両面から評価)
◎感情度 ★★☆☆☆
(笑い、泣き、興奮、恐怖など、見ていて何かしら感情を揺さぶられたかどうか)
◎CAST度 ★★★☆☆
(個人的に、キャスティングに満足いったかどうか)
◎監督度 ☆☆☆
(監督の演出が個人的に良かったかどうか)
◎音楽度 ★☆☆
(音楽がどれだけ印象的だったか)
◎期待度 ★☆☆
(見る前の期待にどれだけ応えてもらえたか)
◎体感時間度 ★☆☆
(実際の上映時間より長く感じたか、短く感じたか。短く感じられた方が高得点)
◎リピート度 ★★☆
(今後、何回も見たいと思えたかどうか)
合計 15点
<個人的感想>
とりあえず、前作『沈黙の傭兵』と比べたら、きちんとまとまった、ちゃんとした映画になっていました。ですが、まあ、地味でしたね。
過去のセガール映画の中でも、『沈黙の陰謀』とか『一撃』とか、地味目な映画はありました。でも、どちらも個人的には好きな映画です。「地味=つまらない」というわけではありませんからね。その映画ならではの面白さというのがしっかりと感じられました。
ですが、困った事に、この『沈黙の奪還』にはそれが無いんですよね。ただ単に地味、悪い意味で地味、という感じで。
一応、アクションシーンは定期的に入ってきますし、映し方もそこそこ派手な演出がなされていたりはするんです。でも、画面が全体的に暗かったり、ストーリー自体がどことなく暗かったり、ぶっちゃけた話、ほとんど盛り上がりに欠ける展開だったりというのが合わさって、もう、一アクション映画として有り得ないぐらいの地味さが出てしまったんですよね。
また、劇中に何度か「主役がセガール以外だったら、絶対こういう展開にはならなかっただろうな」と思うような、セガール映画ならではのシーンというのは出てくるんです。例えば、銃をつきつけられたのに、その銃を一瞬で奪い返してしまったりだとか、部屋にトラップを仕掛けたりだとかですね。中には「おお、さすがセガールだ!」と思うようなシーンもちょこちょことありました。
でも、「セガール拳で大暴れ!」という、一番見たい箇所がほとんど出て来ないんですよね。結局、大立ち回りを演じたのは一回ぐらいでしたかね。一応、セガールは行く先々で暴れては人を殺したりするんですけど、格闘はあまり見せてくれないんです。それに、そんなに悪くないような人もどんどん殺しますし。まさにヤリ過ぎ。どうも、最近、スクリーンの中でも外でもセガールが凶暴&凶悪化してるような気がしてなりませんね。
と言う訳で、全体的に「どこを褒めたらいいのか分からない」というような、微妙な内容の映画になってしまってました。普通に盛り上がるシーンもあるものの、地味なシーンの方が長いんですよね。で、結局、全体的に地味だった、という印象になってしまったんでしょうね。
そんな中、「これは素晴らしい!」思ったシーンもありました。それは、前半の、セガールが屋敷の一室に閉じ込められるシーンです。ここでセガールが部屋の中にある物を使って罠をこしらえたりするんですが、ついでに、銃のような武器を製造してしまうんです。部屋の中の物で銃を作ってしまうとは驚きましたね。まさにDIY。本当に作れるかどうかは関係無く、プロの技にうならされた名シーンでした。
リトル・ミス・サンシャイン <Little Miss Sunshine>

◎満足度 ★★★★★
(見終わった後にどれだけ満足感が残ったか)
◎評価度 ★★★★★
(そのジャンルの映画としてどれだけいい出来だと思うかを主観、客観両面から評価)
◎感情度 ★★★★☆
(笑い、泣き、興奮、恐怖など、見ていて何かしら感情を揺さぶられたかどうか)
◎CAST度 ★★★☆☆
(個人的に、キャスティングに満足いったかどうか)
◎監督度 ★★☆
(監督の演出が個人的に良かったかどうか)
◎音楽度 ★☆☆
(音楽がどれだけ印象的だったか)
◎期待度 ★★★
(見る前の期待にどれだけ応えてもらえたか)
◎体感時間度 ★★☆
(実際の上映時間より長く感じたか、短く感じたか。短く感じられた方が高得点)
◎リピート度 ★★☆
(今後、何回も見たいと思えたかどうか)
合計 27点
<個人的感想>
全米で地味にヒットし、映画ファンや批評家のウケも良好、いう事で多少気になっていた映画でしたが、いやぁ、ここまで面白い映画だったとは。だいたい、「映画ファンや批評家にウケがいい映画」というのは、私にとって大して面白くない映画が多いんですが、これは珍しく私的には大ヒットでしたね。
まず、ストーリーが面白いんですよ。ロードムービーで、まとまりの無かった家族が旅を続けて行くうちにまとまっていく、的なドラマが語られたりするわけですけど、その語り口が「コメディ調」というのがいいですね。笑えるシーンも多く、ストーリーを追って見て行て全然飽きないんです。
家族の面々もそれぞれかなり個性的で、それぞれが「もし家族という間柄として出会ってなければ、知り合いにすらならなかっただろうな」と思うようなまとまりの無さです。
でも、個人的に、そういう家族の関係ってあまり珍しいとは思えないんですよね。悪い意味ではなくて。
「個性的」と言っても、この程度の個性ならどこにでもありそうに思えます。一見、全てが誇張されて描かれた家族といった感じですが、実はかなり現実味がある一家じゃないかと私には思えたんですよね。なので、その家族のドラマというのが、かなり日常な雰囲気がするんです。そういう、身近で親近感の覚える雰囲気があるからこそ、そのストーリーがとても興味深く思えるわけですよ。
これは、普通はそうは思わない所だと思うんですが、私にはどうもこの家族が他人とは思えないんですよね。いや、他人ですし似てもいないんですけど、何か近いものが感じられるんですよね。例えば、「サザエさん」や「あたしンち」を見た時に感じる楽しさと同種のものかもしれません。
と言う訳で、私にとって、かなり取っ付きやすい映画でした。この面白いストーリー展開からして、脚本は相当いいものなのでしょうし、監督の演出も、変に凝った所の無い、純粋に物語を楽しめるような、見やすく分かりやすい撮り方がされていました。なので、もう映画を見てるだけで楽しいという、最高の気分を味わえましたね。
家族それぞれが、自分の抱えていた問題に向き合う瞬間が来て、それを何だかんだで乗り越えていきながら、いつしかバラバラだった家族が結束していくという、希望の溢れるストーリー展開は見てて実に心地よかったです。夢があっていいですね。あまり深刻にテーマを語ってこない所も最高です。
この映画を見たのは元旦でしたが、ほんと、正月からいいものを見させてもらえましたよ。
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