ネタバレ感想の部屋

ソウ4

ジグソウ亡き今、一体誰がゲームを仕掛けているのか?
まさかこの答えが「ジグソウ本人」とは思わないですよねぇ。しかもそのカラクリが「実は『3』と同時進行のエピソードだった」とは。結局、冒頭とラスト以外、全部過去の時間のシーンなんですよね。
それにしても、ジグソウはいったい何ヶ所にゲームを仕掛けてたんでしょうね。テープも大量に吹き込んで各地にバラまいていたようですし。間違えて、別の人用の所に違うテープを置いてしまったり、なんてミスはジグソウはしないんでしょうね。
もしかしたら、この『4』と『3』と、同じ時間の別の場所で、全く違う人がジグソウのゲームをやらされてるのかもしれないんですねぇ。ご苦労なことです(それを『5』のストーリーにするのだけは止めてくれ・笑)。


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<注>このまま下に行くと『パンズ・ラビリンス』のネタバレ感想が出てきます。
 
 
 
 
<注>上に『ソウ4』のネタバレ感想があります。

 

パンズ・ラビリンス

この映画のラストは、ハッピーエンドかバッドエンドかで意見が分かれる事と思います。
ハッピーエンドの場合、主人公の少女が人間世界から妖精の世界に辿り着いた、という解釈で、バッドエンドの場合は、妖精の世界が全て少女の妄想の中の話で、結局少女は撃たれて死にましたとさ、という解釈になるわけです。
普通に、何も考えずに映画の表面だけ見ていたら、ハッピーエンドという事になるんでしょうかね。映像では明らかに少女は妖精の国に辿り着きましたし(それも、試練をやり遂げて)、途中には魔法のアイテムが出てきて、現実では不可能な奇跡が起こったりもしていました。それに、ラストではナレーションで「これはハッピーエンドです」というような内容の説明までされます。
でも、映画のもっと奥まで見ようとすると、これまで魔法のように思えた描写にも、全て「偶然」や「気のせい」といった解釈が可能だったり、最後も、王国に辿り着いたシーンの次に少女が死ぬシーンが出てくるという事(そして、それ以降ファンタジー世界の描写は出てこない)から、「これはバッドエンド」という結論が出てきてしまうわけです(この場合、ナレーションは無視する事になるんですが)。

ですが、さらに「監督や脚本家が、どういうテーマでこの物語を語っているのか」というところまで考察すると、「最後少女は死にましたが、空想力のおかげで幸せな気持ちで死んでいけました。こんな辛い現実世界からとっととおさらばしたわけです」みたいな、「ある意味ハッピーエンド」という解釈が出てきます。
で、私はこれがこの映画のラストの解釈の正解だと思うんです。安易なハッピーエンドでもバッドエンドでもない、ほろ苦く悲しげで余韻の残るラストだと。

ですが、私はハッピーエンドの方が好きです。最後に主人公が死んでしまうような「ある意味ハッピーエンド」なんて中途半端なのは認めたくありません。
なので、「どうにか、この映画のラストがハッピーエンドだったと思える方法は無いか」と色々と考えてみました。
まず、マンドレイクの根やチョークといった魔法のアイテムが出てきましたが、これらは確実に現実世界に存在してる物です(「本当に魔法のアイテムか」というのは別にして)。少女だけでなく、大尉も見たり触ったりしてましたからね。で、これがパンから渡されたのでなければ、一体、どこから見つけてきたのか、という疑問が出てくるんです。根なんかは森で拾ってきたかもしれませんが、チョークはそう簡単に手に入るものなんだろうかと。少女以外の誰かがチョークを使ってるシーンとかも無かったはずですし。
これは、「全て少女の妄想かと思わせといて、実は本当に魔法の国があった」という証拠にならないだろうか。ならないか。
ではもう一つ。中盤ぐらいだったか、少女が、お母さんのお腹の中の弟に向けて「一緒に王国に連れて行ってあげる」という約束をしたじゃないですか。にも関わらず、ラストは少女一人で王国に行ってるんです。これが妄想の話だったら、絶対弟も一緒に行ってるはずなんですよ。それが一人で行ったという事は、王国は本当に存在していて、試練をクリアした少女だけが王国に行けた、というわけで、ラストのナレーションも無視しないで済むわけですよ。
どうだ、これが正解だろう。そう、この映画、実はハッピーエンドだったんです。
ただし。何となくですけど、王国にいた女王様が、赤ん坊を抱いていたような気もするんですよね。しかも、映画を見てる時は気づかなかったんですけど、思い返してみると、この女王様とお母さんが似てたような気もするんですよね。もし同一人物が演じていて、しかも赤ん坊を抱いていたりしたら、もう反論の余地が無くなってしまうんですが(ハッピーエンドの可能性の希望は、後はチョークだけか・笑)。
・・・・・・あと、あの手の平に目がついてるクリーチャーですが、「いくら妄想とは言え、あんな超異形のデザインのモンスターを、年端もいかぬ少女が考え付くかどうか」というのは、、、説得力が無いか。


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<注>このまま下に行くと『プレステージ』のネタバレ感想が出てきます。
 
 
 
 
<注>上に『パンズ・ラビリンス』のネタバレ感想があります。

プレステージ

冒頭で死んだと思われていた、ヒュー・ジャックマン演じるアンジャーが実は生きていた、というのは予告編のお陰で映画を見る前から分かっていましたが、「どうして生きているのか」の理由が、実にSF的な科学装置のおかげだというのは、何だか凄い展開でしたね。こういうのもアリなのか(笑)。
で、もう一方、クリスチャン・ベール演じるボーデンが生きている、というか二人いたというのが、ラストのネタばらしシーンで語られてきて、本来ならここで観客を驚かすべき場所のように思えるんですが、これは私ですらも予想する事が出来ました。
ただ、双子の片割れであるもう一人のボーデン(名前忘れてしまいました)が、いつから物語に登場していたのか、そして、そのボーデンBの方はボーデンAと同じように、トリックを見破る能力に秀でていたり、マジックを披露したりする技術があったのか、というのが分からなかったんですよね。
見てる間は、ボーデンBの方は完全な影武者で、マジックに関する能力が特にあるわけではないのかと思っていました。こういうのは持って生まれた才能も必要になってくるんでしょうし、双子だからといってそういう“才能”まで共通するものなのか、というのは分かりませんからね。
なので、ボーデンBが物語に登場したのはアンジャーの奥さんを縛るシーンで、こいつが素人だった為に変な結び方をしてあの事故を引き起こしてしまったのかな、と思ったのです。だから、ボーデンAは結び方を「覚えていない」と言ったのだと。
でも、人の命が関わるような事を素人にやらせるわけないですからね。やっぱり、あの事故に関わっていたのはボーデンAの方で、Bが登場したのは、ボーデンの協力者として変装して登場してきたあの時が最初という事になるんでしょうかね(まあ、普通に見ればあそこが初登場ですからね)。

あと、普通に見れば、最後に生き残ったのはボーデンAの方だと思うんですけど、ここも、「本当はどっちが生き残ったんだ?」なんて事を思ってしまいました。何しろ、Bにはマジックの技術が無いのではと思っていたので、刑務所の中で看守に足枷を嵌めるというマジックを使っていた所や、アンジャーの日誌を読んでいたりした点などから、ムショに入ってたのがAという可能性が頭の中に出てきてしまったんですよね。まあおかげで混乱する混乱する(そうなると、最初にアンジャーの瞬間移動を見に行ったのが、トリックを見破る能力が無いと思っていたBの方になるわけですしね)。
でも、そもそもの発端はボーデンAが結び方をしくじってアンジャーの奥さんを死なせてしまったという点なので、最後に処刑されるのがAの方が物語的にはスッキリ行くんですけどね。

それにしても、アンジャーの奥さんの事故死の件でボーデンは罪に問われもしなかったし、ボーデンを銃撃して指を吹っ飛ばしたアンジャーも逮捕すらされませんでした。なのに、なんで「水槽の前に立っていた」というだけで、ボーデンがアンジャーの殺害容疑で逮捕され、しかも死刑にまでされたのかが分からないですね。当時は警察の捜査や裁判のシステムが杜撰だったというだけの話なんだろうか。

「ボーデンが二人いる」という点は予想出来たものの、こういった「謎な点」が数多く噴出してしまったので、「オチを読んでやったぜ」的な快感があまり無かったですねぇ(笑)。この映画に勝ったと思ったら、実は負けていた、みたいな感じでしょうか。う〜む、悔しい!だいたい、ボーデンが二人いるという前提で物語を追っていたのに分からなかったんですからねぇ。果たして、今回出て来た謎は2回目を見て解けるものなのだろうか。


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