個人的評価 33点 (50点満点中)
◎満足度 ★★★★★ (見終わった後にどれだけ満足感が残ったか)
◎肯定度 ★★★☆☆ (この映画をどれぐらい支持したいと思ったか)
◎評価度 ★★☆☆☆ (客観的に評価してみる)
◎おススメ度 ★★☆☆☆ (他の人に勧めても大丈夫そうか)
◎ベッキン度 ★★★★★ (この映画ならではの評価ポイント)
この極寒の地で、美人捜査官が殺人事件の捜査をする、という内容なんですけど、謎解きの面に関する面白さ、興味深さというのは、あんまり無かったような気がしますね。ですが、この舞台設定の面白さと、主人公であるヒロインのトラウマに関するドラマ面は良かったです。
主役のベッキンは、過去のある事件が元で心に傷を負っていまして、そのトラウマと自責の念から、自分からこういう僻地での仕事の任を買って出ているという状況なんです。
それが、今回の事件を解決する事で、自らの心の傷と向き合い、それを乗り越えられるようになるみたいな感じの話になっていくわけなんですけど、実のところ、最後まで見ても、「何でこれでトラウマ克服になったんだろう?」と疑問が湧くような、ちょっと納得のいきかねる所があったんですよね。
でもですね。何と言いますか、、、こういう、「有能っぽい雰囲気を出してる美人さん」が、過去のトラウマに苦しむ姿というのに、ちょっと、グッとくるものがあると言いますか・・・。基本的には気丈なキャラなんですけど、中盤辺りで、優しい言葉をかけられて泣いちゃったりとかするんですよね。こういうのをツンデレとか言うんですかいのう。
あと、この人のこれまでの主演作中(と言っても、3,4作ぐらいしか見てないですけど)、今回が最も美人に見えたんですよね。で、そんな容姿の人が、劇中、結構酷い目に遭うのがねぇ。大きな声じゃ言えないですが、楽しくてしょうがなかったんですよね。実は、こう見えて下衆ですからね、私は。「下衆なんでゲスよ」みたいな。
特に、回想シーンでの「洗面所の鏡に頭を叩きつけられるシーン」は、「巻き戻してもう一回見たい」とか思ったものでした。私が巻き戻さずとも、同じシーンが後に何回も出てきましたけどね(監督も私と同じ穴の狢か)。
まあ、これ以上、「オレがいかにド畜生なのか」を語っても、何もいい事無いと思うので話を変えますが、上で挙げた「この映画の良い点」のもう一方である、「舞台設定の面白さ」ですけど、何しろ、かなり特異な場所なんで、普通の地が舞台の映画には無い見所とか演出とかが出てくるんですよね。
特に、猛吹雪が訪れると、飛び交う雪によって、もはや目の前さえも見えなくなるという、“ホワイトアウト”の場面を、犯人の襲撃や対決に絡めた辺りは、かなり見応えがありましたね。
ロープ伝いにしか移動出来ないうえに、もしロープから手を離したら、強風で吹っ飛ばされるという、この恐ろしい状況。サスペンス映画でもアクション映画でも、終盤で犯人と格闘する映画は多々ありますけど、この状況での対決は滅多にお目にかかれないものですからね。
と言う訳で、かなり地味目で、ストーリー面にも特にこれといった所の無い映画でしたけど、他の面に色々と面白い点があったので、全体的には、楽しめる映画でした。
個人的評価 50点 (50点満点中)
◎満足度 ★★★★★ (見終わった後にどれだけ満足感が残ったか)
◎肯定度 ★★★★★ (この映画をどれぐらい支持したいと思ったか)
◎評価度 ★★★★★ (客観的に評価してみる)
◎おススメ度 ★★★★★ (他の人に勧めても大丈夫そうか)
◎神度 ★★★★★ (この映画ならではの評価ポイント)
内容は、ライブのリハーサル風景という事で、映画のDVDの特典映像に入ってるメイキングを見てるような感覚でしたね。演出面を舞台上で、即興に近い感じで形にしていく作業はかなり興味深かったです。興味深いと言えば、こういうクリエイティブな面で、マイケルの人となりが垣間見られたのは面白かったですね。ほんと、怒ったり怒鳴ったりとかしない人なんですね。喋り方が穏やかだから、実際は怒っててもそう見えないのかもしれないですし、何よりも、本人が「これは怒ってるんじゃない。愛だよ」みたいな事を言ってましたしね(笑)。
で、そんな、周りの全ての人に愛を持って接しているかのような態度で、プロフェッショナルな仕事をしている姿というのが実にクールでカッコいいです。
そして、マイケルだけでなく、関係者全員が「最高のものを目指そう」という心意気を持っているんですよね。何しろ、マイケルを尊敬していて、尚且つ、その分野のトップにいるような凄い連中が揃ってるわけなんですから。「これは凄いのが出来上がるぞ」と思ってしまいます。結局、完成形を見る事は叶わなくなってしまいましたが・・・(完成したとしても、DVD化されない限りは結局見られないんですけどね)。
とてもリハーサルとは思えないぐらいの気合の入ったステージが出てくるわけですけど、もう、この人達クラスになると、リハーサルの段階で、その辺の連中の「リハーサルにリハーサルを重ねたうえでの本番」を凌ぐ凄味があったりするんでしょうねぇ。
それに、この映画の場合、大量のリハーサル映像の中からいいのを抜き出していたりするんでしょうから、それはもう、「これでリハーサルか!」思うような事態になってしまうわけですよ。
あと、今回のこの映画を作るに当たって、練習場面とか、関係者へのインタビュー場面とか、本来ドキュメンタリー映画ならメインに来そうな部分がかなり少なめで、代わりに、「いい仕上がりに終わったリハーサル映像」をメインに持って来ているんですよね。なので、「もし実現したらこんな感じになる」というのに限りなく近い形の映像化になってると思わせてくれるこの構成はかなり良かったですね。そもそも、こういう内容こそ、見る前に「こうなっていたら」と期待していたものなので、もう大喜びでしたよ。歌が途中で途切れるような事もほとんど無かったですし。「合間にメイキング映像が入ってる、ライブDVD」を見てるみたいでしたね。
と言う事で、当然、マイケルの歌やダンスといったパフォーマンスもたっぷり出てくるわけですけど、これを見て改めて、「マイケル・ジャクソンがいかに凄い人だったのか」というのが感じられましたね。大いに驚嘆したものでした。
まず、ここ数年の、裁判で揉めてた辺りの映像とか見ると、何かもう、歩くのもやっとみたいな感じだったじゃないですか。「もうこの人は踊るどころの話じゃないんだな」と思ったものでしたけど、それが、世界最高峰レベルのトップダンサー軍団の中に混じって(と言うか、その連中の先頭に立って)ダンスをしてる姿に、何の違和感も無かったんですからね。あのバックダンサー軍団、きっと年齢もキャリアも、ダンサーとして全盛期みたいな人達なんですよね。素人目で見ても判るぐらい、動きのキレやスピードがハンパじゃなかったですから。で、ただでさえ50歳という、激しいダンスをやるには高齢に達してる人だというのに、そんな凄い連中と一緒になって踊れるなんて凄過ぎでしょう。
ダンスも凄かったですけど、歌の方にも驚かされましたねぇ。歌う所はほとんど、その場で実際に歌っている生歌だったんですけど、CDと比べても劣化してる感じがほとんど無いんですよね。と言うか、このリハーサルで歌ってるのをそのまま収録してCD化しても、今まで出ていたCDの歌と聞き比べてもほとんど遜色無いんじゃないかと思うぐらいですよ。もう、いつ歌っても常に一定のクオリティの歌が歌えるという事なんですかねぇ。
そして、ステージ上の演出面も、相変わらずかなり凝っているようでしたね。『スムーズ・クリミナル』や『スリラー』とか、まるで新作ショートフィルムを見てるかのような、それはカッコイイ映像が作られていたようで。特に『スリラー』なんて、3D版だとか言うじゃないですか。映画じゃなくて、ライブで3Dをやるって、どんな発想だよ(笑)。
未完成だからなのか、リハーサル段階だからなのか、新撮の映像は全部は流されませんでしけど、「是非とも完全版をDVDで見たい!」と思ってしまいましたねぇ。実際には新作ショートフィルムではないんで、完全版は存在しないんでしょうけどね(ステージ上のマイケルと絡むのが完全版という事になるわけなんでしょうし)。
と、色々な面で驚きの連続という感じで、改めて「もしマイケルが存命だったなら、物凄いライブになっていたに違いない」と思わずにはいられませんでした。一方で、「マイケルの体力は最後まで持ったんだろうか」という不安も出てくるようなボリュームでしたけどね。
個人的評価 29点 (50点満点中)
◎満足度 ★★★★☆ (見終わった後にどれだけ満足感が残ったか)
◎肯定度 ★★★☆☆ (この映画をどれぐらい支持したいと思ったか)
◎評価度 ★★★☆☆ (客観的に評価してみる)
◎おススメ度 ★★★☆☆ (他の人に勧めても大丈夫そうか)
◎アパート度 ★★★★★ (この映画ならではの評価ポイント)
何だか、マズい点ばっかりの映画みたいですけど、基本的には「前作よりもやや劣る」ぐらいの面白さはあると思うんです。ただ、まあ、前作が良かっただけに、そして前作とほとんど同じ作りであるだけに、「物足りない感」がより強く感じられてしまうんですよね。
ちなみに、前作から新たに加わった新要素というのも一応あります。
一つは、カメラの台数が増えたという事。前作はパブロの持っていた1台だけでしたが、今回は、メインのカメラの他、隊員のヘルメットにも小型カメラがついているんで、より色んなアングルから事件を見せる事が可能になる、という設定のはずなんですけど、何故か、恐怖演出にはほとんど絡んできませんでしたし、そもそもこのヘルメット・カメラの映像が出るシーン自体が少なかったんですよね。何か、もっとうまく使えなかったのかなぁ、と思ってしまいます。
で、もう一つは、悪魔系オカルト風味が加わってきた事。実は、この映画の感染者は、『28日後』を始めとする、他のゾンビ映画の感染者とはまた違った性質を持っていた事が判明するんです。
ここは、きっと賛否分かれる点だと思いますね。リアリティが損なわれる結果になりますから。そもそも、“ゾンビ”にある程度のリアリティを持たせたのが“感染者”であり、それを現実味たっぷりなPOVで撮りあげたのが前作だったのに、ここにきて絵空事感の強い要素を放り込んでくるなんて無謀な真似のように思えます。
でも、私は、今作には前作で感じたような衝撃が得られそうも無い以上(このスタッフ、この舞台、この手法の映画に対して耐性が出来てしまっている為)、何か違う要素というのは入っているべきだと思いますし、ゾンビ映画に悪魔系オカルト要素を組み合わせるというのは珍しくて面白いと思います。いや、「ゾンビとオカルトの組み合わせ」と言うと、ブードゥーが出て来る姿が思い浮かんでしまうんで、「感染者映画とオカルトの組み合わせ」と言うべきか。
と言う訳で、面白い映画ではあったんですが、「『REC』の続編!」と言うより、「『REC』のおまけ」と思っていた方が評価の出来る映画かな、という気はしましたね。
個人的評価 38点 (50点満点中)
◎満足度 ★★★★★ (見終わった後にどれだけ満足感が残ったか)
◎肯定度 ★★★★☆ (この映画をどれぐらい支持したいと思ったか)
◎評価度 ★★★☆☆ (客観的に評価してみる)
◎おススメ度 ★★★★☆ (他の人に勧めても大丈夫そうか)
◎サプライズ度 ★★★★★ (この映画ならではの評価ポイント)
さて。その「怖い子供」ことエスターは、一見、可愛くて聡明な少女なんですが、その裏には恐ろしいサイコの顔が隠れているんです。
最初の頃は、家族にも観客にも裏の顔は見せてこないんですが、「普通の子とちょっと違う所がある」という気配は漂わせています。話が進むにつれて徐々に危険な面を見せ始めてくるんですが、それは観客と一部の登場人物のみに見せているもので、表面的にはまだ「可愛くて聡明な少女」を装っているわけです。
で、エスターの危険な面が表面に出てくるのに比例して映画の怖さも上昇していく事になり、話が進めば進むほど怖くなっていくという流れになってるですよね。正直、前半はちょっと退屈だったんですけど、中盤辺りからは、もう、どんどんと引き込まれていってしまいました。年端もいかぬ少女が、ハンマーで大人を撲殺するという、結構衝撃的な映像も登場してきたりします。
そしてクライマックス、驚きの正体が明かされた所で怖さもピークを迎えるわけですよ。実に見事な展開ですね。
ちなみに、「養子をもらう」=「子供がいない家庭」というのが当たり前だと思っていたんですが、この一家はすでに子供が二人もいるのに(もちろん、実の子供)養子をもらうんですよね。何か、私にはちょっと理解しかねるところなんですが、きっと向こうではよくあるケースだったりするんでしょう。
で、エスターは、子供二人に対しては割と早くから裏の顔を見せるんですが、それを親にバラされない為に、しっかりと脅しつけておくんです。
この脅しのテクニックとか、大人に正体を悟られない為に要領よく振舞う所とか、絵やピアノ等にかなりの才能を見せる所とか、ほんと頭がいいんですよね。かなりの頭脳派&策略家です。
2回目の鑑賞時とか、エスターの目線で、「いかにして家族を騙していき、そして邪魔物を消していくか」といった角度から見ていったら、また違った面白さが味わえそうな気がします。
話の真の主役である母親は、エスターの正体に(と言っても、ラストで出てくる本当の意味での正体ではないですけど)気付き始めていき、それがいよいよ確信に変わるような出来事も出てきたりするんですけど、実はこの母親には「アル中」という前科がある為、証言を信用してもらえないという枷があったりするんですよね。これがまた「もどかしい」と思うと同時に「うまい設定だな」とか思ってしまいましたねぇ。
一方、父親の方はエスターがいい子である事を全く疑おうとせず、妻の言う事は全く信じようとしません。とは言え、まあ、常識的に考えたら、あんな年端も行かぬ少女が「家族にとって脅威」なんて有り得るわけがないですからね。我々はエスターが恐ろしい存在だという事を知っているので、父親の態度は非常にもどかしいしイライラさせられるんですけど、現実的な対応ではあるんですよねぇ。まあ、それぐらい、エスターは父親の方には尻尾を掴ませないように慎重に行動し、結果、父親を手玉に取るみたいな状況に持っていってしまってるんですよね。いやぁ、恐ろしい奴です。
これが、この夫婦に子供がいない設定で、エスターが一人娘として貰われてきたのなら、「大人の女性が、女の子に追い詰められて行き、家庭内に居場所が無くなる」みたいな感じの話になる所ですけど、この映画の場合はそれだけでなく、「実の子供二人が、もう何をされるか分からない状況におかれている」という危機感があるんですよね。主人公である母親がなんとか頑張らないと、下手したら子供達に危害が及ぶどころか、下手したら殺されかねないというわけで、後半は、ストーリーにかなりの緊迫感が出ていましたね。
と言う訳で、全く期待も何もしていなかった映画ですが(何か、突如公開が決まったみたいな感じで現れてきましたからね)、「意外な拾い物」といった感じの、お得な一品でした。
個人的評価 50点 (50点満点中)
◎満足度 ★★★★★ (見終わった後にどれだけ満足感が残ったか)
◎肯定度 ★★★★★ (この映画をどれぐらい支持したいと思ったか)
◎評価度 ★★★★☆ (客観的に評価してみる)
◎おススメ度 ★★★★☆ (他の人に勧めても大丈夫そうか)
◎アクション度 ★★★★★ (この映画ならではの評価ポイント)
で、その内容ですが、『狼よさらば』にしろ、『ブレイブワン』にしろ、主人公の標的は、家族を襲った真犯人ではなく「町を徘徊するダニ共全て」でしたけど、今回は実行犯のグループのみが対象になっていましたし、必ずしも私刑全肯定という話ではなかったりするという事で、実は、私がこの手の映画に求めてる物が少々希薄ではあったんですよね。
ですが、その代わりに、目を見張るほどのド迫力なアクションシーンが入っているではないですか。それこそ、『ランボー4』以来の興奮と衝撃を伴った、それは凄いアクションシーンでして、もう、見ててシビれまくりでした。
それも、『96時間』のリーアム・ニーソンのアクションを見て、「こういう、普段アクションをやらない人のアクション映画も新鮮味があっていいな」と思い、「例えば、ケビン・ベーコン辺りがアクション映画やったら、新鮮味があって面白いんじゃないだろうか」と思っていた矢先のコレですからね。
ただ、ベーコンの役どころは、戦闘のプロとかではなく、それどころか戦闘の経験皆無の一般人です。職業も保険会社の重役か何かで、「仕事で培った技能が後に役立つ事に」なんて事にもなりません(ただ、仕事で稼いだ財力は後に役立つ事となりましたが)。そして、ベーコン自体、アクション系映画の経験はほとんど無しです。
で、そんな男が、血みどろの復讐劇を繰り広げる所に、何とも言えない迫力があるんですよね。しかも、その定評ある演技力でもって「素人が、怒りの情念だけで戦っている」みたいな気迫を感じさせる演技を見せているんですからたまりません。
その「復讐の狼モード」になるのがかなり遅いんですけど、その分、それまでの「一般人ぶりを見せるベーコン」の印象が脳にしっかり浸透するんですよね。なので、後に怒りの狼モードに変化した際に、そのギャップに驚きがと興奮があるんです。「うわ、何か手が付けられないほどキレてる」と、「さあ、いよいよ始まったぞ!」みたいな感じで、見てて大盛り上がりです。
ちなみに、感情をあまり表には出さずに怒りを表現する、という演技で、佇まいは静かな雰囲気なんですけど、もう、表情から「危険臭」が漂いまくってるんですよね。この人は悪役も多いですけど、今回の役が一番デンジャラスだったのではと思います。
あと、狼モードになる前の段階での、ギャング団から襲撃を受けるシーンで見せる「逃走」やら「必死の反撃」を試みるシーンも、かなりアクションのテンションが高いんですよね。しかも、中には長回しのアクションシーンなんてのを挟んできたりしますし。元々アクション要素のそんなに高くない映画だと思って見ていたんで、大いに驚かされたものでした。
それに、ここで襲われてるのは、武装したキレた狼ではなく、当時はまだあくまでもただの一般人なので、緊張感が半端じゃないです。アクション俳優と違って、安心して見てられないですからね。
一方、上でも書いたように、復讐や私刑を肯定しているわけではないというスタンスの映画なので、ストーリー的には、アクション映画的爽快感というのは無いんですよね。最後には、虚しさとか悲しみなんかが残るようになるんですけど、でも、アクション演出が恐ろしくレベルの高いものだったので、高揚感も同時に残ったりもするんです。
なので、見終わった後はもう、色んな思いが渦巻いてましたね。そして、最終的には「物凄い映画を見た」という満足感が出てくるわけですよ。これは間違いなく、ケビン・ベーコンの代表作の一つになるでしょうね。
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個人的評価 50点 (50点満点中)
◎満足度 ★★★★★ (見終わった後にどれだけ満足感が残ったか)
◎肯定度 ★★★★★ (この映画をどれぐらい支持したいと思ったか)
◎評価度 ★☆☆☆☆ (客観的に評価してみる)
◎おススメ度 ☆☆☆☆☆ (他の人に勧めても大丈夫そうか)
◎異常度 ★★★★★ (この映画ならではの評価ポイント)
そんな内容なんで、全てがギャグみたいな感じなんですけど、そのギャグがどれもこれもいちいち面白いんですよね。もしかしたら、今年見た映画の中で一番笑えたかもしれません(コメディの『イエスマン』といい勝負だったと思います)。バカをやってるシーンだけでなく、「これはセンスある演出だな」と普通に思えるギャグシーンというのもありましたしね。
あと、監督始め製作陣や、出演陣ともども、「きっと楽しくやってるんだろうな」というのが映画全体から感じられるのもいいです。と言うか、ほとんどフザケ半分で作ってるとしか思えないような内容ですからね(笑)。
でも、こういう映画の企画がちゃんと通って、ジェイソン・ステイサムのような有名スター主演で製作されるというのは素晴らしい事だと思いますよ。
実は、前作を見た時は「ステイサムも、よくこんな、誰にも自慢出来そうにも無い映画に出る気になったな」とか思ってたんですけど、今回は、「こういう映画に出られるスターって、いいな」なんて思ってしまいました。受け入れられない人にとっては全く受け入れられない映画ですけど、好きな人にはたまらない映画ですからね。そういう、狭い(と思われる)対象を相手にこんなに体張れるなんて凄いと思いますよ。
ステイサムも凄いですけど、エイミー・スマートの方はもしかしたら、もっと体張ってたかもしれないですね(笑)。こっちはこっちで、「こういうバカに理解のある女優って、いいな」なんて思ったものでした。
個人的評価 47点 (50点満点中)
◎満足度 ★★★★★ (見終わった後にどれだけ満足感が残ったか)
◎肯定度 ★★★★★ (この映画をどれぐらい支持したいと思ったか)
◎評価度 ★☆☆☆☆ (客観的に評価してみる)
◎おススメ度 ★☆☆☆☆ (他の人に勧めても大丈夫そうか)
◎セガール拳度★★★★★ (この映画ならではの評価ポイント)
と、そんな状況で登場したこの『沈黙の逆襲』ですが、「まだまだ、やれば出来る!」というのを見せつけてくれる、実に頼もしいアクションを披露してくれるじゃないですか。
以前の、「これは、誰も敵わない!」と、見てるだけでその強さが実感出来るような見事なアクション捌きを見せてくれるんです。もう、ほんと隙が無いんですよね。どこから攻めても軽くいなされそうな威圧感もあって、久々に、セガールに真の「無敵」を感じたものでした。
実のところ、アクションシーン自体結構少な目なんですけど、この合気道の匂いのするセガールアクションが見られただけでも元は十分とれるぐらいでした。
ストーリーの方は、「セガールがボディガードをやる」というものですけど、少々、盛り上がりに欠けるような感のあるものでした(つまらなくはないんですが)。ですが、護衛をする対象の女が、ケビン・コスナーの『ボディガード』で出てきたようなムカつくビッチではなく、割と物分かりのいい人だったのは幸いでした。それどころか、かなりの信頼感を寄せる事となります。いくら最強のボディガードとはいえ、若い女にとっては、セガールみたいな外見のオヤジに四六時中ついてこられたら気持ち悪がりそうなものですが、そんな素振りは全く見せません。この「セガールが若い女に懐かれる」というのは、なかなか面白い画ではありましたね(笑)。
ちなみに、今回のセガールは「元刑事」という設定で、ボディガードの経験なんて無さそうなんですけど、そこは「セガール演じる主人公」なんで、要人の護衛に関する知識と技能を当たり前のように持ち合わせているわけです。でも、その「プロっぽさ」というのがあんまり表現出来てなかった気がするんですよね。だいたい、途中でまんまと対象の誘拐を許してしまいますし(地元警察に邪魔されたからという理由もある事はあるんですが)。
せっかくセガールが主役なんですから、任務を余裕でこなしてしまう様というのを見てみたかったですね。「途中でさらわれるけど、ラストで奪還する」なんて、セガールじゃなくても誰でも出来る事じゃないですか。
一方、アクション面には「セガールならでは」な所があったのは良かったです。例えば、ナイフを持ったチンピラをシバき倒した際のセリフとか、ラストバトルの相手をぶち殺す前に言ったセリフとか。他のアクションヒーローなら(例えアンチ・ヒーロー系でも)酔ってても言わなそうなセリフでしたからね(笑)。
あと、護衛の対象がちょっとしたトラブルに見舞われた際に、それを武力でサクっと解決してみせて信頼を得るみたいなのは他のボディガード物でも定番で出て来そうな展開ですが、そこで見せる「全くの危なげ無さ」と「過剰な暴力」もセガールならではな点でしょうね(笑)。
ちなみに、冒頭で「セガールが相棒に銃で撃たれて瀕死の重傷を負う」というシーンがあるんですけど、てっきり、この撃った相棒が「今回のセガールの倒すべき敵」なのかと思っていました(それこそ、コイツが最終的なボスキャラになるんだろうなと)。でも、この事件は序盤であっさり解決してしまうんですよね。
この同僚に対して復讐をするから『沈黙の逆襲』なんて邦題がついたのかと思ったんですが、まさか、この冒頭が、メインストーリーとほとんど切り離された、丸々カットしても痛くも痒くも無いパートだったとは(笑)。
まあ、セガール以外なら間違い無く死亡確定な撃たれっぷりにも関わらず、普通に生還するという展開は実に素敵でしたけどね。しかも、「昏睡状態からいつ醒めるのか分かりません」と言う看護婦のすぐ後ろでもうモゾモゾと動いてましたし(笑)。『ハード・トゥ・キル』の時は覚醒まで数年掛かったものでしたが、あれから無敵度がかなり上がったようで、ほぼ数時間程度で覚醒したようです。
今世紀に入ってから、時々、「撃たれて、生死の境をさまよう」という展開を出してきますけど、どういう風の吹き回しなんでしょうかね。自分も人並みだという事をアピールしたいんでしょうか。結局、「どんなに撃たれても死なない」という、無敵性の強調みたいな感じになってるんですけど(笑)。
ジェット・リーやジェイソン・ステイサム、キアヌ・リーブスなんかは「銃弾を避ける」という事で強さを表現している事がありましたけど、この人は「撃たれても死なない」という事で強さ(と言うか、無敵さ)を表現しているんですね。
個人的評価 48点 (50点満点中)
◎満足度 ★★★★★ (見終わった後にどれだけ満足感が残ったか)
◎肯定度 ★★★★★ (この映画をどれぐらい支持したいと思ったか)
◎評価度 ★☆☆☆☆ (客観的に評価してみる)
◎おススメ度 ★★☆☆☆ (他の人に勧めても大丈夫そうか)
◎夢の組み合わせ度★★★★★ (この映画ならではの評価ポイント)
ですが、そんな感染者軍団でも、この手の映画で本来主役を張るはずの「普通の人々」が相手ならば、これでも十分脅威です。
と言うか。実はこの映画、主役はセガールじゃなくて、この「生存者グループ」の方になるんですよね。その中の特定の誰かが主役というわけではなく、ノースターのパニック映画で見るような「特定の主役がいなく、誰が生き残るか分からない仕様」みたいな感じです。
で、この生存者グループが、スタート地点である大病院から脱出するというのがメインのストーリーになってくるんですが、その合間に、ゾンビを狩って生存者を救出する仕事をしているセガール率いる“ハンター”と呼ばれるグループが近辺をウロウロする場面が挿入されてくる、という形になっているんです。
これがまた、本編の生存者グループと違って、ほとんどセリフも無ければアクションも無いという、まさにとってつけたようなパートになってるんですよね。なので、「もしかしたら、名も無いB級ゾンビ映画に、セガールの場面を撮って付け足して、さもセガール主演のゾンビ映画のように見せかけているだけなのでは」と思い始めるぐらいでした。
普通はそんな事有り得ないですけど、でも“セガール映画”とは、「何が起こっても不思議じゃない!」という覚悟で臨まないとならないジャンルですからね。なので、もう中盤ぐらいで、セガールが本編に絡む事を期待するのを辞めて、ゾンビ映画として楽しむ事にしようと思い直す事にしたんですけど、これが嬉しい事に、中盤以降、この生存者グループにちゃんとセガール一行が合流して、本編に絡んでくれたんですよ。何故かこれが「予想外のラッキー」みたいな感じに思えて、物凄く嬉しかったですね。当たり前の展開にようやくなっただけの話なのに(笑)。
その後、「生存者グループの誰かがゾンビに襲われて大ピンチになる」「セガールが颯爽と現れてゾンビを瞬殺する」というのが繰り返されるんですけど、このゾンビ映画とセガール映画のコラボっぷりには、ほんと見てて感動しましたね。何の捻りも無い展開が続いてるだけなんですけど(爆)。
とにかく、普通に見たら、ほんと大した事ない映画なんですよね。この映画を見ながら、「この展開なら、次はこうなった方が面白いだろうな」というのを思いながら見てしまいますけど、実際に出てくる展開は、その妄想ストーリーを確実に下回るものです。
だから、私も「こんな最高のネタを使って、こんな程度の映画しか作らないのか!」と怒ってもおかしくないはずなんですけど、早い段階からセガールがゲスト出演程度の出番だという事を受け入れていたのが良かったのか、あんまり「これ以上」を求めるという思いが出てこなかったんですよね。それよりも、ゾンビ映画にセガールが出てくるなんて映画が本当に作られたという事への感動の方が大きくて、「この映画の全てを認めてあげよう」という気持ちになってましたねぇ。
ちなみに、セガールの相棒役として、ロック様の従兄弟が出演しているんですが、この人、これまでロック様のスタントダブルを担当していたらしいという、ロック様と同等か、もしかしたらそれ以上に動ける人みたいなんですよね。なので、アクションの見せ場がセガール以上に用意されていて、これでますますセガールの出番も減っていく結果になってしまってるんですけど、でもセガールの前作『雷神』を見た後となっては、「じゃあ、明らかにスタントダブルと分かるセガールのアクションシーンが増えるのと、身体能力の高いロック様の従兄弟のアクションシーンが増えるの、どっちがいいんだ」と言われたら、やっぱり後者を選んでしまうだろうなと思うわけですよ。もちろん、一番いいのは「セガール本人によるアクションシーンが増える」ですけど、もはやそんな大層なものを期待なんて出来ない状況ですし(笑)。
ただ、この人は割と苦戦する場面が多くて、「やはり、マッチョな猛者といえど、ゾンビの大群と戦うのは危険な事だ」という面をちゃんと出してくれるんですよね。なので、ゾンビの大群相手にも全く苦戦する所を見せないセガールの凄さを改めて引き立たせてくれる役にも立っているとも言えるわけですよ。
さて。今回でゾンビ映画も制したセガールですが、こんな感じで、他のジャンル映画を制していくみたいなパターンも有りなんじゃないかなと思ったものでした。例えば、「怪獣映画」や「宇宙人侵略映画」なんかを制していくとか(笑)。
個人的評価 41点 (50点満点中)
◎満足度 ★★★★★ (見終わった後にどれだけ満足感が残ったか)
◎肯定度 ★★★★★ (この映画をどれぐらい支持したいと思ったか)
◎評価度 ★★★☆☆ (客観的に評価してみる)
◎おススメ度 ★★☆☆☆ (他の人に勧めても大丈夫そうか)
◎モヒカン度 ★★★★★ (この映画ならではの評価ポイント)
で、何でこの映画の評判が良かったのかと言うと、『マッドマックス』や『北斗の拳』なんかの世界で出てくるお馴染みの連中、“ヒャッハー”とか“モヒカン”といった愛称で親しまれてる輩が元気に大登場するから、というのが大きな理由のようです。
でも、私は『マッドマックス』にも『北斗の拳』にも特に思い入れが無いんで、今、新作映画にモヒカン・ヒャッハーが出てきた所で、それほどのありがたみは無いんですよね。
とは言え、やっぱりかなり個性的な連中ではありますし、何だかんだで、コイツらの行動は見てて面白いです。「俺も仲間に入りたい!」とつい思ってしまうぐらい楽しそうですしね(笑)。
そして、クライマックスで繰り広げられる「『マッドマックス』のファンが集って、ドライブ大会を繰り広げている様」の熱気とパワーには思わず圧倒されてしまいます(正確にはそういうシーンではないんですけど、コンセプトは似たようなものでしょう・笑)。
モヒカン・ヒャッハー以外の面に関してですが、全編に渡って、どこかで見たような映像や展開が出まくるという、監督に「お前はフランケンシュタインか」と言いたくなるような、継ぎ接ぎだらけの映画、といった感じでした。
ですが、選んだパーツがどれも素晴らしい見栄えのものなうえに、継ぎ接ぎの技術が超職人技級だった為に、もはや怪物と言うより芸術に近いような、それは見事な作品が完成してしまったんです。
確かに、オリジナリティこそ無いですけど、色んなジャンル映画の要素を上手く組み立てて話を作っているという感じで、オマージュ元の映画単品には無い、「ごった煮映画」としての面白さが詰まっているんですよね。これはこれで新鮮な楽しさが感じられたものでした。
あと、内容は一応シリアスな近未来アクションで、実際、全編シリアスに撮られているんですけど、何とも言えないバカバカしさに満ち溢れてもいるんですよね。もちろん、この雰囲気も計算で出してるものですよ(多分)。どういう事かと言うと、劇中内のキャラクターはいたって真面目なんですけど、その行動は傍から見ると非常に笑えるみたいな感じですかね。
特に、モヒカン軍団のリーダーの行動なんて、いちいち面白かったですからね。寸でのところで獲物を取り逃がして、悔しさのあまり、隣にいたザコをぶん殴るとか(笑)。野外ステージでライブみたいなのをやってる所なんかは、あまりに異常過ぎて「これはいったい、何のシーンなんだ?」と戸惑ってしまいましたよ。でも、このシーンから、「これがどういう映画なのか」というのが飲み込めてきたんで、今思うと非常に重要な場面だったように思えます。
他にも、所々に細かい笑える場面かとか笑える瞬間というのが仕込んであるんですけど、コメディ風に演出されてるわけでもないんで、人によってはスルーしてしまいかねない所なんですよね。あと、「死に様が笑える」というパターンも多いんですけど、割とグロ度が高かったりするんで、「これはバカバカしい(けど、よく出来た)映画だ」というのに気付くか気付かないかで評価は大きく変わってくるんじゃないかと思います。
あとアクションシーンに関してですが、カメラが動き過ぎるのかカットが早すぎるのか、かなり見づらい事になっているにも関わらず、迫力と面白さはしっかり感じる事が出来るというものになっていました。
ヒロインを演じてる人も、かなりムキムキした体型に角ばった顔という、「いかにもマッチョ女」な外見ですが、動きは実にもっさりとしてるんですよね。正直、設定ほど強そうに見えなかったんですけど、アクションシーンの見せ方とか組み立て方とかが良かったのか、段々と「コイツは超強い女だ」というのに説得力が感じらてくるんですよね(ちなみに、「この人、どこかで見たような気がするな」と思ってたら、『アンダーワールド・ビギンズ』に出てたんですね)。
映画自体はB級っぽい内容なんですけど、予算はA級クラスなので、アクションシーン全般に結構な迫力が感じられる所も良かったです。こういう、「A級の予算のB級映画」って、面白い映画が多い気がしますね。去年の『デス・レース』もこのタイプの映画ですよね、きっと。いやぁ、こういう映画がもっと増えてくれるといいんですけどねぇ。
個人的評価 35点 (50点満点中)
◎満足度 ★★★★★ (見終わった後にどれだけ満足感が残ったか)
◎肯定度 ★★★★★ (この映画をどれぐらい支持したいと思ったか)
◎評価度 ★☆☆☆☆ (客観的に評価してみる)
◎おススメ度 ★☆☆☆☆ (他の人に勧めても大丈夫そうか)
◎珍妙度 ★★★★★ (この映画ならではの評価ポイント)
映画の本筋とも言える、「謎の部屋に閉じ込められた人の話」も、見てるこちらも一緒になって「どうやったら脱出出来るんだろう」と考えながら見られる楽しさがあって良かったです。
で、この「部屋の謎をちょっとづつ解いて行く」という辺り、ネットの無料ゲームでお馴染み“脱出ゲーム”を彷彿とさせるんですよね。ちょっと前にハマってた時期もあったんで、この「脱出ゲーム・ザ・ムービー」な雰囲気は、見ててかなり楽しかったですね。
そして、部屋の脱出方法の解答は、多分、主人公の松っちゃんがやった事以外にも、色々とあったと思うんですよね。「あの道具をああして使ったらもっと簡単に出られたんじゃないか」とか、そういう妄想をする楽しみというのもあるんです。
あと、「この映画のテーマは何か」とか「タイトルの“しんぼる”とは何を意味しているのか」といった事を考えながら見る事も可能でしょう。さすがに、全て適当に思いついた事を映像にしてるわけではなく、何かしらの意図は込められているんだと思います。
例えば、何故壁のスイッチが天使のチンコなのかというのにも、深読みすれば、「何々の象徴として使われている」みたいな事が出てくるのかもしれません。ですが、私はそういう面に深く入り込むつもりは無いですけどね(爆)。スイッチがチンコに関しては「何の意味も無い。ただふざけただけ」という解釈です。だいたい、こんな所に頭使ったって何の特にもなりませんからね。コメディ映画なんですから、上映時間の間、笑って楽しく過ごせれば(そして、鑑賞後は、連れと各場面への突っ込み所を話し合うと。映画にはボケ役だけで、ツッコミ役がいなかったですからね)、それで十分だと思います。
個人的評価 50点 (50点満点中)
◎満足度 ★★★★★ (見終わった後にどれだけ満足感が残ったか)
◎肯定度 ★★★★☆ (この映画をどれぐらい支持したいと思ったか)
◎評価度 ★★★☆☆ (客観的に評価してみる)
◎おススメ度 ★★★☆☆ (他の人に勧めても大丈夫そうか)
◎超人大集合度★★★★★ (この映画ならではの評価ポイント)
今回も、そんな「ヒュー・ジャックマン=ウルヴァリン」の魅力は全開でした。ポジションも「主役級」から「単独主役」という事になってるわけなんで、多分、出演シーンもこれまでのシリーズより増えてるんじゃないかと思います。
なので、シリーズ中、最も、ヒューヴァリンの魅力が堪能出来る映画と言えそうです。ヌード姿での滝つぼダイブ&草原疾走という見せ場もありましたし(笑)。
もう一つ、ウルヴァリンと言えば、「主役級なのに弱い」という特徴がこれまではありました。いや、不死身の体と何でも切り裂く刃があるんですから、強い事は強いんですけど、何しろその能力が見た目かなり地味ですし、他にもっと攻撃的で派手な能力を持った連中がゴロゴロ出てきますからね。「不死身じゃなかったら何回ぐらい死んでるだろう」と思うぐらい、敵から攻撃食らいまくりの吹っ飛ばされまくりで、最後の最後に、突進して爪でブスリと刺して勝つという、何とも地味な戦いを繰り広げてきたキャラでもありました。
で、それでもカッコ良く感じられたのは、やはりヒュー・ジャックマンのおかげだったと思うんですけど、今回は、途中でアダマンチウムの骨格を入れてパワーアップするという展開があるせいか、アクションシーンに、ウルヴァリンの「強さ」を強調する場面というのが多かったような気がします。なので、シリーズ中、最もウルヴァリンに頼もしさが感じられる映画でもあったと思います(前作のラストも凄かったですけどね。全ミュータントの中でも、ウルヴァリンしか立ち向かえないみたいな状況になりましたし)。
一方、今回初登場のミュータントも、どれも個性的で実にイカしてました。特に、銃使いと刀使い、そしてアニメを見ていた私にとってはお馴染みのキャラであるガンビットの、ミュータントパワーを使う場面の描写はメチャクチャカッコ良くて、見ててかなり燃えました。
ただ。この超個性的なミュータント軍団の「アクションの見せ場」というのが、その能力を個別に披露した一回きりで終了なのはかなり残念でしたね。ガンビットとサイクロップスは2回ありましたけど、どちらも単発で技を出してみただけという、「アクションシーン」というより「CGシーン」みたいな感じでした。この辺の人達に、ただ技を披露するだけに止まらない、敵と技を繰り出しあうような激しい対決シーンなんかあったら大喜びだったんですけどね。
ただ、ウルヴァリンが絡むアクションシーンは概ね良好だったんで、アクション映画としての質は結構高かったとは思います。そのアクションシーンのほとんどを予告で見ていたせいで、映像に対する驚きが全く無かったのは残念でしたけど。
総合評価 40点 (50点満点中)
◎満足度 ★★★★★ (見終わった後にどれだけ満足感が残ったか)
◎肯定度 ★★★★★ (この映画をどれぐらい支持したいと思ったか)
◎評価度 ★★★★☆ (客観的に評価してみる)
◎おススメ度 ★★★★☆ (他の人に勧めても大丈夫そうか)
◎デンゼル様素敵!度★★★★★ (この映画ならではの評価ポイント)
さて。70年代に作られた『サブウェイ・パニック』という映画のリメイクですが、例によって、私はオリジナルを見ていません。なので比較は出来ないんですが、デンゼル&トラボルタという2大スターの演技合戦も迫力がありましたし、娯楽映画のツボを突いたトニー・スコットの演出も見事でしたし、いい映画だったんじゃないかと思います。何と言っても、「デンゼル主演作」という要素はオリジナルには全く無い点ですからね。
ちなみに、この内容の映画ならば入れなくていいと思われるアクションシーンやカークラッシュシーンが無理矢理入ってる辺りは「さすがアクション派のトニー・スコットだなぁ」と素直に感心していたんですが、どうやら、カークラッシュシーンはオリジナルにもあったらしいですね。でも、きっとオリジナルは「クラッシュシーンを入れたくて、無理に捻じ込んだんだな」なんて思わないような、自然な場面になってるんでしょうね、きっと。
「犯人が何を企んでいるのか」という、敵の目的の面が中々見えてこなくて、先行きが非常に気になるストーリー展開でしたし、そこに、交渉に関しては素人のデンゼルが(そうは見えないというのはひとまず置いといて・笑)、犯人に対してどう接し、対処していくのかといった辺りは見てて面白かったです。この、交渉の場での犯人との対話が、「知的な心理戦」といった趣になってるんですよね。
あと、ジョン・タトゥーロ演じる、本職の交渉人が現れるんですけど、出てきた当初は噛ませ犬、もしくはデンゼルの引き立て役みたいな役柄でしかないのかと思っていたら、これが意外といい奴なんですよねぇ。まあ、だからこそ、こんな演技派を起用してるんでしょうけどね(ただ、今年の夏に見た某映画のせいで、「また変な下着を穿いているんじゃないんだろうか」とか思うハメになりましたけど・笑)。